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図書館の本とKindleは人に貸せない…

さきほど読了した本

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 瀧森古都さんの

『たとえ明日、世界が滅びても今日、僕はリンゴの木を植える』

バンコクにある、日本人図書館で借りて明日が返却期間だったのでようやく今朝読みました。

読みたくて借りたはずがなぜか手に取れない。

そんな時がままあります。その時の気分なのかな。

ただ、そんな時は読みたいタイミングになったらすぐ読んでみるとドンピシャでハマって後に引く。その作家さんの本を手当たり次第に読んだり、何回も読み返したりします。

きっと本を読むタイミングを無意識にはかっているのでしょう。

海外に住んでいて悩ましいのが読書が思うようにできない。という点があり、活字中毒の私にはとても辛く感じます。

駐在生活を始めた2009年当時は、今のようにKindleもなければ、ネットよりも人から人への情報伝達が主流でした。

しかも、住んでいたのは中国上海。

日本の文化を持ち込むことが表立ってはかなわないお国柄でしたので、引越しの際も日本の文化に関する物に制限があり、ましてや日本の書籍を扱うお店は皆無。

と、言いながらもこっそりと日本人がよく利用するリサイクルショップの奥の片隅には駐在員達が売り残していった中古本が売られていて、古本独特の匂いを胸いっぱい吸い込みながら通っていました。


また、子供向けに100%ボランティア運営の虹文庫という図書館があり、本の貸し出しはもちろんお話会もしていて、短期間ながら私もボランティアをさせていただいて、本に囲まれる夢の空間に浸っていました。

そんな駐在生活の楽しみは、日本に一時帰省したときにここぞとばかりに本を買いだめして読み漁ることや、友人から借りて読ませてもらうこと。

そして私がみなえみイベントでチャリティバザーをした時に周りの方々に出していただいた、大量の日本の書籍をにんまりとしながら買ったこと。

今でも懐かしく思い出されます。


その後2016年にタイにスライドして驚いたのは、街中が日本であふれていたことです。

ここかしこに溢れる日本語、巨大な鯉のぼりに七夕の短冊、アニメ、AKB、そしてなにより紀伊国屋書店…。

親日の国タイでは、なんのためらいもなく日本が浸透していて上海で反日運動も体験したので、あまりのギャップに戸惑いを覚えました。

そんな気持ちもありつつも、

待ちに待った日本の書店に行けるウキウキ気分でデパート内の紀伊国屋書店に初めて足を踏み入れた瞬間、感極まって泣きそうになりました。

本が、日本の本が売られている。それも日本の本屋さんのように新しいのがたくさん…。いいのか、私は買ってもいいのか。ためらうほど目がくらむ場所でした。

輸入に際し、関税がかかるので本代も1.5倍は高い設定になっていますが、日本から重たい思いをせずに買えるなら安い安い。

古本屋さんも近くに堂々と開店しており(笑)、こちらも種類豊富。このお店で見つけた作家さんにハマって毎週のように通い詰めたりもしました。

また、こちらには日本人会なる団体が存在し、年会費を払うと会員になれて図書館も使えます。ここには子供図書館も大人図書館もあって私にはありがたい限り。娘達はかつては絵本を毎晩読み聞かせしていましたが、最近はもっぱらYouTube。いつの日かまた本の世界にも興味を抱いてもらえたら。

そして私の友人が運営するサロンには私設図書館もあり、こちらは善意の寄付で集まった書籍を無料で借りられます。私も読まなくなったらこちらに寄付してまた新たな読者へ譲るようにしています。


さらには、ここ数年のネットの世界は著しく進化し、今やスマホで読書ができてしまいます。ワンクリックすれば重たい書籍や読みたい書籍が瞬時に手のひらに。

AmazonのKindleを使い出してから、30冊以上の書籍がたった一台のスマホにおさまり、どの場所にいてもすぐに何度でも読めてしまう。

海外生活者にはこんなありがたいサービスはありません。中国ではネットも規制されていてYahooやLINE、もちろんAmazonも閲覧できませんが、きっと色んな目をかい潜って入手されている人もいるかもしれませんね。


上海時代の友人が奇遇にもバンコクでまたまたご一緒になり、彼女も本好きなので貸し借りをしてお互いに感想を述べ合ったり新しい作家さんとの出会いを提供し合えてありがたい存在。

ただ、タイトルにもある通り友人に貸したくても最近読んだ、さとうみつろうさんの『0 REi』上下巻は紀伊国屋書店になかったのでKindleにしてしまい、

冒頭の瀧森さんの書籍も図書館で借りた書籍。

どんなにおもしろくて共有したくても、彼女に貸せない…。彼女は残念ながら日本人会に入っていないので図書館で借りられません。

Kindleにもし期限付きで貸してあげるサービスがあれば嬉しいけどそんなことはしませんよね…。

貸し借りの楽しみを奪ってしまうKindleと日本人図書館。でも私にはたまらなくありがたいコンテンツ。悩ましいかぎりです。


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