福島の桃から学ぶ人材育成 〜応援の力が生み出す笑顔の連鎖〜②
第2回:風評払拭のために 〜チアリーダー魂で故郷応援〜
東日本大震災と風評被害
東日本大震災から13年が経ちました。原発事故の影響も重なり、福島の農業は大きな打撃を受けました。風評被害という見えない壁は今でも立ちはだかっています。福島で生まれ育った私も、津波と震災と風評被害という3重の苦しみに直面する皆さんの姿をそばで見てきました。
ミスピーチキャンペーンクルーとの出会い
私がミスピーチキャンペーンクルーの教育に携わるようになったのは、この震災がきっかけでした。家業の青果店では、毎年、福島の桃やいわきの梨など地元のフルーツを全国に発送しています。繁忙期には私も発送伝票を書いたり、検品を手伝ったりしていましたので、本当に多くの方に福島のフルーツが愛されていたということは理解していました。
しかし、震災後はそのフルーツを受け取ってもらえない状況に。両親の苦悩は計り知れず、母からは毎日ため息まじりの電話がありました。先の見えない不安ばかりの日々でした。私に何かできることはないかと考え、チアリーダーやキャンペーンレディの教育メソッドが役に立つのではないかと、担当の方に連絡をしたことを今でも覚えています。
チアリーダースピリットの活用
私の思うチアリーダーの本質は、選手と観客をつなぐこと。そして、どんな状況でも諦めずに応援し続けること。この精神を、ミスピーチキャンペーンクルーが体現し、イメージ払拭に活かせないだろうか。そう考えたのです。
当時は、放射線の影響で福島に女性が住んでいていいのかと問われることも多く、地域の輝きが失われつつありました。だからこそ、クルーのように鮮やかな制服で活動する若者たちが、心からの歓待の笑顔と生産者の皆さんの思いをしっかりとした言葉でお伝えすることで、少しずつ風評払拭につながればと、さまざまな角度でアプローチをしました。
新たな挑戦と成長
ミスピーチキャンペーンクルーの活動を、生産者(選手)と消費者(観客)をつなぐ架け橋として再定義しました。クルーたちには、単に商品をPRするだけでなく、生産者の思いや福島の今・そしてその魅力を全身全霊で伝える「応援団」になってもらいたいと考えたのです。
担当した当初は、正直なところ、見た目の印象も、活動への取り組み方もプロ意識が低く、改善には時間がかかりそうだと感じました。時代の流れと共に、コミュニケーション力の低下は否めず、年毎のクルーに応じたプログラムづくりが必要でした。
なかなか思いが伝わらないことも多々あり、ついちい苛立ってしまうことも多かったです。
内容については、また改めて…
教育の成果と今後の展望
この新たな挑戦は、予想以上の効果を生み出しました。多くの関係者の皆様の努力もあり、その熱意ある活動は、多くの消費者の心を動かし、福島の農産物への理解と支持を広げていきました。同時に、クルーたち自身も、この活動を通じて大きく成長していったのです。
私は「チアリーダー」「ミスピーチキャンペーンクルー」「杜の都親善大使」など多くの女性を育成してきました。軸となっているのは「ロールモデル教育」です。目的を達成するための目標設定は勿論ですが、潜在意識にも働きかけ彼女たちの強みを引き出すことにも注力しています。多くの成功体験から自身もつき、さらに各方面へチャレンジしている女性たちもたくさん見てきました。
卒業生も大活躍
近いところだと
レイグリッターズのKANAKOやAYANE(2022−2023シーズン)
福島中央テレビの加藤さわアナウンサー
テレビユー福島の鈴木夕里菜アナウンサー
次回は、このチアリーダースピリットを人材育成にどのように活かしているのか、具体的なメソッドについてお伝えします。
講座のお知らせ
「ふれる」!石河Pの「魅力を引き出す魔法の応援術」
六軒丁学舎(ろっけんちょうがくしゃ)2024~新しい「学び」場~
日時:2024年7月20日(土) 10:00~12:00(受付開始:09:30)
会場:土樋キャンパス ホーイ記念館 コラトリエ・リエゾン
スポーツの応援を中心としたチアリーディングから始まり、人材教育、地域活動、そして家業の青果店を通じて、「応援」の力で人々と社会を繋ぎ、支える人生を歩んできました。この講座では、応援がもたらす無限の可能性について、私の実体験を元にお話しします。スタジアムでの一体感、個人の成長、地域社会への貢献、そして日々の生活の中での小さな「応援」の大きな力。応援することで、どのように自分自身も成長し、周囲との強い絆を築くことができるのかを、具体的なエピソードと共にご紹介しながら、個人がコミュニティにどのように貢献し、輝き続けることができるかをお伝えします。
https://www.tohoku-gakuin.ac.jp/research/compatibility/post-88.html
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