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現代文キーワードテスト #1

高校生向けに昔作ったオリジナルのテストです。文章自体も手製で、本からの引用ではありません。今見ると、少し荒削りなところもありますが、昔作ったものを少しでも残しておくアーカイブ活動の一つとして全8回でアップしていきます。大人の方は昔を懐かしんで、そんな現代文のキーワードがあったと懐かしみ、現役の方々は知識を確かめるきっかけにしてもらえればと思います。なお、このシリーズは「数分でできる読書の下準備」シリーズと同じ日に投稿する予定なので合わせて、読んでもらえればと思います。


次の文章の空所に当てはまる語を語群から選んで答えなさい。

語群 

理念 合理 具体 虚構 自律 概念 自明 恣意 絶対 倒錯 普遍 皮肉 叙事 フェティシズム ディレンマ


 日本語は一時期、特殊なものとして扱われていた。なぜなら、欧米の言語と比べて、例外的なものがあったからだ。その最大の例の一つがウナギ文である。ウナギ文は奥津敬一郎がその論理性を示すことで、(    )視されてきた欧米の言語を、相対化することに成功したため、特殊性の否定もうまく出来た。また、言語に限らず、欧米の観念は、(   )的で(   )的なものであり、特殊あるいは非合理的なその他への伝達義務を持ったものとして扱われていた。しかし、ウナギ文のような個別(   )な一つの例を取り上げて、さも抽象(   )を創出したように語ること自体過ちである。少なくとも、他へ観念を伝えることが、検討なしに正しい(  )的なものであるとしても、相手の文化を見ずに押し付けるのは、文化を一元化することがさも崇高な(  )、すなわち究極にして完璧な目標として扱うことになる。そもそも、欧米以外は、野蛮で自らの欲望などを自ら抑え込むような(   )を出来ないものであり、欧米が彼らを他律してあげなければいけないというものであるが、侵略行為を行うのは、他律されなければいけないのがどちらであるかが不明という(  )に陥り、彼らの掲げたもっともらしい道理や秩序は(   )する結果となっている。そうつまり、欧米列強といわれたように、欧米諸国は他国の他律化の目的と自国の他律化の義務という板ばさみ、すなわち(   )に陥っていたのである。彼らは、科学の発達により、科学こそ人類の悲願であるような誇大妄想的な(   )に基づいて行動していたのである。科学への盲信という(   )、すなわち崇拝が、(  )的に究極の思想を創出したとの誤解を生んだのである。彼らの勘違いはさらに甚だしく、ギリシア文化という地中海地域の文化を内陸部の国が、その文化の継承者であるというおとぎ話のようなことまでしていたのだ。これでは(   )詩の『イリアス』や『オデュッセイア』の神話世界の方がまだ現実的だったと言ってもいいかもしれない。


【解答】
日本語は一時期、特殊なものとして扱われていた。なぜなら、欧米の言語と比べて、例外的なものがあったからだ。その最大の例の一つがウナギ文である。ウナギ文は奥津敬一郎がその論理性を示すことで、(絶対)視されてきた欧米の言語を、相対化することに成功したため、特殊性の否定もうまく出来た。また、言語に限らず、欧米の観念は、(普遍)的で(合理)的なものであり、特殊あるいは非合理的なその他への伝達義務を持ったものとして扱われていた。しかし、ウナギ文のような個別(具体)な一つの例を取り上げて、さも抽象(概念)を創出したように語ること自体過ちである。少なくとも、他へ観念を伝えることが、検討なしに正しい(自明)的なものであるとしても、相手の文化を見ずに押し付けるのは、文化を一元化することがさも崇高な(理念)、すなわち究極にして完璧な目標として扱うことになる。そもそも、欧米以外は、野蛮で自らの欲望などを自ら抑え込むような(自律)を出来ないものであり、欧米が彼らを他律してあげなければいけないというものであるが、侵略行為を行うのは、他律されなければいけないのがどちらであるかが不明という(皮肉)に陥り、彼らの掲げたもっともらしい道理や秩序は(倒錯)する結果となっている。そうつまり、欧米列強といわれたように、欧米諸国は他国の他律化の目的と自国の他律化の義務という板ばさみ、すなわち(ディレンマ)に陥っていたのである。彼らは、科学の発達により、科学こそ人類の悲願であるような誇大妄想的な(虚構)に基づいて行動していたのである。科学への盲信という(フェティシズム)、すなわち崇拝が、(恣意)的に究極の思想を創出したとの誤解を生んだのである。彼らの勘違いはさらに甚だしく、ギリシア文化という地中海地域の文化を内陸部の国が、その文化の継承者であるというおとぎ話のようなことまでしていたのだ。これでは(叙事)詩の『イリアス』や『オデュッセイア』の神話世界の方がまだ現実的だったと言ってもいいかもしれない。

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