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なぜ米粉の焼き菓子にたどり着いたのか

目次

1.お菓子作りが好きになった原点
2.お菓子作りをはじめたころの話
3.お菓子作りの原動力
4.材料に意識をむけるようになった話
5.安全性に意識をむけるようになった話
6.結果持つようになった罪悪感との折り合い
7.小麦粉への未練と米粉への移行の話
8.すべての流れが米粉に向かってきた話
9.自信はあとからついてくる
10.歩き続けます

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1.お菓子作りが好きになった原点
絵本や童話が大好きな子供でした
おいしそうな描写のケーキ
見たこともない「しょうがパン」
若草物語のエイミーがトラブルに
巻き込まれることになった「ライムの塩漬け」
赤毛のアンのダイアナが
皆に配ったら一口にもならないけど
あげなかったらとんでもないケチの烙印を
押されてしまう、どうやって分けようか
心を悩ませた「きいちごのタルト」
アンが失敗した「レイヤーケーキ」や
いつのまにか上手に作れるようになった
「スコーン」
ピッピが豪快に床で作る
ショウガの型抜きクッキー
私が子供だった昭和にはどれもが
珍しい聞いたことのないものばかり
木苺もライムも。
スコーンって湖池屋のあれですか?
しょうがパンって今思うと
「ジンジャーブレッド」ですよね(笑)
そしてそれを作る森のどうぶつだったり
外国の少女やそのお母さん
それにまつわるストーリーのすべてが
憧れでした。
憧れすぎて作ってみたくなりました。

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2.お菓子作りをはじめたころの話
母がクッキーやカップケーキ
バナナブレッドを作ってくれる人だったので
自然と
手伝いたい!から一人でやりたいに以降しました。

とうとう一人で
夕飯のあと、キッチンを元通りに片づける約束で
台所を独占する権利をゲットし毎晩
お菓子を作るようになった高校生の頃から
もう30年近く。
クッキーは簡単に成功したのに
オレンジページのシフォンケーキレシピが
全然上手く作れなかったこと。
そもそも、本物のシフォンケーキ
見たことも食べたこともなかったです。
お年玉で5000円もする電動ハンドミキサーを
買って使ったら
やっと思い通りのふくらみになった感激は
今も忘れることができないです。

そして、シフォンケーキを知っている母から
おいしくできたねと言われた喜び
も忘れることができません。

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3.お菓子作りの原動力
ただただ、おいしいって
いってもらえるものを作りたい
レシピ写真みたいに綺麗に作りたい
そうやってきました。

自分が食べたいというより
食べて「おいしい」って
笑顔をもらいたい。
今思い返してみても、やっぱり私の原動力は
「おいしい!」って言ってもらえることです。

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4.材料に意識をむけるようになった話
今ほど種類も豊富ではない時代
スーパーで手に入る材料で作るのが
あたりまえでしたが

30歳を超えたころ、ある方から
手作りのクッキーをいただき
そのおいしさにびっくりしました。
あまりのことに感動し、
思い切ってレシピを教わり秘訣を伺ったら
バターの銘柄にこだわられているとのこと

当時の私はびっくりしました。
早速、無塩バターを何種類かかって
味見をし、納得し、
バターの銘柄にこだわるようになりました。

数年後別の方からとてもおいしい
手作りバニラアイスを
いただいた時も
やはり、卵、牛乳のこだわりが
ポイントでした。

さらにその後、パン作りにはまってからは
粉と水と塩とイースト
とてもシンプルな材料であるから
上記の経験からいって
材料の味がおいしければ
おいしいものができると確信し
実践し実感しました。

とはいえ、材料の良さに
際限なくこだわっていたら
コストが大変なので
そこは許容範囲で柔軟に
そんな姿勢で15年近く
製パン、製菓作りに向き合ってきました。

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5.安全性に意識をむけるようになった話
自然が好きな人が集まる幼稚園で
マクロビオティックを知り
ヨガを習い続けるうちに
ヴィーガンを知り
どれも興味深かったですが
どっぷりはまる所までは行きませんでした。
いいところを所々かいつまむ
そんなゆるい付き合い方が
自分には向いてると思います。

そういうことを学ぶ中で
ポストハーベストの事を知り
味だけでなく安全性という部分にも
意識が向かうようになりました。
国産の小麦粉にこだわるようになりました。
白いお砂糖を使いすぎないようになりました。

添加物にも気を配るようになると
毎日のスーパーでの
ちょっと疲れるものになりました。

それでもおやつも手作りしているし
そう、自分をなだめたりしてました。

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6.結果持つようになった罪悪感との折り合い
とはいえ、私が好きだから
つい作りすぎてしまう
お菓子を家族がバンバン食べる姿をみて
気になってきたのが
砂糖の取りすぎ、バターの取りすぎでした。
たまには全然いいと思うのです。
でも私が作る頻度は高いし
そうなれば口に入る量も多くなってしまう
私たちがしょっちゅう作るような
バターや卵、たっぷりのクッキー的なものは
インドでは年に1回か2回
大きなお祝い事でしか食べないものだったり
ドイツのシュトーレンもそうですよね。
もともとクリスマスの特別な時期に、
しかも一日一切れずついただくもので
日常的におやつとして食べるものではなかったのです

だからといって、おやつは食べたいし
でも体にいいお菓子をと考えて
毎日食べても安心なレシピをみて作ってみると
なんか口になじまないなぁ
無理に毎日これを食べるよりは
たまに、しっかりおいしいと思えるもの
食べたほうがいいよねって思ってました。

こういう思いは日々の料理にもつながり
白いお砂糖を控えるようになってからは
キビ砂糖を愛用し、最近甜菜オリゴ糖に変えました。
お菓子作りにバターは使いますが
料理に使うのを控えるようになりました。
お菓子作りもうっすら、心の奥底にブレーキ
のようなもの感じつつになってしまいました。

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7.小麦粉への未練と米粉への移行の話
その分パン作りにはまっていた時期だったので
クッキーより断然お砂糖が少なくて済む
バターも少なくて済むからと
せっせとパンを焼き続けました。

パンを捏ねていると
粉がべたべたしたものになり
さらに捏ねていくと
つるっとした
もっちりした弾力の
生地へと仕上がっていく
それがとても面白いし、
手触りが気持ちいいし
子どもを叱ったりして
とげとげしい気持ちで
捏ね始めていたとしても
生地が捏ねあがるころには
気づけば穏やかな気持ちになっている。
パン作りにはセラピー効果まで感じていました。
実際、リハビリ的な施設では
そういった効果があるからと
粘土細工などするそうですが
同じことなんだろうななんて
思いながら。

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8.すべての流れが米粉に向かってきた話
そんな折、アーユルヴェーダの脈診をしてもらう
機会がありました。
小麦粉を取りすぎと指摘されました。
沖ヨガの先生にも同じような事言われました。
でも表立って病気ってこともないし
日々普通に過ごしてるし・・・
お菓子作りパン作りが好きで教えている人
ということもあるからそう言われるのかな
とどこかで思いつつも気になってました。

さて、パン屋で働いていると、時々
甘いパンをたくさん買われる大柄な方や
毎日パンを数個買う一人暮らしの年配の方
がいらっしゃるのですが
この方たちに、こんなに売っていいのかなと
ふと思ってしまう自分がどうしても
どこかにいます。
でも、おいしいと言われたらやっぱり嬉しい
あっちとこっち、体が半分ずつ
左右に引っ張られているような感覚です。

家族がバターや砂糖をしっかり使った
クッキーやケーキをもりもり食べているのを
みて感じてしまう罪悪感と同じ

もちろん、自宅では自分が作るから
という問題もあるので全く同じではないです。
お店の場合は買われる方の問題なのですが
それでもなんだか
おせっかい魂が動いてしまうというか(笑)

そんな頃に
思春期の娘の肌荒れがなかなか治らなかったとき、
もしかしてグルテン?と思いました
娘の場合、グルテンは特にアレルギーがなく
受験などのストレスが原因でしたが。

同じタイミングで腸もみを知り、腸活を知りました。
グルテンフリーという言葉も聞くようになりました。

ここまできてようやく
小麦粉を控えるではなく、いったんやめてみるかー
という気持ちになりました。
パン作りに小麦粉はかかせないし
自分も好きだし、踏ん切りつけれずにいたんですね。
米粉で焼き菓子。あることは知ってましたが
きついアレルギーの方が代用で召し上がる
というイメージ
米粉のパンも食べたことがあったけれど
パンの代わりに、と思うとやはり違うなぁと
いう感想でした

が、やはり娘のこととなると
少しでも何かしたいと思い
米粉のパンにちゃんと向き合おうと思いました。
すると、数年前よりも米粉の世界も進化していたこともあり
代用ではなく、
「米粉のパン」
としてとてもおいしいことを知りました
ちょっとした革命でした。

これなら、と今まで作っていたお菓子のレシピを
小麦粉を米粉に置き換えて作ってみました

それまでもバター不足の頃、オリーブオイルのお菓子や
マクロビを習って菜種油を使ったお菓子を作ったり
でバターを置き換えることは慣れていたし
おいしく作れることを知っていたので
せっかくならと

小麦粉を米粉に置き換え
バターを菜種油やこめ油に置き換え
グラニュー糖は甜菜オリゴ糖に置き換え
作ってみました。

思うようになったり、ならなかったり
調べれば調べるほど米粉の世界も奥深い
米の種類 粉砕方法 吸水率・・・
色んな種類の製菓用米粉
ブランドによって全然違う
そして勝手がわからない

それでも、この置き換えで作ったお菓子
まず、作っている私の罪悪感がなくなりました。

家族に味見してもらうのも、安心です

このお菓子なら色んな方に売っても
変な罪悪感持たないでいい!

それに、いろんな人に差し上げて
味見してもらった時の

「え?全然米粉ってわからなかった!」

ってなるときなんか、嬉しいんです。

小麦粉のお菓子はやっぱり魅力的
だけど米粉のお菓子にも魅力ある

バターと卵を使ったものもおいしいけど
豆乳やメープルシロップを使ったものも
思いがけないおいしさがある

一つ世界が増えた喜びを最近感じてます

そして起業塾でいろいろと考える機会が
ここに重なりました。

そして同じタイミングでしった「腸活」
という考え方

さらにコロナで注目された「免疫力アップ」

何もかもが同じ方向を指さしている
そう思いました。
私が胸をはって、気持ちよく
製造販売できるのは、この米粉を使った
お菓子なんだ!と

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9.自信はあとからついてくる
正直、小麦粉でのお菓子は長年の経験もあり
ある程度自信がついてきましたが
米粉のほうは経験が浅い分
わからないことも多い
それでも、これまで何人もの方に
召し上がっていただいて
おいしい!売ればいいのに!と
小麦粉のお菓子の時と同じ反応を
いただいたことが
心の中心の自信のろうそくに
火をつけてくれました。
パンの教室を始める時にも言われたし
その通りだったのが
「自信は後からついてくる」
です。それでも小さな自信がなければ
はじめることも怖い。けれど、
スターターのような役割をしてくれる
その小さな自信は生まれました

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10.歩き続けます
今はまだすぐにゆらいでしまう
小さなともしびだけど

あぶなっかしくても
時間がかかっても
少しずつ、理想にむかって
ヨチヨチ歩きをつづけようと
思ってます。

ろうそくの灯は
キャンプファイヤーまで
育つ気は今はしないのですが(笑)
ヨチヨチ歩きは
とことこ歩きになる気はします

おやつを買う時くらい
気楽に楽しく
裏の表示を見なくても買えたらいいと思うし
それが代用っぽいとかじゃなく
おいしいから買う
そんなお菓子を作りたい
なんのこっちゃですが
私なりの決意表明でした。

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大切な人に食べてもらいたい、安心安全でシンプルな材料で手作りのお菓子を誠実に丁寧に作れる範囲内で売る、みんなに愛される小さなお店を開きたいと思っています。