見出し画像

5年後どうなっていたいか聞かれるのが嫌いだった

----5年後どうなっていたいですか
『私はベルギーのカフェのテラスでチョコを摘みながら仕事がしたい。』


就活の時に思ってたこと

就職活動でよく聞かれる「5年後10年後どうなっていたいですか」の質問が大嫌いでした。まず、なんで初対面の人に私の5年後10年後の話をしてなんのメリットがあるのか、誰得の話なんだよと聞かれる度に思っていました。そもそも目の前のことをこなしたり今を全力で生きてその場をどうやったら楽しめるかを考えて生きている私にとって5年後のことなんて考える暇がないと思っていました。

ある総合商社の説明会で質問タイムがあったので大勢の学生がいる中で手を挙げて壇上の役員の人に聞いてみたことがあります。
「◯◯様の5年後のビションは何ですか」

その答えは多分大したことのない内容だったと思います。今覚えてないくらいなので。大人でもこんなもんなのかと感じたのは覚えています。

いい大人して、お金があるお偉いさんでさえ5年後に自分がどうなってたいのか、抽象的でボヤッとしたことしか言えないのに、面接の限られた時間の中でどうしてあんなに会社の人はテンプレートのように5年後10年後の夢を学生に聞くのかとっても不思議でした。

私は現実主義で真面目な思考に切り替えて面接を受けてたので極平凡に「結婚して家庭があるけどバリバリ働けてプライベートも充実できる女性になりたいです」とか言ってました。多分、誰が聞いてもつまんないなと思う内容です。じゃあ、どんなことを語ればいいんだよとずっとモヤモヤしてました。

ネットで検索するも「どんなキャリアを築きたいかみたい」とか「成長意欲がみたい」とか「社長の方針に合ってるか判断したい」とかが出てきます。それが本音だとして、新卒の時は働いたこともないのにキャリアを築くも何もやってみないとわかんないじゃん、なんでここで型を決めさせるんだと思っていました。成長意欲がみたいのだとしたらこんな5年後どうなってたいのか聞くんじゃなくて「例えばこういうケースが合った時どうする」と聞いて思考の仕方を見るとか「こういう役職があるけど5年後はどこのポジションにいたい?」と聞くとか、もっと質問内容の工夫ができるんじゃないかと思ってました。会社や社長の方針に合ってるかみたいのだとしたら、何だか後出しジャンケンみたいで、学生にふわっとした夢を語らせといて後からどうとでも叩ける状況になるパターンしか見えなかったです。もしこれら諸々を聞きたいというのであれば、5年後どうなってたいかの質問にその全てを詰め込むには欲張りすぎるのではと思いました。

こんな疑問持つの私だけなのかな、みんないい感じに5年後の夢・10年後の夢を語る中で会社の目標に沿ってるとかどうキャリアを形成したいとかどこの役に立つどんなスキルを磨きたいかを盛り込んで面接の時に語ってるのかな、と未だに不思議です。もしそれらの文言を込み込みの回答があったとして面接官は聞いてて楽しいのかな、そんなガチガチに会社に適性があって企業理念に染まりやすそうな学生の話に何を感じるのかなと疑問です。

この正解が分からない質問が私は嫌いです。
そして聞いといて、それは例えその場の即興アドリブで語ったものかもしれないけど、本人から出た立派な夢や目標には違いはないのに、採用活動の判断材料としてケチをつけたりつけなかったりするのが常識化してることに気持ち悪さを感じます。

いえ、うちの会社は大きな夢を持っている学生が欲しいから自由に5年後、10年後の目標を語ってほしい!という会社があったとして、それに見合う回答ができる素晴らしく大きな夢を持って聞いているとワクワクするようなドリームを語れる学生は多分こんなテンプレートの質問しか用意できない企業の面接を受けてはいないと思うし、企業もその学生の夢を請け負いきれないんじゃないかと思います。

社会人2年目で考えてみた5年後

夢がある回答を聞いてそうで求められているのは夢がない回答のことが多い「5年後10年後質問」に対してひねくれた考えしか学生の頃はできませんでした。

現在転職活動をしていてまたこれについて考える機会がやってきました。休職中ということもあり、時間があるので改めて素直に自分は5年後何したいだろとじっくり考えてみました。その答えが冒頭のものです。

1年前は働くママになりたいとか現実的なことを言ってたのに1年社会人をして考え直すとベルギーまでぶっ飛ぶんだなと。変な話です。
でも考え始めると意外にワクワクして楽しかったんです。

この考えの発端。
私は精神疾患と休職を経験し「みんなこんなしんどい思いして働いてるのかな」と知りたくて、海外のオフィス見学の動画をYouTubeでよく見るようになりました。これが本当に魅力的で、こんなフレッシュな働き方いいなあと感じました。そしてSNS等で海外で働いている日本人の暮らしぶりを見ると何だかこの今の現状、日本の空気での働き方から抜け出したい、いつか逃げたいと思ってしまいました。逃げるの大好きなので。

ここから先は

1,558字

記事漁るのめんどくさいよって方はこちらから

この記事が参加している募集

同情するなら投げ銭して