ショートヘアの魔力
去年の4月末。ロングヘアをばっさり切り、ショートヘアを手に入れた。
なぜ時期をはっきり覚えているのか。
当時の職場の先輩に「ショート(ヘア)にしようかと思ってて〜。」と話したら、「お!ええやん!」となかなかの好反応をいただいたからだ。
良い記憶は鮮明に覚えがちである。
まあそれはさておき、かつての私には、ヘアスタイルに変なこだわりがあった。
「長ければ、短くする」「短ければ、長くする」
つまり、背中の真ん中ほどまで髪が伸びたら、一気にショートヘアにしてしまう。
逆に、ボブやセミロングほどの長さになっても、また少し切ってショートヘアを維持するのではなく、そのまま伸ばしてロングヘアにする。
今までは、これの繰り返しだった。
だが、冒頭からおよそ1年4ヶ月。私は今も、ショートヘア。
名前を付けるとしたら、「ヘアスタイル極端症候群」の私が、2ヶ月ごとに美容院へ赴き、ショートヘアを維持し続けている。これは事件だ。
なぜ、ショートヘアを好むようになったのか?
色々、考えてみた。
◯乾かすのがラク
乾かすのが非常に楽ちん。
これはショートヘアこその特権だろう。
特に、史上最恐の暑さを誇る今年の夏だと、風呂上がりのドライヤーはかなりの修行だ。
あっという間に乾く髪の手軽さに、少し得した気分になれる。
暑いことには変わりないが。
◯何もしなくてもOK
ロングヘアのとき、私はいつも髪を束ねたりして、何かしら髪が邪魔しないように気をつけておかねばならなかった。
たが、ショートヘアだと何もしなくて良い。
変な方向に寝癖がつかない限りはある程度まとまっている(ように見える)し、何かを阻害することも滅多にない。
何もしなくても、「ショートヘア」として決まってくれる。基本面倒くさがりの私にとっては、思わず拍手したくなるポイントだ。
◯うれしかった記憶のせい
先ほど挙げた2つは、一般的なショートヘアの良いところであろう。
続いて、私自身が思うショートヘアの好きなところを考えてみた。
だが、あまりはっきりした答えは出てこない。
唯一出てくるのは、冒頭で書いた、先輩からの好リアクション。
そこで思った。
その先輩に「ええやん!」と言ってもらえたからかも、と。
つまり、ショートヘア=嬉しい言葉をもらえるもの、という刷り込みが、あの「ええやん!」で無意識に生まれたんじゃないかと。
人とは不思議な生き物で、たった1つの何気ない出来事・言葉が、無意識にその後の選択や考えへ反映されがちである。
私がショートヘアを好きな理由の大半は、ひょっとしたらこの思い出のせいなのかもしれない。
去った7月28日、また美容院で髪を切った。
立体感が出るようにと段差がついた髪を、ボブ風に長さをそろえてもらった。
そろそろ、髪を伸ばそうかと思う。
こう言い続けて、だいぶ経つ。
今度こそは。
ショートヘアの魔力から。
あの「ええやん!」から。
抜け出して、またロングヘアになれるだろうか。
その前に、恐ろしいぐらいの暑さと無精な性格も、マシになってくれたらいいのだが。
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