肉をくれ肉を -スリランカのヘルシーすぎる食生活-
スリランカへはアーユルヴェーダリゾートを目的に行く旅行者も多いと思う。私も前回はそうだった。
ヨガにマッサージにヘルシーな食生活。身体が浄化される素晴らしい体験。
でも今回は街中で揉まれながら、別の角度からスリランカでの生活を楽しんでみようと思った。
食事も色んなものを食べるぞ~!と、あちこちにあるスリランカレストランやインドレストランやパン屋さんを中心に食べ歩き。
どれも新鮮な材料から作られていて、辛さを抑えてもらえば何を食べても美味しい。
しかし、肉がない。
ない、は言い過ぎかもしれないけれど、出てきたとしても少量の鶏肉。
思い切り観光客向けの高級レストランへ行けば、もちろんステーキでも何でも出てくるが、そんなところへ行けば日本の高級店と変わらないお値段なので軽く予算オーバーしてしまう。
それなら欧米人からの評価が高い、ちょっとだけお高めのカジュアルレストランを検索してみよう!と思いついて、キャンディ市内の2つのお店を試してみた。
1軒目は”SOUL FOOD”というアメリカンな感じの、おしゃれな若者たちが運営するお店。
張り切ってお店の名前の付いた、「ソウルバーガー」を注文すると大きなハンバーガーが登場!パテも大きくて最高!
が、半分以上食べてふと我に返った。この肉、何の肉?
妙に柔らかくてあまりお腹にパンチが入ってこない。
不思議に思ってお店の女の子にきいてみると、なんと「ジャックフルーツのパテよ」とのこと…果物だったのね。ヘルシー…
めげずに翌日は、キャンディ駅近くの”Indi's joint”という、欧米人がわいわいしているという書き込みのあったレストランへ。
そして人気メニューらしい「ブッダボウル」という丼ぶりを注文。
運ばれてきたのは、びっくりするくらいブッダ感のない鮮やかなお食事。
ほぼ野菜だけど、少しお肉ものっているしまあいいか。と思って食べてみると…肉団子のようなものはソイミートでした…
よく考えると、欧米人てビーガンフードとか大好きだもんね。といまさらながら納得。
しょんぼりして宿へ帰る途中、目に飛び込んできたのは ”The Kebab Station”という看板。
ケバブって、絶対に肉だよね!? とまだ誰もいない店内に入ってみる。
入り口でのんびり寛いでいた店のおじさんに、「たくさん肉が食べたいので、肉だけで作られたケバブをください」と話しかけると、「ケバブはまだ仕込みをしていないからもっと遅い時間に来て」とのこと。
「暗い時間に出歩くのは怖いから、どうしても今食べたいのです」とごねると「一時間待てるなら作ってあげるけど、無理でしょ?」と言われたものの、「待ちます」と即答。
私の意志の強さに観念して、おじさんは頑張って45分ほどでケバブを作ってくれた。久しぶりに見た肉の塊、そしてお供にはペプシ!
ナイフもフォークもない店だったので手掴みでいただいたが、とにかくめちゃくちゃに美味しかった。
「おかわり!」と言いたいところだったが、これ以上おじさんに無理をさせられないと思い、追加でチャイを注文。
このチャイも激甘だったけど美味しかった~。
おそらく私が心から幸せそうな顔でお金を支払ったので、おじさんもとても嬉しそうにしていた。
求める人に求めるものを提供した瞬間て、こんなに人をハッピーにすることができるんだ!
私にもできる、"そういうこと"を探していきたいな…なんて肉への欲望を通じてぼんやりと考えていた。
ごちそうさまでした。