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本格的に投資を始めたのは41歳。ブロガーの着物女子が、積み立て投資を続け、住宅ローンの早期完済が近づいてきた話
コツコツ投資家さんへのインタビュー。今回はブロガーのももんがさん(48歳)にお話をうかがいました。
ブロガーといっても、彼女が運営するブログ「ももんがさんちの猫」では投資に関する話はほんの少し。大部分は大好きな着物や歌舞伎、飼っている猫(海老蔵と福助)に関する話題であふれています。
日常生活を楽しみながら、ももんがさんがどのような投資をしているのか、東京駅近くの喫茶店で一緒にランチをしたあと、お話をききました。
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証券会社勤務の友人からすすめられて
――ももんがさんが投資を始めたきっかけはなんですか?
ももんが:友人が大手証券会社に勤めていて、つきあいで公社債投信をすすめられたのが最初です。短大を卒業して社会人になったばかりの頃だから、1996年頃でしょうか。
まとまったお金ができると、利回りなどをみながらMMF(マネー・マネージメント・ファンド)や中国ファンドを買ってみる、という感じでした。
――最初はすすめられて始めたわけですね。
ももんが:はい。『あるじゃん』などのマネー雑誌は読んでいたし、お金に関するムックなども買っていたのですが、当時は株式や、株式に投資をする投資信託などはこわかったので、手堅いことだけやってました。
実際に投資らしい投資をはじめたのが2016年。MMFの利回りがだいぶ下がってきて、預けててもそんなにお金はふえないな、と。もう少しお金をふやすにはどうしたらよいか、と考えはじめました。
桐谷さんがきっかけで個別株に投資
ももんが:そんな時にたまたまテレビで知ったのが株主優待の達人である桐谷広人さん。会社の株を買うことで株主優待を受けられるなら、と思い、個別株への投資をはじめました。
うちはDINKs(ディンクス)で外食が多い。だったら、飲食系の優待が受けられる会社の株を持とうと思いました。まずは1単元ずつ、配当なども確認して、買ったら持ち続けることにしました。もし売ることになっても、収支トントンだったらいいかと。
2014年から一般NISAがスタートしていたので、2016年に一般NISAの非課税投資枠を使って、個別株を買いました。
セミナーに参加、本やブログを読み漁る
――その後、投資信託の積み立てを資産形成の中心に据えるようになったのはどうしてですか。
ももんが:その後、ネット通販のベルメゾン主催の女性向け無料マネーセミナーに参加しました。今の会社に入社したときから千趣会を使っていたからか、メルマガで案内がきたので。
FP(ファイナンシャルプランナー)がお話しするのですが、人によって話す内容が違うので、3回くらい参加しました。その中で、投資信託のしくみや商品の選び方といったお話もでました。
受講してよくわからないところもあり、「もっとちゃんと勉強したほうがよいかな」と思いはじめ、そこから単行本や投資信託について書いてあるブログを読み漁りました。
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――具体的にはどのようなものを読みましたか。
ももんが:最初にインデックス投資を知ったのは山崎元さんの『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』という本です。
夫は活字を読むのがあまり好きなタイプではないので、わかりやすい本がないかと探したところ、この本は対談形式で読みやすかったので、ふたりで読もうと思って手にとりました。
あと、投信ブロガー水瀬ケンイチさんの『お金は寝かせてふやしなさい』といった本やブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」、NightWalkerさんの「NightWalker's Investment Blog」やケンズさんの「インデックス投資日記@川崎」などのブログも読みました。
投資信託の積み立てを資産形成の中核に
それが2017年の半ばくらい。そこから徐々に、資産形成の中心が個別株から投資信託の積み立てにシフトしていった感じです。
――それはなぜですか?
ももんが:個別株は固有のリスクもありますよね。それよりも分散した投資信託の積み立てをメインにしたようがよいと思うようになりました。証券会社も、ネット証券に変更しました。
最初は投資信託ブログ「ファンドの海」のサイトで資産配分のシミュレーション機能を使って、資産配分を考えました。当初は国内株式、国内債券、外国株式、外国債券の4つのインデックスファンドを積み立てていました。
ただ、個人投資家さんの集まりに参加したり、NightWalkerさんの本を読んだりして、リスク資産(主に株式)と無リスク資産を組み合わせてもいいのだと思うようになりました。
そこで、2019年からは株式部分についてはおおよそ時価総額に合わせて、国内株式20%、先進国株式70%、新興国株式10%の割合とし、3本のインデックスファンドを積み立てることにしました。
一般NISAの非課税枠を利用して。債券部分はなくし、その代わり、預金を厚めに持つようにしました。
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金融資産全体で、リスク資産70%、無リスク資産30%くらいの割合になるように考えています。
年2回ボーナスの時にリスク資産の比率が70%よりも低くなっていたら、投資信託を買って調整するようにしています。いまはそれほど金融資産が多くないので、(売らずに)買うことで調整しています。
現在、無リスク資産はすべて預金ですが、今後ある程度金額がふえたら、個人向け国債(変動10)を購入していく予定です。
――現在の運用状況を教えてください。
ももんが:3本のインデックスファンドを積み立てたのは1年ほどです。その後、全世界の株式にまとめて投資できるインデックスファンドができたからです。
金額がそれほど大きくなかったので、積み立ててきた3本の投信は解約し、”オルカン”1本に集約しました。
ももんがさんが保有する投資信託など
◆NISA口座(つみたて投資枠)…毎月積み立て/資産形成用
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(三菱UFJアセットマネジメント)
◆NISA口座(成長投資枠)/特定口座…住宅ローンの一括返済用
・ニッセイ外国株式インデックスファンド(ニッセイアセットマネジメント)
・eMAXIS Slim TOPIX(三菱UFJアセットマネジメント)
・個別企業の株式(30社)
NISA口座で投資信託を積み立てている分は、資産形成用です。うちは子どもがいないので、学費などもかかりませんし、使わないお金は投資信託を購入して運用しておき、用途は必要なときに考える、というように"ゆるい"感じで考えています。
――特定口座では先進国株式と日本株投信を積み立ててますが、なぜ分けているんですか?
ももんが:特定口座で保有する2本の投資信託(24年からは成長投資枠で購入)については、住宅ローンの一括返済用と考えています。
毎月の積立は行わず、年2回、ボーナスの一部で「ニッセイ外国株式インデックスファンド」をスポット買いしています。「eMAXIS Slim TOPIX」は追加投資は行わず、運用を継続しています。
この2本の投信の残高(時価評価額)の合計がローン残高と同額になったら、すべて解約してローンの返済に充てようと思っています。
―― 個別株への投資も継続しているのですか。
ももんが:個別株への投資は、趣味として続けています。保有しているのは30社くらい。夫が保有する分も含めると40社くらいになります。
1単元保有する会社が多いですが、保有株数がふえると優待がランクアップするものは買い増したりもしています。
会社がiDeCo+を導入
――iDeCo(個人型確定拠出年金)にも加入していますよね。
ももんが:2017年に老後資金をためるため、iDeCoに加入しました。勤務先には企業年金がないので、毎月2万3000円ずつ掛金を払って、投資信託の積み立てをしています。
2年前(2021年)からは職場でiDeCo+(イデコプラス・中小事業主掛金納付制度)が導入されました。
―― iDeCo+というのは企業年金のない従業員300人以下の中小企業が導入でき、従業員が老後資金を作るのを支援する制度ですよね。会社が掛金の一部を出してくれるのは嬉しいですね。
ももんが:はい。私はもともとiDeCoに加入していたので、会社が掛金の一部だしてくれるのはありがたいです。会社が従業員に対して制度の説明をしたあと、「入りますか?」と聞かれますが、これは乗っかろう、と(笑)。
現在は、会社が毎月5000円の掛金を出してくれます。iDeCo+のいいところは、自分が加入していたiDeCo(運営管理機関や商品)をそのまま利用できるところですね。
私は楽天証券を利用。2024年1月に低コストで世界の株に投資できる「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」が追加されたので、他の商品から預け替え、新規の積み立てもこちらの商品にしました。
ももんがさんがiDeCo口座で保有する投資信託
・楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド<楽天・オールカントリー>(楽天投信投資顧問)
――証券会社はどういう基準で選びましたか。
ももんが:NISA口座も、iDeCoも、楽天証券にしています。楽天市場や楽天ブックスで買い物をしていて、銀行も楽天銀行。宿を取るのも楽天トラベルを使っていて、電子マネーは楽天Edyです。
楽天モバイルも利用しています。会社と自宅の往復は自転車なのでスマホは見ないし、自宅にはWi-Fiがあるので、特に不便は感じないですね。
――楽天経済圏に組み込まれている感じですね(笑)
ももんが:楽天経済圏にこだわる理由のひとつは自宅で飼っている2匹の猫のため、というのもあります。効率的にポイントをためて、うちの猫たちのご飯・トイレ用品・病院代をすべてポイントで賄っています。
例えば、病院代は楽天カードで支払って、カードの支払いにポイント使うというかたちです。病院代は高額になるときはさすがにちょっと足が出ますが、それ以外は猫の生活用品にお金を使うことはないですね。
猫たちのおかげで楽しい生活を送れているので、猫への恩返し的な意味合いも込めて、保有ポイントに余裕があるときには、猫ボランティア団体さんに猫砂やご飯を送ったりしています。ですので、改悪があろうとも楽天経済圏で生き続けていく所存です(笑)。
配当目的で保有している個別株についても、1年間に受け取った配当金はすべて猫ボランティアさんへの寄付に充てています。
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――投資や寄付以外にお金の使い方で何かこだわりはありますか。
ももんが:好きなものだけに囲まれて暮らしたいです。着物を着て歌舞伎や文楽を観に行くのが趣味なので、例えば、着物などはいいと思ったものがあれば、もちろん予算の上限はありますが、その範囲内であれば買うようにしています。
家族との対話、お金の使い方
――家族とお金の話はしますか。家計管理はももんがさんの担当?
ももんが:家計全体の状況は私が把握しています。人には得手不得手があるので、お互いにできることをやろう、と夫とは話しています。それで、家計管理は私が担当になりました。
生活費はざっくり5分の3を夫、5分の2を私が負担。あとは1カ月に生活費として使う金額を銀行口座から引き出して、その範囲で使う。足りないときは追加で引き出すこともありますが(苦笑)。
家計の1カ月の収支が厳しいときには、例えば外食代は個人のおサイフから出して相手に「御馳走する」といったこともしています。
このnoteのシリーズに登場された方は、ご夫婦で予算会議をするなど、しっかりした方が多くて、恐縮してしまいます(苦笑)。
我が家は粛々と積み立て投資を続けて、余裕があったら投資信託をスポット買いするくらいで、あとはお互いに好きなことにお金使うどんぶり家計です。
――投資にかける時間はどれくらいですか。
ももんが:時間はそれほどかけてないですね。年2回、ボーナスのときにリスク資産と無リスク資産の割合が大きく崩れていたら、調整するくらいです。
あとは楽天マガジンを契約しているので、寝る前に何か雑誌を読んでいます。経済誌やムックなども対象になっているので、そういうものを読んだりするくらいでしょうか。
――コロナショックなどで、基準価額が大きく下がることもあったと思いますが、投資をしていてこわいと思ったことはないですか。
ももんが:あまりないですね。単行本などでリーマン・ショックで下がったときの実例を読んでいたので、下落時も比較的心穏やかでいられました。
むしろ「一定額を積み立てていくスタイルだと商品の価格が安くなった時にたくさんの口数が買える」と心の中でガッツポーズするようにしてました。おかげで、損益がマイナスになったからといって、あわてて売ることもなく順調に資産は増えています。
投資してよかったこと
――投資を始めたことで、投資のリターン以外に、何かリターンは得られましたか。
ももんが:夫と投資に関する話をすることは増えました。外食するときに株主優待券を使えるお店に行ったり。夫は毎日価格をチェックするタイプなので、一喜一憂して楽しんでいます。そして、私に色々報告してくれます。
住宅ローンの返済も早まりそうです。もちろん、この先暴落などはあるかもしれませんが、投資を始めたことで、住宅ローンを当初想定していたよりも早く返せそうだという目途が立ったのはよかったです。
あとはSNSなどを通じて、投資仲間がふえたことでしょうか。投信ブロガーの方が多いですが、そうしたつながりが生まれたことは大きなリターンだと感じます。
――ゴールはどこにおいていますか。
ももんが:特にゴールは設定していないです。夫婦ふたりということもありますし、そもそもゴールを考える年齢になるまで生きているかもわからない。国の制度も変わるかもしれないですし…。今は働いているので、粛々と積み立て投資を続けていこうと思っています。
高齢になって資産がそれなりにふえていて、長生きできたら、ちょっと高級な施設に入れたらいいな、という感じです。必要なモノ・サービスを買う必要があれば、その都度考えて、運用している資産を一部解約して使っていくと思います。
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編集後記
ももんがさんはこの日も着物姿で待ち合わせ場所に登場! 私もお茶を習っていて、「もう少し着物を着る機会をふやしたい」と思っていることもあり、取材が終わってからも、ひとしきり着物の話題で盛り上がりました。
iDeCoという選択肢
さて、2024年からNISAが恒久化・大幅拡充されたことで、NISAが注目の的です。ただ、ももんがさんのように、企業年金のない会社員やフリーランスの人はiDeCoへの加入も検討してほしいと思います(私自身も、2006年からiDeCoには加入し、株式投信を積み立てています)。
iDeCoは公的年金や企業の退職給付に上乗せして、自分で老後資金を形成していく制度です。65歳未満で国民年金に加入している人が対象です。原則60歳までお金を引き出せないiDeCoは「年金資産を作る」と目的がはっきりしています。
退職給付制度が手厚くない(企業年金が導入されてない、退職一時金が少ない)会社にお勤めの会社員や、公的年金が国民年金のみで、退職金がない自営業・フリーランスの方などは活用を検討してほしいと思います。自営業の方は付加年金と小規模企業共済も併せて活用しましょう。
ももんがさんの勤務先の会社のように、iDeCo+を導入してくれるとさらによいですね。経営者の皆さま、ぜひご検討ください。
*こちらの本もぜひ参考に。
最後までお読みいただき、ありがとうございました! 今後もコツコツ投資家さんへのインタビュー続けていく予定です(毎月第2、第4金曜日更新予定)。ご意見・感想などがありましたら、お寄せください。取り入れていきたいと思います。
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