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私は根本的に間違っていた
「いくら金額が安くてもサービスの質が微妙だったら、積極的にまたあのお店行こうなんて思わないじゃん?」
研修中、店長はそんなような話をしてくれた。私はそのときは「それはそうですね、もっと他にいいところがあれば全然行く場所変えますし」とそう答えた。
家に帰ってきてから、本業の仕事をしようとパソコンを開く。
そのとき、ふと店長の話がなぜか頭をよぎった。お客様に喜んでもらうこと、期待を超えること。そんなこと、社会人になってから何回聞いたかわからないくらい聞き覚えのある言葉だ。でも、なぜか頭から店長の話が離れていかなかった。
なんでだろう、と手を止めて思考をめぐらした。そうすると、一つの答えに辿り着いた。
私はクライアントをクライアントとしか捉えていなかったことに。
何を言ってるの?って感じかもしれない。
端的にいうと、私はクライアントがお客様だと認識できていなかったのだ。そのうえ、自分が開業届を出したのにお店を運営しているという感覚がなかった。
開業届を出しているのだから、私は文章を書くサービスを提供するお店を開いているのに。私はお店をオープンしているという感覚を持たず、ただ"ライターしてます、だからよかったらご依頼ください"みたいなそんな心持ちだった気がする。
そう気づいてから、今までの自分の行動は全て間違っていた気がして自分をぶん殴りたくなった。
仕事がなくなるのも当然だと思った。私だったら、今までの私のような心持ちの人に仕事をお願いしたくはない。
なんか、今までの自分は全部がおかしかった。仕事忙しいから勉強できない、じゃない。文章を書くサービスを提供するお店なのだから、私は文章のプロじゃなければならないのだ。だから、勉強を怠っていいはずがない。
こういう仕事がしたいな〜とか、なにか就活でもしてるかのように案件を見ていたりしてたけどそもそもおかしい。
「仕事させてください」じゃなくて、「私こういうことできますよ、だから私のサービス使ってみるのはどうですか?」ではないのだろうか?
なぜ、雇ってもらえませんか?みたいな受け身な姿勢だったんだろうか?会社員やバイトの求人募集ではないのに。
自分の今までの行動を振り返って、私はそう思った。
会社員からすぐに独立したからっていうのはただの言い訳にしかならないけど、根本的に大切なことをスタート地点にすっかり置いてきてしまっていたんだなと5年目に突入しようとしている今になってようやく気づいた。本当にただのバカだと思う。
なんでこんな大切なことを、私は気づかなかったんだろうか。
クライアントという呼び名をお客様に変えるだけで、自分の意識がガラッと変わるじゃないか。
いろんなひとがライターとしてお店を出してるなか、私に依頼してくれたクライアントさんは私のお店の前で立ち止まり、あ〜なんかいいお店そうだし一回入ってみようかな、一回利用してみようかなって思って足を運んでくれたお客様なのだ。
なのに、なんだか私はクライアントさんに雇われているみたいに勘違いをしていたそんな気がする。
何本かけますよ、そう言ったのはほかでもない私なのに、なぜ納期が近づいているとき私は依頼が多くて大変だとかなんとか言ってるんだろうか?しらないよ、あなたが書けると言ったから頼んでもらえたことなんだから。
全部が全部、受け身だった。
会社員やバイトなら、別にそういうこと言っていてもいいと思う。指示されて動いていることだから。
でも、私は違うはずだ。独立してお店を出して、このくらいの価格感でこのくらいの作業ができますよ、どうですか?って触れ込みをしている立場なのだから。
そう気づいてから、私は過去を思い返してたくさん後悔した。あのとき、こういう対応をしたのは良くなかった、あんなことをしてはならなかったとか。でも、今気づけてよかったとも思う。
こんな情けないどうしようもない自分とも、もうおさらばできるから。
これからは、お客様という認識を持ってより一層丁寧に心を込めて対応する。
お客様に喜んでもらえるように、期待を超えられるように。
いつか、「ミナさんに頼んでおけば大丈夫!」「ミナさんだからお願いしたい!」そう思ってリピートしてくれるお客様がたくさんいるそんなライターになることを夢見て、また一から積み上げていく。