メキシコってどんな国? | ミュージック・ジャーニーvol.47
皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、北米に位置するメキシコ合衆国へ、駐日メキシコ合衆国大使館の皆様とともにご案内いたします。
メキシコは日本の約5倍もの広大な国土を持つ大国であり、そのうちの多くが標高1,000m以上に位置する「高原の国」でもあります。
豊かな気候と資源に恵まれるメキシコでは、農業・工業ともに主要な産業とされていますが、それと同じくらい重要な役割を担っているのが観光業です。なかでも、南部のユカタン半島に位置する都市カンクンは、カリビアンブルーの海を一望できる世界でも人気のリゾート地です。
さて、旅のはじまりは「ビバ!メキシコ2011」民音公演から、メキシコの楽団「マリアッチ・デル・ソル」と歌姫「ビビアーナ」の演奏によるメキシコの代表曲をメドレー形式でお楽しみください。
1.「メキシコの歌」
高地でありながら温暖で過ごしやすい 首都メキシコシティ
メキシコシティの特徴は、なんと言ってもその高度にあります。富士山の6合目にも匹敵する標高2,240mにあることから、気圧が低く「沸点が低く100℃に達する前にお湯が沸いてしまう」「店舗に陳列されたお菓子の袋がパンパンに膨らんでいる」といった高地ならではのエピソードが数多く存在します。
ただ、緯度としては熱帯気候にあたるので、高地でありながらも暑すぎず寒すぎず、街歩きにはちょうどいい気候とされているのが特徴です。地下鉄や路面バスなどの交通機関が発達していて生活の利便性も高く、周辺地域を合わせて約2,000万人もの人口を擁する巨大都市が形成されています。
メキシコシティの周辺には、かつてのアステカ帝国の首都であるテノチティトランや、アステカ人が築いた広大な水運が現存し1987年に世界遺産に登録されたソチミルコなどの観光地があります。
無形文化遺産に登録されたメキシコの食文化
メキシコの食文化は、紀元前から引き継がれる先住民族の栽培・調理技術や儀礼・祭礼などの文化と、16世紀のスペインによる支配がもたらしたヨーロッパの食文化が融合して作り上げられたものです。2つの食文化が重なり合って生まれたメキシコ料理は、その文化的・歴史的価値が高く評価され、2010年に世界無形文化遺産に登録されています。
メキシコ料理に欠かせないのが、「とうもろこし」「いんげん豆」「唐辛子(チレ)」の3つの基本食材です。特に、とうもろこしは栽培品種化されてから8,000年もの歴史を持つ主要な食材で、主食となる「トルティージャ」の原料でもあります。
とうもろこしの皮を除いてすりつぶしたものを「マサ」と呼び、さらにこれを平らに伸ばしたものが「トルティージャ」です。そして、トルティージャに好みの具材を挟んで食べるのが「タコス」です。
日本でタコスといえば、パリッとした食感のハードシェル生地にタコミートや野菜、チーズを挟んだものといったイメージがありますが、本場では何を挟んでも良いのが魅力です。現地では牛肉や豚肉、鶏肉、魚介類、じゃがいも、きのこなど、具材の種類によってさまざまな味わいを楽しむことができます。
メキシコ大使館は、日本のご家庭でもメキシコ料理を作ることができるようにと、100種類のレシピが書かれたデジタルレシピブックと資料を公開しています。ぜひ、こちらからご覧ください。
また、家で料理をする気分でない場合には、メキシコ料理店に行くか、注文をすることもできます。 こちらの地図より、日本全国にあるメキシコ料理店から、お近くのお店を検索してください。
陽気で明るいお祭り「死者の日」と色とりどりの伝統衣装
11月の初め、メキシコでは故人に思いを馳せる「死者の日」と呼ばれるお祭りが盛大に開催されます。「ガイコツ祭り」とも呼ばれるこのイベントは、仮装やペイントをして踊りながら死者を弔う陽気な雰囲気が特徴であり、死を新たな旅立ちとして受け入れる前向きで力強い国民性が反映された儀式とも言えます。
メキシコでは地域に根付いたお祭りも多く、各地で特色豊かな伝統衣装を目にすることができます。中央の高原地域では、男性の伝統衣装として「チャロ」と呼ばれる黒い上着とつばの広い帽子「ソンブレロ」、女性の伝統衣装としてビーズの刺繍がほどこされたブラウスとスカートの「チナポブラナ」が有名です。
また、南部には、「ウイピル」と呼ばれるワンピースやブラウスのような形をした女性の伝統衣装があります。自然をモチーフにした色鮮やかな刺繍や、美しい装飾が目を引くポイントです。
ここで、再び「ビバ!メキシコ2011」公演から、メキシコの楽団「マリアッチ・デル・ソル」とダンスカップル「カルロス&マリセラ」による情熱的な演奏とパフォーマンスをお楽しみください。
2.「ラ・バンバ」
メキシコの音楽文化
メキシコの音楽を語るうえで欠かせないのが、「マリアッチ」と呼ばれる楽団様式です。通常のギターに加えて、小型ギターの「ビウエラ」と大型ギターの「ギタロン」がそれぞれ高音域と低音域をカバーし、バイオリンやトランペットがメロディを奏でる特徴的な演奏スタイルは、2011年に無形文化遺産として登録されました。
民音はこれまでメキシコから15回にわたり、舞踊団や音楽家を日本へ招聘してまいりました。
ここでは、冒頭でもご紹介した「ビバ!メキシコ2011」公演から、メキシコの女性作曲家によって書かれた名曲「べサメ・ムーチョ」をお聴きください。
3.「ベサメ・ムーチョ」
旅の最後に、メキシコ大使館推薦で、メキシコ文化を日本で普及するために活動をされている3組の音楽家をご紹介します。
はじめに、6歳よりラテン音楽を学び、日本人で唯一プロのメキシカン・アルパ奏者として活動する今村夏海さんらによるカルテットの演奏をお楽しみください。
1.La bikina ~Natsumi Imamura quartet~
次に、ベルギー国際マリンバコンクールを最年少で準優勝し、世界各地で演奏活動等を行うマリンバ奏者、古徳景子さんの演奏をお聴きください。
2.Las Chiapanecas | Marimba Duo Keiko Kotoku and Alexander Cruz Gonzalez
つづいて、長年メキシコの心を歌い続けるサム・モレーノさんによって、2000年に結成されたマリアッチ楽団「マリアッチ・サムライ」の演奏をお楽しみください。
3.Cielito Lindo | Mariachi Samurai
皆さん、メキシコへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。
協力、写真提供:駐日メキシコ合衆国大使館
Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-
ご案内
この記事は英文での提供もしています。
https://www.min-on.org/11681/min-on-music-journey-no-47-mexico/
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