理由

ここが僕の一番好きな場所
あなたは言った

たったひと言喋っただけで
黙って歩くあなたに並んで歩いた

春の訪れを告げる柔らかな風に吹かれて
大きな川の土手を ずっと歩いた

何かに躓いたのだと思った
突然 あなたが 前のほうに飛んだ

手をほどかれたわたしは
あなたの足が踏むはずだったあたりに視線を落とす

黄色い小さな花
わたしは気付かなかった

踏むところだった
あなたのふた言目

あなたの好きな場所
あなたの飛んだわけ

わたしが あなたを本当に好きになった理由

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