ごめんね…ありがと

愛されたいから 愛していたんだと
気づいたから
あなたを見送りにきたの

夕べもずっと泣いてたから
瞼が腫れて みっともないけど
どうしても あなたに 言っておきたかった

 『ごめんね』
 わたしは あなたのことを
 愛せていなかったのかもしれない…
 『ありがと』
 あなたは わたしのことを
 精一杯愛してくれたのに…

 たぶん あなたは 疲れたんだよね

ほら
また そうやって やさしく 微笑む
わたしは 返せないよ そんないい顔
あなたから もらってばっかりね

息を吐くように 静かにドアが閉まる
枯れたはずの涙が こぼれそうになる
列車が あなたが ゆっくりと動き出す
あなたの口が わたしの名前を呼ぶ

どうして わたしの名前を呼ぶの?
答えは 自分で見つけるの?

流線形の列車の顔が 滲んで揺れながら 消えていった

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