沈みきった心

沈みきった心に　慰める言葉はない
自分を起たせることもできず　労わることもできない

焦点のあわない視線が　部屋の中を行き来する
空気さえ停滞して　身体にのしかかってくる

居心地がいいわけではない
外に出れば　新鮮な空気だって吸える
スイッチを入れれば　好きなメロディだって聴ける
でも　わたしは　なにもできない　なにもしない

自分を見失っているのではなく
どの自分を先頭にすればいいのかわからない

あなたを　傷つけた自分
あなたに　傷ついた自分
あなたを　信じられない自分
あなたに　愛されたい自分

後悔に苛まれる自分
感傷に浸る自分
未練を断ち切れない自分

小さな諍いのはずだったのに
あなたは　最後の言葉を口にした
わたしは　あなたの前で初めて泣いた

鳴るはずのない携帯電話に
視線が留まることもない

さまよう視線　さまよう思い
言い知れぬ不安と哀しみが
分厚い雲のように
わたしの上に　広がっている

いつ晴れるともわからない
暗い雲のように