淡い色の花が咲く
また巡り来る季節
僕と君が出会った この街に
淡い色の花が咲く
入学式で賑わう あのキャンパスに
僕は 今年も出かけてゆく
何度も ふたりで歩いた あの坂道を
ひとりで 上って
ひとりで 降りてくる
ふたりが別れた 落ち葉の季節ではなく
ふたりが出会った 桜咲くときに
すれ違う 誰よりも
記憶のなかの 君の笑顔は明るい
そして 誰よりも
僕は ときめいていた
柔らかな木漏れ日
透き通る花弁
その向こうには
君の笑顔と ふたりの思い出
もう 何度目かも数えなくなった
歳をとった僕がすれ違う ふたりは
あの頃のまま
別れるときがくることなど 思いもしていない
ただ 淡い色に包まれていただけ