あなたに…
どうして わたしはあなたに魅せられたのだろう
あの日 あなたがやさしく わたしに ほほえんだから?
あのとき あなたがあたたかく わたしの手に触れたから?
どうして わたしはあなたに恋をしているのだろう
わたしの呼ぶ声に振り向く その瞳が輝いているから?
わたしの問いかけに答えるその声が心に残るから?
まぶしい陽光のなかを ふたりで歩くときも
すべてを隠す暗闇で そっと肩寄せ合うときも
時は かけ足で過ぎてゆく
まるで二人をうらやむように
すばやく流れてゆく
なのに
あゝ なんて切ないのだろう
ひとりでいるときは
時のささやきさえ聞こえない
そして
わたしは あなたのことばかり考えている