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パリ弾丸美術館巡りおまけ:持ち物とパッキング(下書きメモ)

1週間ほどの海外出張のお供でパリに行き、その隙間時間に弾丸で行けるだけ美術館を巡った10月末。実は結構、パッキングについて考えることが多かった。
海外は全くの初めてというわけではないがだいぶ久しぶりだし、直行便とはいえロングフライトだし、仕事なので学生時代のように友人とカジュアルに過ごすわけではないし、仕事用の荷物もあるから自分の分はコンパクトにしないといけないし、しかも寒い季節だし···ということで「いったい何を持っていけばいいんだ?」と。
個人的にはそうやってパッキングを考えたり持ち物を準備する時間は「旅の一部」という感じなので特に苦にならないどころかむしろ好き、という性分だが、もしかしたら私の記録がどこかで頭を悩ませている誰かの役に立つかもしれないので残してみることにした。
まだ思い出したことをとりあえず書き出している段階なので、後でもう少し見やすくまとめる所存。長いので暇つぶしにでもどうぞ。ひとつでもお役に立つことがあれば幸いです。


ざっくり「パッキング」というが、それは大きく「何を持っていくか」「持っていくものをどう詰めるか」に分けられる。

「何を持っていくか」については、
①ないと詰む
②詰みはしないが困る
③詰みも困りもしないが、快適度が上がる
④完全なる趣味、重さや嵩張りを自己責任として受け入れて持っていく
に分けられると思っている。
そして、「出番が一度しかない」「用途が一つしかない」ものを極力排し、できる限り「一人二役、またはそれ以上に使えるもの」を選ぶのが私なりの原則だ。このあたりは登山のパッキングとほぼ同じ考え方になると思う。

「持っていくものをどう詰めるか」に相当する部分が、Tipsと呼ばれるものになるのではないだろうか。圧縮バッグを使うとか、ミニサイズに使う分だけ詰め替えるとか。しかしこのテクニック面で解決できる部分は、実はそれほど多くないように思う。大事なのはやはり「何を持っていくか」だ。

最初に、今回持っていってよかったものベスト3を挙げたい。
1、スカーフ
2、モンベル製品、特にジオライン
3、湯沸かし関係(海外対応の電源タップ、トラベルヒーター、保温ボトル)
理由は後述。

さて、圧倒的に嵩張る、かつ取捨選択の要素が多いのは衣類なので、まずはここから。
パリは寒いと聞いていた。往々にしてそういう場合、現地の人はその気温に適応しているからこちらから見た感覚では薄着だったりするので、厚着をしすぎると不自然になる。それに今回は街歩き以外はほぼ屋内なので、そこまで厚着で行く必要はないと判断した。そもそも、厚手のものを1枚着るより、薄手のものを複数用意した方が暖かい上にいろいろな状況に対応できる。
また、現地の街頭インタビューなどを見ておき、街ゆく人からあまりにも浮かない服装にすることは一応意識した。ただしファッション誌のスナップ的なものはあまり参考にしていない。日本でも、表参道で撮られたオシャレピープルの着こなしと、その辺の人が普通に着ている服は少し違ったりすると思うから。
ただこれは、結局都市生活者の仕事上の装いは国ごとにそんなに大きく違うわけでもない、という点で、あまり必要ではなかったように感じる。車に乗った現地の人らしきマダムに道を尋ねられたので、まあ浮いてはいなかったのだろうな、とは思った。

着回しはスプレッドシートを使い、どう組み合わせても様になるように、かつ予定のTPOに合わせた服をその日に着られるようにシミュレーションした。現地では何も考えずその通りに着ればいいようにして、なるべく頭をそこに使わないようにしておく。下着を洗うタイミングも、予定の詰め具合に合わせて前もって考えておく。疲れ果てて帰ってくるであろう日に、下着の手洗いなんてしてられませんからね。

ということで衣類は

アウター:
トレンチコート、ウルトラライトダウン、ストール
基本トレンチ、よっぽどの時の保険としてウルトラライトダウン
なおダウンは同行者に貸す機会があったが、私は使わなかった。

トップス:
ジャケット(AOKIのパジャマスーツがおすすめ)
カシミヤニット
ノースリーブブラウス

ボトム:
パンツ×2(色違い)、ロングスカート

肌着:
モンベルジオライン長袖、モンベルウール長袖、ワークマンウール長袖
サポートタイツ(CW-X、歩きまくるので)

下着:
上はモンベルジオラインブラトップ×3
下はウール素材のもの×3
靴下はウール素材のもの×3

寝巻き・部屋着:
ワークマンの薄いワンピース、
モンベルジオラインタイツ(レギンス)
↑スカートの下にも履く

その他:スカーフ×2、モンベル腹巻
靴:レザーのショートブーツ、ビジュー付きフラットパンプス

下着1セットは着ており、残りのうち1セットをロストバゲージに備えて手荷物へ、最後の1セットをスーツケースへ。他の服も同じ考え方で、到着翌日に着る予定の服は手荷物に入れた。
搭乗時の服装は、行きも帰りもジャケットとパンツにスカーフを合わせた。圧縮しやすいニットとシワになっても問題ないスカートは荷物の中へ。
ジャケットといってもパジャマスーツなので、柔らかくストレッチがきいていてとても楽。パンツもストレッチ素材なので、キレイめに見えて実質ほぼジャージを着ているようなものだった。この上下はもともとお揃いのものではないが、ラッキーなことにスーツ風に着ることができる。同じ黒でも色の深さや素材感(ツヤ、マットなど)が違うとこうはならないので、そこは気をつけたほうが良いポイントだと思う。

問題は靴で、今回多少のドレスアップを必要とするタイミングがあったのでどうしても洒落っ気のある靴を持っていく必要があった。服は黒のノースリーブとスカートでワンピース風に見せ、ストールで誤魔化すことにしたが靴はどうしようもない。せめてビジュー付きにしてお茶を濁すことにした。
また、嵩張る上にその時しか使えないパーティバッグ的なものを持っていくのはどうしても嫌だったので、スカーフを風呂敷バッグのやり方を参考にハンドバッグ的に仕立てて使った。私はおまけの立場だったからできたことかもしれないが、スカーフの艶感は夜の光の中でも悪くない仕事をしてくれたと思う。
スカーフはとても優れもので、ジャケットでもニットでもこれ1枚つけておくだけでグッと華やかな雰囲気になるのできちんと感を出したい時に重宝する。その上、前述のようにバッグにもなるし、使わない時は風呂敷と同じように荷物を包んでおくのに使える。インスタやYouTubeで「機内は寒い」と脅されていたが、実際は全くそんなことはなく完全に邪魔者になってしまったコートとストールは、スカーフでコンパクトにまとめて座席上の荷物棚にしまっておいた。
バックパックの旅やカジュアルな旅行では使い出がないかもしれないが、ある程度の年齢でどんなところにでも臆せずに出入りしたい場合、そして「一人二役、またはそれ以上の働きをするものを選ぶ」原則にスカーフは完全にマッチする。
これが今回持っていってよかったものにスカーフを入れた理由。

もう一つの「今回持っていってよかったもの」モンベル製品。
ジオラインは暖房が効いて暑い時にも蒸れず、汗ばんでもあっという間に吸ってくれる。洗濯しても乾きが早い。多くのそういった「吸水速乾」製品は秋冬にはひんやりと感じて着にくいものだったりするが、ジオラインはそんなことがなく、不思議と暖かい。
ウールは洗濯した後の乾きはそれほど早くないが、とにかく厚みに対する暖かさがすごい。こんなに薄いのになんでこんなに寒くないんだ、という驚き。ただこれはワークマンでも同じだったので、メリノウール比率が高い製品の特徴ということかもしれない。
そしてジオラインの腹巻だが、私が持っているものはジップアップになっており、着脱が簡単にできるのが強みだ。コルセットやウエストニッパーでジップアップのものはよく見かけるが、そうではない柔らかい腹巻ではほとんど見ないか、あってもマジックテープで着脱するものだった。腹巻だけでもかなり温度調節に役立つ上、マジックテープと違って畳んでも丸めても嵩張らない。これにもかなり助けられた。
というわけで、モンベル製品が「持っていってよかったもの」にランクイン。

ちなみに衣類は全て、冒頭で挙げたカテゴリの中では「②詰みはしないが困る」に入る。都市生活を送る文明人としては「ないと困る」けど、なかったら死ぬとか多大な損害を受けるとか日本に帰れないとか、そんなことはない。もう少しオシャレしたい、等々という話になると「③詰みも困りもしないが、快適度が上がる」になってくるかな。

次にホテルの部屋や外出時に使うもの(洗面用品を含む)。これらは「②詰みはしないが困る」または「③詰みも困りもしないが、快適度が上がる」になると思う。

「②詰みはしないが困る」に該当するのは
・変換プラグ
・スマホの充電器、ケーブル
・モバイルバッテリー
・医薬品(ストッパ、酔い止め、ロキソニン、葛根湯、胃腸薬、絆創膏)
・歯ブラシ、歯磨き粉
・基礎化粧品、ヘアブラシ
(今回のホテルはシャンプーとボディソープはあった)
・メイク道具
・お風呂メガネ
・(2人1部屋なら)トイレ消臭リキッドやスプレー
・筆記用具
・Eチケット類を印刷した紙

といった、「使いたい時に手元にないのはけっこう困る」「現地で買おうと思えば買えるけど時間とお金のムダ」なものになる。

メイク道具は海外なら別になくてもいいという人もいるかもしれない。今回は出張なので必須だが、その点は置いておいても私の考えとしては「きちんとした人に見られるにこしたことはない」。
「海外では日本人みたいにメイクしない」などと見聞きするが、実際のところ地元の人も普通にメイクしていた。何をもって地元の人とそうでない人を見分けたのか、という話だが、ざっくり言うと店員さんや夕方のスーパーで手馴れた様子でひとりで買い物をしている人、バスにひとりで乗っている人、カフェでタバコを吸いながらフランス語でめちゃくちゃ喋り倒している人、あたりを「地元の人」と判断した。
ただ確かに、いわゆる「地雷メイク」に代表されるような、濃く作りこんだメイクの人はいなかった。まあ、その場に馴染む程度のメイクはしましょうかね。

お風呂メガネというのは、例えばメガネの愛眼が出しているような特殊なプラスチックで作られていてお風呂でもかけられるメガネのこと。普通のメガネはお風呂厳禁なので、私のような強度近視の人間が浴室である程度の視界を確保するにはこれがないと無理、まして異国の地では。もちろん度数を計って作るものではないので、完全に視力が矯正されるわけではなく「ないよりはマシ」ということではあるのだが、正確に言うと「ないよりは全然マシ」である。おすすめ。

「③詰みも困りもしないが、快適度が上がる」に入るものは結構多くて、
・海外対応の電源タップ
・トラベルヒーター、チタンのマグカップ
・保温ボトル
・各種ティーバッグ
・完全フラットになるサンダル
・椅子の背もたれにつけられる洗濯ハンガー
・小さいヘアアイロン、マジックカーラー
・レジ袋やビニール袋、ジップロック、ガムテープ&養生テープ(少量)
・サプリメント(ヴァーム、ビオフェルミン、スピルリナ、カフェイン錠剤)
・モンベルの超薄型ビッグ速乾タオル
・爪切り
・アイマスク、耳栓
・タブレット(iPad mini)、イヤフォン
・ホッカイロ
・保冷バッグ(お土産用)

上から3つが、まとめて「今回持っていってよかったものベスト3」に入っている。まさに「なくてもいいけど、あったおかげで快適だった」ものだ。
海外対応の電源タップのおかげで、スマホとタブレットを同時に充電しながらお湯を沸かしてお茶を飲んだり、ベッドに横になりながら報告メールを打ったりできた(おいコラ)。
今回のホテルは、自由に使えるコンセントがテレビ横の1箇所しかなかった。インスタやYouTubeでは、キューブ型の変換プラグ一体型の製品がよく紹介されているが、多分、多分だけどあの厚みと重さではうまく刺さらなかったり外れやすかったりするケースがあるのではないかと思う。

トラベルヒーターはケトルタイプや電熱部分がむき出しのものなど様々な商品があるが、私はJTBが出している「リトルボコボコ」という昭和感満載のネーミングのものを中古で買った。
ホテル備え付けのケトルに関しては、どこまで本当かわからない話がたくさんネット上に転がっている。全てを信じてはいないが、私がホテルのケトルを使わなかったところで誰かが傷ついたり困ったりするわけでもないし、と思って個人装備に加えることにした。

普段職場で使っているスノーピークのチタンのマグカップに水道水(パリは水道水が飲めるのがありがたい)を入れてセットすると、あっという間にコップ一杯分のお湯が沸く。これを2回繰り返すと、タイガーの保温ボトルの7分目くらいまで熱湯が溜まる。そこにミネラルウォーターを入れると、ほどよい熱さのお湯ができあがる。ちょっと喉を潤したいな、という時、わざわざ高いカフェに入ったり飲み物が売っている場所を探さなくてもよかった。そして、冷えるパリで温かい飲み物はほっとした。

ホテルに戻った時も同じようにお湯を沸かし、ティーバッグを入れて温かいお茶でほっとひと息つくことができた。部屋にネスプレッソはあったのだが、やっぱり夜はノンカフェインがいい。お茶なので、流水でよく洗えば特に食器用洗剤はいらない。どうしても口をつけるところが気になるなら、エタノール消毒すればいい。チタンはエタノールを使っても問題ない。

この「暖かい飲み物」関連は本当にQOLを上げてくれた。保温ボトルに関しては、機内や空港の無料の給水スポットで水をもらう時にも重宝した。衛生に関してはマグカップと同じ考えで、水しか入れてないので内部は洗剤で洗う必要はなく、飲み口は金属なのでエタノール消毒すればよい。

ということで、これらがまとめてベスト3入り。

他のものでいうと、完全フラットになるサンダルは飛行機内でもホテルの部屋での室内履きとしても重宝した。床が多少濡れていたり汚れていても問題なく、パッキングする時は完全フラットになるので場所を取らない。

組立式?サンダル。画像はAmazonより

耐久性には不安があるが、旅行の時しか使わないなら大丈夫な気はする。

カフェイン錠剤は時差ボケ対策に。睡眠導入効果のある医薬品がドラッグストアで売っているが、疲れた大人はだいたいいつも眠いので横になって目を閉じたら眠れてしまう。
どちらかというと眠いのに現地に合わせて起きている方がキツそうだな、と思ってカフェインを入れる方向を選択した。コーヒーを飲むより手軽で、お腹もたぷたぷしないのでよかった。

モンベルの超薄型ビッグ速乾タオルは、ホテル備え付けのタオルとは別に手洗いしたものを乾かす際に使った。ペラッペラの布切れなのに恐ろしいほど水を吸う。椅子にでもかけておけば、翌朝と言わず1時間ほどで乾く。これは手放せない逸品。

爪切りは1週間の出張ではいらないという人が多いのでは。事前に切っておけばよい範囲ではある。私は伸びてくると気になるタイプなので、切りたいと思った時に切りたいな、と思って持っていくことにした。
私が持っているのはとてもコンパクトになる折りたたみ型の爪切りなので、ポーチの隙間に滑り込ませておける。

私が買った時の3倍くらいの値段になっててびっくり


パッキングで、やってよかったことがあるので書いておきたい。
100円ショップの収納用品コーナーや文房具コーナーに、プラスチックの軽い大きな箱がある。大容量のタッパーでもいいと思う。
これをスーツケースの仕切りとして持っていき、ホテルの部屋では洗面用具やメイク道具など細々したものをまとめておく場所にする。
部屋を出る時には、そのままスーツケースやクローゼットにしまっておける。散らからないし、何かを出し入れする時に毎回スーツケースを開け閉めしなくてよいのが楽だった。
また、帰国時は割れ物を守る役割も果たしてくれた。スーツケースの外からの衝撃以上に、運ばれたり投げられたりすることでスーツケースの中のもの同士がぶつかることでダメージを受ける恐れがある。割れ物を衣類でくるみこの箱の中に入れ、さらに隙間を他の衣類などで埋めて動かないようにしておけばまず割れることはないはず。

最後に「①ないと詰む」ものは何なのか?それは
・パスポート
・クレジットカード
・スマホ
だろう。逆に言えば、この3つさえ持っていれば、後はどうにかしようと思えばどうにかなるということでもある。バックアップとしての予備の現金と戸籍謄本、顔写真もここに含めてもいいかもしれない。
そしてこれは強度近視の私に限ってのアイテムだが
・予備のメガネ
メガネが壊れることなんてある?という話だが、メガネがないと何もできない自分にとっては、限りなくゼロに近い確率だとしても備えておかないと怖い。たいした重さでもないし。

そんなこんなで、個人装備に仕事用の荷物がプラスされ、個人旅行ならもうひとつ小さいサイズのスーツケースで行けたのに…と思いながら無事に行って帰ってきた。「あれを持ってくればよかった!!」と思うことはなかったので、最低限必要なものは含まれていると思う。
何かひとつでもお役に立てば嬉しいです(二度目)。

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