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愛してるけど、好きじゃない ②

もう涙が出なくなった。


メッセージのやりとりを読み返しても、後悔が募るだけで、泣かなくなった。

時間が解決してくれることが、沢山あるなと気づいた。
友だちに発散しても、1人になってから涙を流さなくなった。


その日あった楽しかったことだけを、振り返ることができるようになった。




もうすぐカルテットを見終える。

結婚しても恋人でいたかった男性と、結婚したら家族になりたかった女性。

恋愛に求めるべきものと、結婚に求めるべきものは違ったのかもしれなかった。


彼は私の話したことを、全然覚えてくれない人だったし、彼は私のことなんて、どこかで興味がなさそうだった。


今の私は、片思いをしているのだろうか。

咳払いを聞いただけで、あなただって分かるようになってしまった。
席の近くを通り過ぎた時、横目で見るのはやめようと頑張った。


好きだってことを忘れるくらい、いつも好きだった、そうだったのかもしれない。


話していても、会話は自然なのに、目を合わせられなくなった。
どうにもできない気持ちが、透けてしまう気がした。
もう一度口にしてしまったら、きっとこの関係は0になってしまう。


嘘が付けなくて、聞かれたらなんでも正直に答えてしまうあなたに、2人だけの秘密なんてものが欲しいな、と思っていた私が、贅沢すぎたのだろうか。


カルテットは終わりに近づくにつれて、全員片思い、になる。

ドラマの中くらいは、ハッピーエンドだったら良かったのに。



Apple Music で、今年1年間の音楽を振り返った。
信じられないくらい、BUMPを聞いていた。
必ず、必ず、好きな人のことを思い浮かべながら、聞いていた。


アカシアを聞く度に、彼のことを思い出すんだろうな。

あの日を境に、この曲が聴けなくなった。
聴いたらまた、泣いてしまう気がした。


今度の日曜日は、またBUMPのLIVEだ。東京ドーム。
藤くんの歌声を聴いたら、また否応なしに時間が巻き戻るんだろう。


いつかのbacknumberのライブで、依与吏さんのMCにびっくりするくらい泣いてしまった。


さいたまアリーナの注釈指定席。
依与吏さんの横顔を決して遠くない距離で見つめながら、優しい言葉に泣いてしまった。


音楽は私をいつだって救ってくれるはずだったのに、音楽は時々私を過去に連れ戻そうとする。



唐揚げにレモン、かけていいよ。

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