わたしのヒミツ基地は【詩】
わたしのヒミツ基地は本の中
物語の中
見たこともない
外国製の置物のあるお部屋
そこに住んでいるのはわたしじゃないけれど
本を開けばもうわたしのヒミツ基地
あの人はわたしのヒミツ基地
だと思ってた
息苦しい家から離れられる
連れ出してくれた
それってヒミツ基地じゃなかったのかな
もうそこも息苦しい
またどこかにヒミツの場所を探さなくては。
最初の最初に逆戻りして
また本を開けばいい
ずっとどこかに進んでいると思っていたけれど
どこにも進んでいなかった
ぱたんと本を開く
そこにはみたこともない
くつろぎの家
主人公だけの、家
読んでいるわたしだけの、家
物語の中の、家