しばいぬはキツネではない
昨年カナダに引っ越して以来、犬の散歩中に幾度となく言われる言葉「キツネみたい」。
確かにわがしばいぬは、きつね顔です。でも、日本では誰もが知ってる柴犬、そんなことは言われたことがなかったので、最初の頃は、どう反応して良いのか返答に困りました。「はい、そうなんです、キツネみたいですけど、犬なんです」と言ってみたり。「カナダでは良く言われます、、、」と残念そうに言ってみたり。
すれ違う人の会話から"fox"という単語が聞こえてくることもあります。もちろん皆さん、見た感想をそのまま言っているだけで悪気はないのは分かるのですが、豚っぽい犬に「豚みたい」と飼い主には言わないのに「狐みたい」は失礼じゃないのかな、う〜んと複雑な心境になったものでした。もう慣れましたが。
日本では「狐」と言えば、「ごんぎつね」は例外として、ずる賢いとか、化けるとか、あんまり良いイメージではないですが、カナダではどうなのでしょう。
「キツネみたい」の次に多いのは、「犬種は何ですか?」「しば」と言っても「しばいぬ」と言っても分かってもらえない時は「日本犬です」と言うと、大抵の方は「あ〜なるほど、日本の犬ね」となります。
ペット用品のお店の店員さんからは「コーギー?」と聞かれたことがあります。確かに顔つきは似てますが、尻尾とか足の長さを見れば分かるはず、、、。
「きれいな犬ですね」「かわいいわね」と触りたそうに近寄られることもよくありますが、うちのしばいぬは警戒心が強くて決して知らない人には触らせません。万が一、噛んだものなら訴えられますので「フレンドリーじゃないんです」と言って、いつも引き下がってもらいます。
柴犬を知らない方がいる一方で、その習性までよく知ってらっしゃる方も、もちろんいます。特に中国系の方はほぼ100%柴犬をご存知です。
シベリアンハスキーの飼い主さんは「先祖が同じだよねー、同じグループだね」と親近感を持ってくれたり。
面白かったのは「あ、この犬知ってるよ、ほら、ドージコインの、何だっけ、そうそう、SHIBA INU!」。
最近は、だいぶ柴犬が浸透してきたのでしょうか、近所を散歩中にはきつねみたいだと言われることも、犬種を聞かれることもなくなりました。
日本を代表する天然記念物にもなっている柴犬。これからも「きつねではな〜い」と声を大にしてカナダで言い続けます。
(写真はトロントの街中で見つけたキツネさん)