【オフィシャルレポート】黒猫同盟(上田ケンジと小泉今日子&松本路子登壇『Viva Niki タロット・ガーデンへの道』トークイベント
写真家・松本路子が初めて挑んだ映画『Viva Niki タロット・ガーデンへの道』が9/25(水)より東京都写真美術館ホール、9/27(金)よりシネスイッチ銀座他にて全国順次公開。
黒猫同盟の上田ケンジ(左)と小泉今日子(中央)と松本路子(右)
『Viva Niki タロット・ガーデンへの道』は、オノ・ヨーコや草間彌生をはじめとした世界で活躍する女性アーティストを撮影してきた写真家、松本路子が、20世紀を代表するアーティスト、ニキ・ド・サンファルの作品を訪ねて世界を旅する至福のドキュメンタリー映画。
本作の劇場公開を記念して、9月10日(火)19:00より、日比谷図書文化館 日比谷コンベンションホールにてトークイベント付き完成披露試写会が行われました。本作でナレーションを務め、黒猫同盟(上田ケンジと小泉今日子)としてエンディング曲を制作している小泉今日子と上田ケンジと、監督・撮影・脚本を手掛けた松本路子が登壇しました。
小泉は黒猫同盟の活動の時につけているという猫耳カチューシャで登場。会場が大きな拍手で包まれる中、松本は、「ニキというひとりのアーティストの生涯を辿ることで、自分自身の来た道も辿ってみたいという思いで、この映画を作り始めました。私は50年間、写真家として仕事をしてきましたが、映画を撮るのは初めてです。ニキの作品は動く彫刻や大きな建造物が多く、これは写真ではなく動画で撮ってみたい、冒険してみたいと気持ちがありました。何とか完成して、今日皆さまに映画を観ていただけることがとても嬉しいです。」と感慨深そうに挨拶をした。
松本の写真集の感想を、小泉がポッドキャスト「ホントのコイズミさん」で語っていたことをきっかけに、松本がナレーションを依頼し、至福のコラボレーションが実現した。小泉はその経緯について「私が仕事を引き受けるときに一番心が動かされるのは、作っている人の想いや純度が伝わってくること。松本さんからメールをいただいて、私にできることがあるのであれば、という思いで参加させていただきました。でも録音が終わると「上手にできたのかな?」と、どんな仕事でも不安になります。」と明かすと、松本は「すごく素敵なナレーションなんです。小泉さんと私はこれまでにまったく接点はなかったけど、「ホントのコイズミさん」で優しくて柔らかくて、それでいて凛としている声を聞いて、直観的に「小泉さんしかいない!」と思ってオファーをしました。」と語り、微笑み合った。
黒猫同盟が手掛けたエンディング曲「Viva Niki」について上田は、「世界を旅するアイリッシュブズーキという珍しい楽器を使っています。ニキと共通点があると思って、まずこの楽器で作ろうという発想からできた曲です。」「オリエンタルな音階を入れました。」と明かすと、小泉も「一曲のなかにいろいろな表情がありますよね。旅をしているみたいに感じる曲になったよね。」とコメントした。
フェミニズムという観点からのみでなく、生涯にわたって既成概念と闘ってきたアーティスト、ニキ・ド・サンファル。自身のアーティスト活動と共通することはあるかという質問に小泉は、「ニキの射撃アートは対象物を撃ちながらも、自分自身を撃っている。私たち創作活動をする者は、定期的に自分を撃って壊さないと、次のものは生まれないんです。」と共感を示し、「アーティストがあの作品を観たらそのように感じるんじゃないかな。」と語ると、上田も「明日何も思い浮かばなくなったらどうしようという恐怖心といつも戦っていますね。」と同意した。
最後に松本は、「ニキの作品は遊び心に満ちていて、その背後に哲学的なものが感じられる。」「撮影のために33年ぶりにタロット・ガーデンに訪れたのですが、当時、建設を手伝っていた村の若者たちが、切符売りやメンテナンスをしていたんです。未だにタロット・ガーデンを守っているということに感動しました。ニキは「タロット・ガーデンは人を幸せにする場所」と呼んでいますが、私自身も幸せを貰いました。」とニキの作品の魅力を熱く語った。小泉も「ニキ本人もとても魅力的な方だと思いました。本当にタロット・ガーデンへ行って冒険してみたいです。みなさんもタロット・ガーデンへ旅行に行かれてみてはいかがでしょうか。」と観客に呼びかけた。
『Viva Niki タロット・ガーデンへの道』2024年9月25日(水)より東京都写真美術館ホール、9/27(金)よりシネスイッチ銀座他にて全国順次公開。
『Viva Niki タロット・ガーデンへの道』
監督・撮影・脚本:松本路子 ナレーション:小泉今日子
編集:池田剛 音楽監修:青柳いづみこ
オリジナルエンディング曲:黒猫同盟(上田ケンジと小泉今日子)
製作:ニキの映画を創る会 助成:ポーラ美術振興財団、クラウドファンディングPLAN GO、藤田晴子の会、上野千鶴子基金
後援:ニキアート財団 グラフィックデザイン:辛嶋陽子
配給・宣伝:ミモザフィルムズ 宣伝協力:クレスト
2024年/日本/日本語/76分/カラー&モノクロ/1.78:1/ステレオ
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