海外に出て知った、激お勧めの職業FLAVOURIST =風味のクリエーター
Flavour house にいる Flavourist
商社時代に色んな職種の色んな人と仕事をした中で、個人的な憧れと興味No.1の仕事がフレバーリスト。
香水を作るパフューマーは知っている人が多いと思うが、食品の香料を作るフレバーリストは知っている人が少ないと思われる。(自分も食品関連に携わるまでしらなかった。)
有名な話で言うと、コカ・コーラ社のメインのコカ・コーラのバニラフレバーは、スイスに本社のあるGivaudan という会社が作っている。
このGivaudanは世界最高峰の香料会社であるにも関わらずやはりBtoBの仕事をする会社なので、関係者以外からの知名度は低い。
日本にも世界ランクに入っていてヨーロッパにいくつもの拠点を持つ高砂香料、それに続き長谷川香料、小川香料というのが日本のベスト3。
これらも最終製品を作っているわけではないので、知名度は?だけど実は私達のよく知っている食品の風味のコアとなる香料、を作っているのがフレーバーハウス(香料会社)なのである。
的確な香りと味の分析力
食品原料の売り込みをかけるべく、フレバーリストとアポを設定してテイスティングしてもらう営業活動を数年間やっていたときにとにかく彼らの表現力に驚かされる。まあプロなので当たり前なのだが。
イメージ的にはソムリエみたいな感じで、試作サンプルや原料そのものを試食してもらう。
例えば欧州の文化にない原料を持ち込んで試してもらうと。
香りはすっきりしていて根菜類のようだ、とか味に関してはスモーキーで丸みがあり、先味にアクセントがあってアジアっぽい原料だね、丸みがあるのはハニーっぽさから来てるのかな~等‥食べた瞬間に言語化されて、味を作る為のパーツとして認識されている。
このような人達に毎回会って話すのがとても楽しい時間だった。
感覚的な仕事に一見思えるのだが、日本でいうところのバリバリの理系で、化学、バイオ化学の勉強が必須であり、日本でいうところの大学院を卒業する必要がある。感覚だけではなく化学的なアプローチもする。ここがソムリエとは違うところかもしれない。
詳細は別の機会があれば。
職業
1.フレバーリスト
2.食品原料関連の技術営業
この二つのチョイスがあるところが美味しいところで、
優れた才能が発揮して食品会社の稼ぎ頭のような製品の香料をガンガン作くれれば、Givaudan のような大手に上っていけるし、もしそうでなくても、私がやっていた食品原料の売り込みの為の技術営業として重宝される。
五感を使う仕事は官能評価がメイン
自分の息子には、とにかく五感を鍛えるような教育をしたいと思っている。
その理由は、五感は機械等で測定できるものではなく人間の感覚である官能評価が指標とされているから!
これは目から鱗だったのだが、味の複雑な分析や聞こえてくる音の分析は、機械にはできない、何故ならばそれらの情報を知覚しているのは私達人間自身だからである。
食事は、原料がわかるように。インスタント食品等は、体に悪いという側面よりもまずは本物の味をわかってから食べて欲しいと思っている。
音も同様で本物の楽器の音や、ライブなんかの本物の音に触れて欲しいと思っている。
たとえこれらを直接仕事にしなくても、これらの感覚が整っていれば、例えそれらを仕事にしなくてもより人生を豊かにできると思っている。