消えた彼の時間を取り戻したい
3番です。
10番が姿を消してから2週間以上が経った。
昨日は、10番が出演するだったはずのYouTubeの撮影があった。
ペガサスハイドさんが運営する人格解離研究所というチャンネルの動画の撮影。
私はそれに、9番の彼と共に出演した。
ハイドさんの存在は自分たちが解離であることが発覚したそのすぐ後、10番の彼がハイドさんの動画にたどり着いたときに知った。
10番はハイドさんの動画をいくつも見漁り、「同じ解離で、こんな素敵な考え方の人が同じ時代を生きているんだ、この人を知れてよかった」と涙していた。
ハイドさんは、10番がとてもよく尊敬していた人だ。
1番もハイドさんと会話をしたことがある。
私と9番は、使用する肉体はハイドさんと対面したことは今まで何度もあったものの、直接お話するのは今回が初めてであった。
ハイドさんには、昨日の撮影中に、10番の彼がこの前消えて行ったことを話さざるをえなく、比較的サラッとことを伝えた。
複雑そうな、少し悲しそうな顔をしているように見えた。
仕方がないかもしれない。ハイドさんと一番何度も会って何度も話していたのは10番の彼だったのだから。
統合治療をやむなく受けるしかないかもしれない、という話をした時も、ハイドさんは「少し、寂しい気持ちがあるよ」と話してくれた。
解離者の心に寄り添い、親身になってくれ、当事者にとって何が一番幸せなのかを真剣に考えてくれる、とても心の優しい人だ。
私はいつか、10番の彼の生きる時間を取り戻したいと思っている。
彼が消えたことで私に返還されてきた意欲も活力も、また手放すことになっても構わない。
あんなピュアな心を持つ人間は他にはいない。
私からの解離だということが信じられないくらい、ピュアで真面目で優しくて、人思いで、優しい友達に囲まれて幸せそうにしていた彼。
私は彼に、また生きて欲しいのだ。
幸いなことに、戻ってこれる肉体は今もここにある。
複数の命と魂が共存する肉体は、今日も今を生き続けている。残された私たちが、出来るだけストレスでいっぱいにならないよう、悲しみに押しつぶされないよう、生きる力を無くさないように、気をつけて、気にかけて保っているから。
あなたが帰ってきてくれるまで私はいくらでも待つし、ただ待っているだけでなく、あなたが消えてしまうことになった直接の原因も取り除けるようにこの人生をかけて尽力する。
親、親族からの心無い言葉の数々、かけられるプレッシャー、人の形をしているだけで人間のふりをして生きている化け物たちからの際限なく降り注がれるダメージ。
それらを出来るだけ軽減させる。
場合によっては、本当に本気で親とは縁を切る。
父親、母親の認知の歪みは幼少期思春期の頃からとても激しかった。
あれは単に、考え方価値観の違いなどではなく、明確に異常なものであった。
人としての相性がどうだとか、そういう問題ではない。
明らかに私が言えることは、確かに”父親、母親は、私を愛している”。
愛しているにも関わらず、ありえない行いをしてしまうのだ。
それは、認知が歪んでいるがゆえだ。
非常にショッキングな出来事の話だが、
私はかつて幼少期に、ハムスターのペットを飼っていた。
あるとき、学校から家に帰ると、その子が亡くなったという話を聞いた。
ハムスターにお別れの言葉を言いたかった私は、父親に「あの子がどこにもいない。お墓を立てて埋めたの?お別れを言いに行きたいのだけど」と言った。
すると、「ああ、”それ”なら隣の空き地に放(ほう)っちゃったよ」
とあっさり言われた。
一軒家が建つ余裕のある隣の空き地は、カラッとした土のみの場所というわけではなく、草木が生い茂り、無法状態の更地だった。
愕然とした。魂が抜け果て、亡骸になってしまったその子を、勢いよく投げて棄てたと、
本当にあっさり言われるのだ。
何も言葉が返せなかった。当時小学生だったというのもあるが、目の前で起きていることが何も信じられなくて、呆然としてしまった。
同じようなことは、何度もあった。
今ここに明記する体力はもうないので、割愛する。
親の認知が歪んでいるということを、わかりやすいであろう形で書きました。
4番がnoteを更新するにあたって書かれていたように、私は父親母親から、教育を受けていません。
正しく言えば、父親母親には教育したつもりの気持ちはあるのだけれど、悪い記憶と強烈な出来事の印象がどうしても頭から抜けていかず、それでほとんどが上書きされてしまい、教育されたはずの時間が、抜け落ちてしまっているのです。
親は、「教育はしたつもり」だと言います。
しかし、私ももう一人の家族も、口を揃えて「親からの教育は受けていない」と言い、
「私は人格たちと育った」
家族は
「私はきょうだいに育てられた」
と言います。
いくら親が「教育したつもり」だと言っていても、それを受けさせたはずの当人たちが口を揃えて否定するのであれば、教育は受けていないということになってしまって仕方がないでしょう。
私は、これから先、血の繋がりのある人間たちとどのような関係を築いていくべきか、真剣に考えています。
場合によっては、縁を切ることも有り得ます。
すべて生きるため。
幸せになるため。
幸せになろう、そのときは10番の彼も一緒に。
びっくりするくらい個人的な家庭環境の話ばっかりだったのに読んでくださってありがとう。
最近、暗い内容の記事ばかりになってしまって本当に申し訳ない。自分たちの心境に沿った投稿をするまでだけど、明るい内容や、ライフハック的に役に立つ内容の投稿もちゃんとしていきたいと思っているので、
よかったらまた読みにいらしてくださいね。
あなたの今日が、明日が、幸せなものが一つでも多くありますように。心から願います。
読んでくれて本当にありがとう。
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