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探偵とハンガー

ここ数日、急に『探偵ナイトスクープ』のことが気になりだした。

歴代の局長(上岡龍太郎さん、西田敏行さん)や最高顧問だったキダ・タロー先生の訃報に触れたからだろうか。

いや、私は多分、寒くなってくると思い出すようになっているのだ。

1995年1月。
阪神淡路大震災後の大阪で、
親戚たちとコタツに入りながら観たナイトスクープのことが忘れられず、
今でも思い出しては
ちょっとやってみる」ことがある。

1995年の1月だから、もう30年近く前になると思うので、
覚えている人もいないかもしれないが、

頭に針金ハンガーをにつけると頭が勝手に回りだす
みたいな回があったのだ。

今回気になって、
「探偵ナイトスクープ ハンガー」で検索しても何も出てこなかったが、
その代わり、トリビアとか、ユーチューバーたちが「やってみた」とか、
そういう動画は出てきた。

もしかしたら、有名な話なのかもしれない。

「針金ハンガー」とは、これである。

クリーニング店でもらえる、針金ハンガー


この針金ハンガーをこんなふうに……

引っかける部分を前に持ってきたバージョン

頭につけると、

引っかける部分を横にもってきたバージョン

頭がグーンと回りだすのだ!
嘘みたいな話だけど、

これ本当!!!


ちょっと優しめの妖精に頭を持って誘導されているような感覚。
不思議なんだけど、
ちゃんとまわる。


当時、震災で兄をなくした私たち家族は
(父方の実家が全壊したため)大阪の親戚の家に身を寄せていた。
火葬場も順番待ちで葬儀まで1週間くらい待ったと思う。
大きな地震が来たことも、
兄がなくなったことも、
何もかも現実なのに、フワフワと信じられない気持ちがあり、その現実を受け入れることができなかった。

地震後、何日目からだっただろうか。
テレビで、
確認できた死亡者の名前が流れるようになった。
それまで賑やかに喋っていた親戚たちも、
名前が流れ出すと静かになって画面を見つめる。
そこに兄の名前がないと、
なぜかホッとしたり、残念に思ったりした。

ある日、とうとう兄の名前が流れてきた。
誰かが「出た!あった!」と言った。
それを見た瞬間、
ああ、本当に兄はいなくなったのだ、
これは現実なのだ、と思った。
急な現実におそわれて、
皆が静かになった。

シーンとなった部屋の中で、
『探偵ナイトスクープ』が始まった。
みんな黙ったまま、画面を見つめる。
そこで始まったのが、
針金ハンガーを頭にはめるとまわる、という回だった。
今思えば、何の依頼なのか。
依頼者の「ハンガーをつけたらまわるんですよ!」という意見を検証しようという回だったのだろうか。

気づけば、親戚たちは針金ハンガーを探していた。
「こんなん、沢山あるで!いくついるのん?」と、親戚のおばちゃんが気前よく針金ハンガーをかしてくれた。

皆でコタツに入り直して、
頭にハンガーをつけて、
まわる感覚を楽しんだ。

「うお!」
「おおおおーっ」
「本当にまわる!何回もまわる!」

静かだった部屋はいっぺんに賑やかになった。
みんな大興奮で頭をまわし続けた。

震災後の私たちのしずんだ心を救ってくれたのが、
探偵ナイトスクープ、
いや、針金ハンガーだった。

このことを寒くなったら思い出すのだ。
そして、ちょっとやってみたくなる。
今も、このnoteを書きながら、
(上の写真を撮るために出してきたハンガーがあるので)
つけている。
書きたいのに回るから困る。

やってみたことがない皆さんは是非、
お試しください。
本当に回るので。

ちなみに私の
『探偵ナイトスクープ歴代探偵の中で好きな探偵ベスト3』という、
何の役にもたたない情報を
ここに発表したい。

⭐︎ 北野誠さん
⭐︎ 長原成樹さん
⭐︎ 石田靖さん

私が夢中で観ていたのは主に中学〜大学時代なので、上岡龍太郎局長の頃。
探偵もその頃の皆さんなのでだいぶかたよっているが、
ホームページを開いてみたら、
まだ石田靖探偵が頑張っていらっしゃったのでテンションが上がった。


皆さんの好きな回、
好きな探偵、
ございましたら教えてください。

私のほっこりオススメ回は
キダ・タロー最高顧問が自身のファンの中学生がデートをする回。
癒されます。

https://youtu.be/ugzXrnGixUU







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ミーミー
こんなところまで読んでいただけていることがまず嬉しいです。そのうえサポート!!ひいいっ!!嬉しくて舞い上がって大変なことになりそうです。