【創作大賞感想】つなげて、続けていくということ
私は今、福岡のわりと賑やかな場所に住んでいます。
飲食店やアパレルを含む沢山の企業。
雑誌やテレビでは毎週のように「ニューオープンの店」が紹介されていて、
華やかで活気を感じる半面、
(どれぐらい続くかな)と不安になったりもします。
店舗として使える場所が限られている中で、
新しいお店や会社が続々とオープンするということは、
それだけ閉店・倒産しているということですからね。
コロナ禍を経て、
最近ますますその「代謝」のようなものが
はやくなってきたと感じていた今夏、
ある小説が「創作大賞2024のビジネス部門応募作品」として投稿されました。
黒田製作所物語
この作品はnoteで2021年2月に投稿されたあと、
2021年3月には紙書籍(非売品)が、同年5月にはkindle版も販売されています。
ありがたいことにnoter仲間の皆さまと共に
「あとがき」を書かせていただいたのですが、
私ったら当時、こんなことを書いていました。
↓
それまで好んでは読まなかった(読めなかった)骨太な企業モノの小説を「面白い!」と思って読めたのはこの小説が初めてでした。
あれから3年。
今回の創作大賞2024に応募されていた『黒田製作所物語』を拝読してビックリ!
かなり加筆されていたからです。
具体的にはこちら。
↓
私、この「後半の美希編」が増えていたところに感動したんです。
「日本の企業は中小企業が圧倒的な割合を占めている」とニュースで見た記憶があります。
(たしか、個人事業主を含む中小企業は全企業数の99.7%)
99.7%って、ほぼほぼ中小企業が日本経済を支えているといっても過言ではないですよね。
しかし、数もある分、
中小企業が何十年何百年と続いていくというのは、
とても難しいことなんです。
何かを「始める」ことも大変なことですが、
それを「続けていく」ことの方が、
何倍も難しい。
たとえば会社として何かヒット作を出すことができたとしても、
それだけで続けていけるものではないです。
成功に安心して、そこで守りに入ったり立ち止まったりすると、
必ず後退します。
会社の繁栄と継続のためには、
良い後継者の存在と、
常に前進していこうとする企業姿勢が必要不可欠です。
3年前に書かれた『黒田製作所物語』は
企業を興して成功する姿が主に書かれていましたが、
今回の分には、その会社の意思を受け継いで、さらに発展させていく「後半の美希編」が多く追加されていたところに、
福島さんの本気が見えました。
新しいことへチャレンジすることは素晴らしいこと。
それで成功するのもすごいこと。
しかし、一番すごいのは、
それを
「つなげて、続けていく」ということ。
最後に、3年前のkindle版に掲載されていた「おわりに」から、
印象深い部分を紹介させてください。
福島太郎さんにとって、地元の中小企業は「ほんとうに大切にしたい宝物」とあります。
その物語を「ビジネス部門」として出す意気込みは相当なものであると思います。
日本の未来を担う中小企業のお話をビジネス部門でぜひ!!!
「あとがき」もあります。あわせてお読みいただくとより作品を楽しむことができます。↓