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【創作大賞感想】つなげて、続けていくということ

私は今、福岡のわりと賑やかな場所に住んでいます。
飲食店やアパレルを含む沢山の企業。
雑誌やテレビでは毎週のように「ニューオープンの店」が紹介されていて、
華やかで活気を感じる半面、
(どれぐらい続くかな)と不安になったりもします。

店舗として使える場所が限られている中で、
新しいお店や会社が続々とオープンするということは、
それだけ閉店・倒産しているということですからね。

コロナ禍を経て、
最近ますますその「代謝」のようなものが
はやくなってきたと感じていた今夏、
ある小説が「創作大賞2024のビジネス部門応募作品」として投稿されました。

福島太郎さん

黒田製作所物語

 紀元前から現代まで五千年の時を超えて人の営みを支え続ける技術が溶接である。人は溶接技術の発展とともに産業を発展させ、豊かな生活を手に入れてきた。
 この物語は、溶接に魅せられ人生を駆けた男の物語、ある意味ではどこにでもあるような話である。日本で溶接技術を生活の糧とする職人は何十万人と存在し、企業は何万社と存在しているだろう。

 福島県郡山市にある株式会社黒田製作所という会社では、幹線道路から見える工場に「日本一きれいなステンレス専用工場」と描かれている。
 第二次世界大戦後に創業した中小企業が掲げる「日本一」という大きな文字、そこに込められた想いを読み解く物語。

『黒田製作所物語』のあらすじ


この作品はnoteで2021年2月に投稿されたあと、
2021年3月には紙書籍(非売品)が、同年5月にはkindle版も販売されています。
ありがたいことにnoter仲間の皆さまと共に
「あとがき」を書かせていただいたのですが、
私ったら当時、こんなことを書いていました。

私は普段あまり「お仕事・企業モノ」は読まない。
「読まない」というより難しいから読めなかった。
しかし『黒田製作所物語』に出会って私の苦手意識が変わった。

『黒田製作所物語』への私のあとがき

それまで好んでは読まなかった(読めなかった)骨太な企業モノの小説を「面白い!」と思って読めたのはこの小説が初めてでした。

3冊も持ってます!ふふふ。

あれから3年。
今回の創作大賞2024に応募されていた『黒田製作所物語』を拝読してビックリ!
かなり加筆されていたからです。
具体的にはこちら。

10話から13話はkindle版には一部しか無く、ほぼ新たに追加した感じです。黒田を「前半の虎一編」・「後半の美希編」とした場合、美希編はkindle版より倍近い文量かもしれません。

「黒田製作所物語のあとがき」より引用

私、この「後半の美希編」が増えていたところに感動したんです。

「日本の企業は中小企業が圧倒的な割合を占めている」とニュースで見た記憶があります。
(たしか、個人事業主を含む中小企業は全企業数の99.7%)
99.7%って、ほぼほぼ中小企業が日本経済を支えているといっても過言ではないですよね。
しかし、数もある分、
中小企業が何十年何百年と続いていくというのは、
とても難しいことなんです。

何かを「始める」ことも大変なことですが、
それを「続けていく」ことの方が、
何倍も難しい。

たとえば会社として何かヒット作を出すことができたとしても、
それだけで続けていけるものではないです。
成功に安心して、そこで守りに入ったり立ち止まったりすると、
必ず後退します。

会社の繁栄と継続のためには、
良い後継者の存在と、
常に前進していこうとする企業姿勢が必要不可欠です。

3年前に書かれた『黒田製作所物語』は
企業を興して成功する姿が主に書かれていましたが、
今回の分には、その会社の意思を受け継いで、さらに発展させていく「後半の美希編」が多く追加されていたところに、
福島さんの本気が見えました。

新しいことへチャレンジすることは素晴らしいこと。
それで成功するのもすごいこと。
しかし、一番すごいのは、
それを
「つなげて、続けていく」ということ。

最後に、3年前のkindle版に掲載されていた「おわりに」から、
印象深い部分を紹介させてください。

星の王子さまという世界的に有名な物語の一文に
『ほんとうに大切なものは目に見えないんだよ』
とある。私にとって地元中小企業は「ほんとうに大切にしたい宝物」である。普段は身近にありすぎて、見えないくらいに日常に溶け込んでいるけれど、大切な宝物である。

kindle版黒田製作所物語より引用

福島太郎さんにとって、地元の中小企業は「ほんとうに大切にしたい宝物」とあります。

その物語を「ビジネス部門」として出す意気込みは相当なものであると思います。
日本の未来を担う中小企業のお話をビジネス部門でぜひ!!!

「あとがき」もあります。あわせてお読みいただくとより作品を楽しむことができます。↓


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ミーミー
こんなところまで読んでいただけていることがまず嬉しいです。そのうえサポート!!ひいいっ!!嬉しくて舞い上がって大変なことになりそうです。