「老後はハワイ?日本?」分かれる意見と、理想と現実
日本からの旅行客は
老後はハワイで暮らしたいな〜 と言う。
ハワイに長く住んでいる日本人は
老後は日本に帰りたいな〜 と言う。
この2つが真逆でおもしろいといつも思う。
私はかつて旅行者であり
今はハワイに住んで10年。
両方の気持ちがよく分かる。
年々夏はさらに暑く
冬はさらに寒くなっている日本では
気候だけを見ても
老後の体にはこたえるのではないかと思う。
なので
老後は体に優しいハワイで穏やかに過ごしたい。
とてもよく分かる。
ご存知の通り、ハワイは1年中暖かい。
年間を通してハワイにいると
それなりに夏と冬の違いはあるが
衣替えの必要はなく
大きな暮らしの変化はない。
暖かい気候と吹き抜けるそよ風
湿度のバランスと
明るい太陽と青い空、青い海。
健康保持のための散歩や運動がしやすい環境も
魅力的である。
しかもハワイは日本食が簡単に食べられる。
海外移住をしても食が合わないと
生活は快適ではない。
特に歳を取ってから
ヘビーなアメリカンフードは体にも負担なので
食のポイントもハワイは高い。
それに加えてハワイの開放感。
たいていの旅行客はハワイに来ると
日本で悩んでいたことがちっぽけに思えて
元気が出ました!と言う。
そう、「元気になる島」
それがハワイの魅力だと思う。
幸せに暮らすには
体はもちろんのこと
気持ちが元気になることも重要だ。
ハワイにいると
たいていのことはどうでもよくなる。
「まぁ、いいか」が当たり前になる。
細かいことは気にしない。
いい意味で。(と思いたい。笑)
何を着ていようと(着ていなかろうと、笑)
誰も気にしない。
80代になっても
タンクトップと短パン、ビーサンで
気軽に出かけられる
イージーでストレスフリーな毎日が
健康寿命を延ばしているような気もする。
街中でド派手なトップスに
真っ赤なサングラスを掛けているお婆ちゃん。
色鮮やかなトロピカルデザインの
ビキニを着ているお婆ちゃんを見かけると
私はなぜかとっても嬉しくなる。
自分もあんな風に楽しく歳を取りたいなぁと思う。
いいことだらけのハワイなのだから
老後はハワイに決まりでしょ。
一見そう見えるのだが
ちょっと待った!
アメリカ医療費のことを忘れてはならない。
歳を取ってからの暮らしは
残念ながら
病院のお世話になることも増えるだろう。
日本の国民健康保険に慣れている人からすると
目を疑う請求額を目にすることになる。
しかも病院に行ったら
帰りにお会計をして終わり
なんていう素敵なシステムは
ハワイにはない。
当日は、診察・治療をして帰って来る。
後日、請求書が自宅に送られて来る。
恐ろしいのは
この請求書が届くまで
いくらかかったのか全く分からないということ。
日本の感覚で2000円くらいかな?
と思って封を開けると
$500(5万円)なんてこともある。。
救急車も有料で$500(5万円)くらいなので
乗る前に「乗りますか?」と聞かれるらしい。。
(※単純に$1=100円で換算しています。
実際の日本円金額は為替により変動します。)
私の経験では
救急病院に行こうものなら
ちょっとした検査とお薬
数時間の滞在で
$1,500(15万円)くらいの請求書が来た。
歯医者は
ちょっと詰め物をして$250(2万5000千円)
根っこの治療をしたら$500(5万円)だった。
これらすべて
保険がきいて、の金額である。
現役で働いている時は収入があるので
なんとか払えるとしても
リタイヤをした後に
年金や保障だけで
この莫大な医療費を賄えるのか?
という心配がある。。
手術なんてことになったら
一体いくらかかるのか?
ちなみに開腹手術をした時は
$3,000(30万円)くらいだった。
額面は日本とそんなに変わらないかもしれないが
日本と違うところは
お腹を切っているのに
入院はたった2泊で家に帰された。
開腹手術後2〜3日では
家に帰っても
自力でベッドから起き上がることもできず
生活に支障をきたす。
誰かに介護をしてもらわなければならない。
こんな時
日本では最低でも2週間は入院させてくれる。
家に帰って1人でちゃんと
身の回りのことができるようになるまで
入院させてくれる。
そして医療費もハワイの2泊と同じくらい。
金額が同じでも中身が違う。
その他の場合でも
医療費負担は日本の方が遥かに安い。
国民健康保険バンザイである。
もっと歳を取って
もし老人ホームに入るとなったら
ハワイの老人ホームは
入会に1億円。
月々の支払いは30万円と言われている。
一般人には非現実的である。
私のハワイの友人は
日本の実家の近くに
入会金30万円、
月々10万円ほどの老人ホームを見つけたらしく
老人ホームに入らなければならなくなったら
日本に戻ると言っている。
また
50年以上ハワイに住んでいる人が
最期は日本で死にたいと言っていた。
人生の大半をハワイで過ごしてきたのだが
自分は日本人であり
最期を考えた時
日本の地に埋まりたい、と思ったそう。
海外に住んでいると
日本への愛国心が募ったりするので
そういう気持ちも分からなくはない。
ないものねだりで遠くが美しく見えるのか?
「心地よさ」と「安心」どちらかを選ぶのか?
老後とはそういう選択なのか?
ハワイの友人ともこの話題について
よく話し考えるのだが
どちらの方がよい、という正解はない。
きっとその時になったら
状況に応じて感じるものがあり
心が決断を下しているのだろう。