いかにんじん

いかにんじんは、福島中通りの郷土料理です。中通りといっても、白河の方は作らないと言ってましたから、郡山あたりより北の方のものなのかも知れません。

私の父と母は本宮出身なので、お正月には欠かせないものでした。夏場など暑いときには傷んでしまうので食べません。最近は夏でもあるようですが(防腐剤のおかげかな)

母はいかにんじん名人で有名。知り合いの方にも頼まれてたくさん作ってました。

いかにんじんのいか、は、するめいか…年末の買い出しはするめからはじまります。
ペラペラのするめじゃだめ。なるべく肉厚なのを選びます。北海道産のがいいと言ってました。

次はにんじん。みずみずしい甘味のあるもの。母は三寸にんじんというものが一番といってましたが、それがどんなものなのかはよくわかりません。

とにかく材料選びが大事なのだそうです。たくさんの店をまわって、これだ!というものを選びます。この買い出しには小さいころからつきあってたので、なんとなくそのコツは覚えました。

作り方は、まずはするめいかの、足と、えんぺらと、骨を取り除きます。(この部分は後であぶって父のつまみになる)

するめいかを細くきります。2-3ミリ幅。つかってくるとふやけて太ります。

にんじんはたてに三等分した長さで千切りにいます。太さはふやけたするめと同じくらにいになるように。3-4ミリ幅程度で。

にんじんとするめの量は1体1か、にんじんが少し多め。

するめに日本酒をふりかけます。しんなりまわる程度で。母は酒で消毒と言ってましたがはたして飲用する日本酒にその効果はあるのか?

にんじんはさっと茹でます。この頃合いが難しいのですが、にんじんによって変わります。ふにゃふにゃにしてはいけません。いかにんじんは、にんじんの歯応えを楽しむ料理だからです。
にんじんを茹でたら、その上にするめいかをのせます。なぜかはわかりませんがにんじんの湯気をするめにあてて、しっとりさせると言ってました。

つけだれは、醤油と、みりん少々。中くらいの鍋の底に1センチくらいになる量をいれます。中弱火にかけます。小さな泡が出てきたくらいで止めます。火にかけ過ぎないで!注意深くみて!

ボウルににんじんといかを混ぜて、つけだれをかけ入れます。完全にたれに浸す必要はありません。
にんじんからだんだん水分がでてくるからです。

よくあえて、容器で保存しますが、天地返しをたびたびして、なじませます。

次の日はまだ硬いですが、その次の日くらいからたべられます。

だし汁を入れる家もあるようですが、我が家では入れません。するめからでる出しで食べる料理だからです。
にんじんに、するめの良い出汁が入ってきて、とても美味しいです。

にんじんに甘味がなければにんじんを茹でるときに少し砂糖をいれることもあります。

こんな感じです。みなさんの作り方はどんな感じですか?

実は、分量は母は教えてくれなかったんです。
作り方はそばで見てたので覚えてるのだけど…こんなに早く亡くなるとは自分で思ってなかったんでしょうね。
なので見ようみまねです。後何回か作れば、レシピにもかけるようになるかも知れませんが、現段階はここまで。

写真は、仏壇にそなえたもう一つの福島郷土料理、豆数の子といかにんじんの皿。

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