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中学校新教科書(英語)

中学校では今年度より授業で新教科書を使用している。
#新学習指導要領

それに関してよく聞く話(文句)をここで拾って,わざわざコメントをしようと思う。

新教科書は新出文法と新出語句が増えすぎて教えきれない

そもそも「教える」という言い方がおこがましい。
#何様やねん

僕は「教える」という感覚を捨てた。それからの授業は「学ぶ環境を創って提供する」という感覚だ。いろんな言い方があると思うけど,同じように授業を展開している人を何人も知っている。

かと思えば「新教科書の内容がてんこ盛りで困る」と文句を言いまくっているだけの人もよく見る。なぜそんな感想に至るのかと考えた結果,ひとつの結論にたどり着いた。

文法指導をしすぎ問題

文法の説明をしているだけの時間が大半を占めている授業を未だに目にする。時代は Use → Meaning → Form だけど,今でもこの逆をしている人がいる。

シンプルに止めたほうが良いんだけど,なぜか止める気配がない。

あ,ちなみに文法指導が不要という話ではない。英文法は英語を学ぶ上で大切だし,僕の大好きな分野だ。
#本当は僕もずっと英文法について話をしていたい

しかし,どれだけ僕たち教員が文法の説明をしたところで,99%の生徒は英語を使えるようにならない。(数字は適当だけど,残りの1%はそもそも僕たちを必要としていない)

説明を聞くだけで使えるようになるなら,日本人は英語に困っていないはずだ。

オリンピック金メダリストに泳ぎ方の説明を聞くだけより,自分でプールに入ってバシャバシャした方が泳げるようになる。英語も同じだ。

文法を説明する必要はない。説明するにしても「want to do は不定詞(名詞的用法)というもので……」という説明を聞くよりも,「want to do で「〜したい」と表現できるようになるぞー!」とだけ伝えた方がマシだ。

使いながら慣れていく。そして使えるようになる。

ということで,解決策は「誰も聞いていないので無駄な説明は止めよう」である。

説明ではなく使う時間をたくさん与える

説明をしなくなると他の活動に時間を使うことができる。僕はそこを「使う時間」にした。パターンプラクティスのようなトレーニングのときもあれば,状況や場面を与えて自分の考えや想いを表現させるときもある。

とにかくたくさん使えるように工夫している。

そして活動をくり返しているうちに生徒からこんな質問が出る。

「先生,「〜したい」はどう言うんですか?」

自分たちが表現したいことを表現すれば良い。アウトプットしようとしているそのときこそがインプットに一番最適なタイミングだ。

こうして,I want to do ~. が「〜したい」だと分かった生徒は次のパートナーと話すときに必ず I want to do ~. を使う。こうして英語を習得していく。

余談

言葉が悪いのはごめんだけど,本当に生徒は「want to do は不定詞という表現で……」という説明を聞いていない。
#説明は自己満足

この事実と向き合わなければ,これから先も永遠に昭和の授業がくり返されるだろう。

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