短編小説0039 子ども時間世界 635文字1分読
さてと。
クレヨンを出して、画用紙出して、お椅子と机を出してと。
お庭でお空の絵を描きまーす。
え?保育園に遅れちゃうからそんなことしないでって?
どうして大人は子どものルールを考えないのかなあ?
今はお絵描きがしたいの!
急いで出発したらお絵かきができなくなっちゃうでしょ。そんなふうだからいつも、テレ東のアニメも見れないんだよ。
あープラレールで遊びたい気分になってきた。家に入ろー。散らかしっぱなしのお絵かきセットはいいの、いいの、そのままにして、ほっといて。
ほらママ!そんなお片付けしてると電車に間に合うし、会社にも遅刻しないよ。何してるの?絵本でもよまなくちゃ!
キャハハハ!牛乳こぼしちゃった。
ああ、そういえばプリキュアの録画してたんだ。朝ご飯食べながらゆっくり見なきゃ。
歯ブラシはめんどくさいなー。
あ、いいこと思いついた!ご飯食べたらお外の公園で歯ブラシしよーっと。家の中より楽しそう!
もう、お母さん!うるさいな!
子どもが中心なんだから、子どもに合わせてよ!
保育園なんゆっくり行けばいいの!
だって僕たちの世界に、そんな時間を守るルールなんて一切ないもん。
そもそも時計読めないしね。キャハハハ。
お父さんも、今日一日のスケジュール確認なんかしないで!
みんな、今日一日を自由に楽しもうよ!
いまこの瞬間を感じて、今を生きようよ!
はー。大人ってほんとにどうしようもないなあ。朝から疲れるよ。
おしまい