Gamefiを組み込んだシリアスゲームで社会問題の解決を持続可能にさせる可能性
✅実際にあった地雷撤去支援プロジェクト
社会問題解決のためのソーシャルグッド(※1)にGamefiは相性が良いと思う。
シリアスゲーム(※2)にGamefiの要素を組み込んで持続可能にできるのではないだろうかと考える。
※1 ソーシャルグッドとは、社会に対して良い影響を及ぼす活動や製品、サービスの総称を指す。
※2 シリアスゲームとは、エンターテインメント性のみを目的とせず、社会問題の解決を主目的とするコンピュータゲームのジャンルである。
東南アジアの戦地跡に残された地雷撤去を支援するプロジェクトで過去にこういうものがあった。
戦争時に仕掛けられた地雷がそのままに、その地雷原の横で生活をする人々がいる。しかし、彼らには地雷を撤去する費用を捻出することができない。
支援プロジェクトでは、地雷撤去作業に必要な費用を捻出するために、ステッカーを購入してもらい、その売り上げを撤去費用に充てていた。
300円のステッカーを買うことで、2㎡の土地の地雷撤去の支援ができる。
ここのプロジェクトはWebの使い方が秀逸だった。ステッカーにシリアルナンバーがあり、Webで入力すると自分が支援した実際の場所がMAPで表示され、自分の支援で地雷原が安全な土地に変わったのか知ることのできる仕組み。
困っている人の問題解決するだけでなく、支援者にもしっかりとリターンがある。支援しようと思っても「結局、寄付した金は本当に使われてるか不明だよね」みたいな不信感は払拭され、実際に「俺、助けてる」感が出る。これは支援者の新規増加やリピートにつながる。
この地雷撤去プロジェクトを例にGamefiを組み込んでブラッシュアップして見てみよう。
✅地雷撤去宝くじブロックチェーンゲーム
アイデア例として宝くじゲームで地雷撤去支援を考えてみる。
例えば、撤去作業費用1000円で1㎡を撤去できるとし、1地区分(1㎡)辺りの支援金2000円、100地区分(100㎡)の支援を募集。プレイヤーは1トークンを支払い、100地区分(100㎡)の中の1個を選択。もちろん、複数選択したい場合はその分のトークンを支払う。100地区埋まった時点で地雷撤去作業開始。リアルなので数日かかる。
100地区分(100㎡)の地雷撤去作業完了。地雷が実際にあった地区を支援したプレイヤーが、この100地区分に(地雷撤去費用と運営費を除いた)集まられた資金が分配される。地雷がなかった場合は、キャリーオーバーでも良いと思う。
当たらなくても、少なくとも地雷撤去という良いことをしたというリターンを得られる。全員が何かしらのリターンが得られるプロジェクトになるのではないだろうか。
更に、集められたトークンのみで支払うので所謂ポンジスキームにはならない。
✅最後に
ソーシャルグッドを金儲けの仕組みにするなという声もあるかもしれないけど、世界平和のために動ける人はほんの一部でしかない。それだけで世界が変えられるならいいけど、現状は社会問題は全部は解決していない。それなら、裾野を広げて、全然ソーシャルグッドを考えてない人も引き込んで、問題解決できちゃったほうがいいんじゃないかなと思う。
私も過去にはいくつものソーシャルグッドに参加してきた。しかし、持続可能で完成されたソーシャルグッドはなかなかなかった。結局の所、寄付やパトロン、クリエイターが身を粉にしてスキルを提供しなければ成立しないのが大半。Gamefiを活用するソーシャルグッドが増え、持続可能にし、社会問題が継続的に解決されていくことに期待している。むしろ、国連とかが、このような仕組み導入したほうがいいと思う。
Jobtribesがシングルマザー支援のNPOと協力して、家計が苦しいシングルマザーにNFTを貸出、Play-to-Earnで稼いでもらい、少しでも家計を楽にしてもらうという試みをしている。ニュース記事にも取り上げられて、コメントの中には、「結局、NFTを貸してる側がシングルマザーを搾取してるにすぎない」などというネガティブ意見もある。他で儲かってる人がいたとしても、シングルマザー視点からやらないよりやったほうが助かる。というならそれでいいんじゃないかと思う。
綺麗事だけど、関わるすべての人がハッピーになるプロジェクトが一つでも多くなることを願って。