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SUNTORY 将棋オールスター 東西対抗戦2021 解説会
ABEMAで中継されていなかったところを時系列でレポートいたします!
現地の雰囲気を少しでもお楽しみください。
2021年12月26日(日)東京・原宿「明治神宮会館」1階ホール
≪東西対抗戦・対局者・解説者・聞き手≫
〇東軍 永瀬拓矢王座、羽生善治九段、佐藤秀司八段、横山泰明七段、戸辺誠七段
〇西軍 藤井聡太竜王、豊島将之九段、稲葉陽八段、澤田真吾七段、古賀悠聖四段
○解説・聞き手 谷川浩司九段、木村一基九段、本田小百合女流三段、山口恵梨子女流二段
●会場入り
明治神宮はめちゃくちゃ広いです!! 朝、参道の入り口から明治神宮会館まで軽く1㎞歩きました。iPhoneでの計測です。大寒波の日でしたが心も身体も温まってきます!! 友人たちとも合流し、座席の相談をします。
わたし
「ここは一つ、ジャンケンで決めましょうか!」
友人
「わかりました」
今回のサントリーオールスターの西軍がジャンケンで対局順を決めたという情報はこのレポートを読まれている方はご存じだと思います。
●特別撮影会参加権
S席で参加でしたので「特別撮影会参加権」が付いていました。そのため朝早く集合です。前夜祭では着席した席からの撮影会だったので、今日もそうだろうと思っていたら…違いました。昨日のある言葉を思い出します。
サントリーの和田さん
「サントリーオールスターはファンのための棋戦です」
わたし
(ファンで良かった! 壇上で撮影ですって!?)
自席からの撮影をエアー練習してきた私のすべてがここで崩れ去ります。上がっていく心拍数。
西軍の藤井聡太竜王・豊島将之九段、東軍の永瀬拓矢王座・羽生善治九段が登壇されます。カタカタと震え上がっていたら、場所が隅でした。何枚か写真を撮って移動しますが、此度はアクリル板ではなく人と人が重なります。
(近くで拝見できるだけでも幸運だよね)
MCの福山知沙さん
「壇上の皆様、まもなくお時間ですが如何でしょうか?」
最後にふと、開いた空間がありました。
入ってカメラ(ミラーレス・カマキリ)を構えます。
豊島将之竜王にペコリとすると、目線を頂きました。
藤井聡太竜王にペコリとすると、目線を頂きました。
永瀬拓矢王座にペコリとすると、目線を頂きました。
羽生善治九段にペコリとすると、目線を頂きました。
(全員!!写真にカメラ目線くださったぞぉぉぉぉ)
サンキューホーサントリー。
隅で後ろにいた人にもファンサービスをくださる先生方……将棋界大スキです!!
続いて棋士10人の撮影会。
5組ほどのローテーションで撮影会終了です。
●休憩時間
特別撮影会が終わって少し早い昼休憩です。
フォレストテラス 明治神宮へ500mほど歩きます。カップのシチューを頂きました。前日の前夜祭のお料理も美味しかったですが、フードコートもめちゃくちゃ美味しいです。12時の開演に向けて会場に戻りました。
身体も心も準備万端ホコホコです!!
●解説会
12時からの開始です。
いよいよ開始!!
心拍数が上がっていきます。
私の手首が震えます。物理。
(震えるぜ……って、マジで震えている)
Apple Watchの通知です※音は当然消しております。
(また、高心拍数の通知!!)
――非常時の活動の高心拍数は、健康に重要な変化が起きていることを示しています。
私の120を越える心拍数に、特別撮影会から「Apple Watch」は警告を出していたのです。棋士の先生を間近で観たら心拍数上がりますよね。今は非常時ではないけれど、平時ではない。ふふふと通知にも笑顔を向けて。精一杯楽しんでいきたいと思います。
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※ここからはABEMAでの中継部分は無しでレポートさせて頂きます。
(曖昧な点があります。雰囲気でお楽しみください)
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●第一局
最初の解説は谷川浩司九段、聞き手は山口女流二段。続いての解説は木村一基九段、聞き手は本田小百合女流三段。だったと思います……。申し訳ございません
何故「だったと思う」のかというと、心拍数の上がったボディがしんしんと冷え切っていくのです。会場は強烈な外気の取り込みがされています。
(寒い……これがコロナ禍のイベント……)
大寒波の到来していた日ですので今度は手首だけでなく、身体も震えながら、応援します。
中盤以降は木村一基九段が解説してくださいます。
(人生初の木村一基九段!! テンションは熱いけれど、ボディは寒い)
第一局が終わり休憩です。後に知りましたが空調の寒さをスタッフの方に言ってくださった方がおられたとか。ありがとうございます! ありがとうございました!!
●第二局と第三局
心だけではなく、身体も温まってきたので記憶がちゃん残っていました。
序盤は谷川浩司九段、佐藤康光九段。
レジェンドのトークです!!
豊島将之竜王のお着替えのお話。すぐに服を脱いで着た豊島将之九段に佐藤康光九段が画面に向けてツッコミを入れているという場面は間違いなく将棋界大スキです。
また、永瀬拓矢王座の棋王戦挑戦者など安定されたというお話。
中盤にかかったところで谷川浩司九段が画面の切り替えを依頼されます。
谷川浩司九段
「画面の切り替えをお願いします」
MC福山さん
「申し訳ございません。ここで交代のお時間となります」
佐藤康光九段
「解説者も切り替えですか?」
谷川浩司九段
「わたしたち前座だとおもいます。凄い人こられますよ」
谷川浩司九段と佐藤康光九段、ありがとうございました。
MC福山さん
「それでは次の解説は藤井聡太竜王、羽生善治九段です!」
ドッと会場が揺れます。
羽生善治九段
「皆様、どうぞよろしくお願いします。藤井さんよろしくお願いします。今まで、解説したことありますか?」
藤井聡太竜王
「あ、……ん、そうですね。解説の経験はほとんど無いと思います」
羽生善治九段
「今日のお客様はものすごく貴重な会ですね!」
微笑みで返される藤井聡太竜王。
羽生善治九段
「私も十代のときに1人、デパートで緊張して小声で話していたら、目の前のおじさんに『声が小さい!』と言われてますます声が小さくなったんですよ」
会場が笑いに包まれます。
藤井聡太竜王も今度はくしゃりと笑われています。
羽生善治九段
「今年間違いなく一番過ごしたのは豊島さんだと思いますが……どうでしたか?」
藤井聡太竜王
「改めてだと……むずかしいですね」
羽生善治九段
「私の印象だと対局が長くても、短くてもポーカーフェイスですよね?」
藤井聡太竜王
「あ、はい。朝と夜の写真並べられてもどちらか分からないですね」
本日、何度目かの「将棋界大スキ」が発動します。
質問の回答に詰まられて困った藤井聡太竜王にさっと、手筋を変えられた羽生善治九段。その羽生善治九段の手筋に改心の一手で答えられる藤井聡太竜王。
(……瞬きするな。私)
薄く涙を浮かべながら聞き入ります。
羽生善治九段の解説はさすがでした。
会場の棋力を問わないように、すべてをわかりやすい言葉にしてくださり、その後、藤井聡太竜王に振られる。
藤井聡太竜王
「先手持ちと言いたいですが、後手ペースだと思います」
羽生善治九段
「ああ、ああ……藤井さんがそういわれるのであればそうなのでしょう」
すごい、すごくいい。
何というか、この時、この場所に入れたことを幸運に思いました。
羽生善治九段が次の手を言われて、藤井聡太竜王が符号を続けられる。
藤井聡太竜王
「そうですよね。軽く指すと――符号」
羽生善治九段
「符号――が急所なので」
藤井聡太竜王も羽生善治九段もとても楽しそうです。
藤井聡太竜王の大局観が凄いのを改めて知れる解説会でした。
ifの局面に数十の手を読まれています。
羽生善治九段
「ここでもう一つの対局をお願いします」
MC福山さん
「また切り替えの、交代のタイミングです」
会場の拍手。大拍手でした。
交代で木村一基九段と山口女流二段が登壇されます。
木村一基九段の解説は初めてですが、形勢が分かる解説をしてくださいます。
木村一基九段
「自身ある手つきですが、終局後のコメントでは自信なかったですって言われますよ」
画面切り替えられて――
木村一基九段
「これはお互いパンチは入っていますが、ジャブ。倒れるほど痛さはない」
(解説凄い!!)
木村一基九段
「佐藤康光状態で攻めています。佐藤さんいつも誰も真似してくれないっていいますけれど、だれも出来ないですよ」
(最高だ、幸せだ)
会場爆笑。
これ以上、心拍数を上げるとまたApple Watchに咎められます。
もう一局に画面を切り替えると――
木村一基九段
「どうしてこうなったんですか? って見ないと聞けないですね」
と、スマフォポチポチされる木村一基九段。棋譜中継でしょうか?
話ながらスマフォを触られるお姿に心が持って行かれました。
木村一基九段の解説の凄いところは中盤でも形勢判断をされて、「どっち勝ち」と言われてしまうところでした。ひっくり返っても話芸と読みでフォローする。木村一基九段の解説を生で観られたことは福眼でした。
そして、対局後の質問が毎回木村一基九段なのか――自然とわかりました。対局者の心理を巧みな言葉で導きつつ、振り返りの質問か抜群です。会場の皆様にも分かる内容であり、対局者へのリスペクトを込めている。
●第四局・第五局
序盤の解説は谷川浩司九段、聞き手は山口女流二段。
そして、中盤の解説は――なんと、永瀬拓矢王座と豊島将之九段でした。
豊島将之九段
「どっちみますか?」
永瀬拓矢王座
「藤井佐藤戦で」
豊島将之九段
「ははは。どちらも見たいんですけれど」
永瀬拓矢王座
「あははは。それでは藤井佐藤戦で」
会場も釣られて笑います。
今までの解説会では感じたこことのない、微笑みの空気が満ちていきます。
豊島将之九段
「あはははは」
永瀬拓矢王座
「あー。こっちなんですね。ははは」
豊島将之九段
「あーーー。なるほど。あははは」
会話に微笑みが混じります。
ここから、永瀬拓矢王座と豊島将之九段は5割、笑い声で会話されていたような気がします。とくに、豊島将之九段は良く笑われていたと思います。
豊島将之九段
「永瀬さん的には形勢はどうですか?」
永瀬拓矢王座
「形勢は分からないですけれど。藤井さんが旨く指されているかなと」
会場も解説者も一同笑い。
(この空気を感じることなど想像できなかったな。去年のあの叡王戦の火花は凄かった)
あの持将棋の叡王戦第5期は凄かったですね。
永瀬拓矢王座
「符号――は……あー、ん」
豊島将之九段
「あーー」
永瀬拓矢王座
「形勢はどっちですか?」
豊島将之九段
「いやー、どうなんでしょう。後手を持つと忙しいですよね――符号」
永瀬拓矢王座
「ほ……う。符号――」
豊島将之九段
「あ、あまり符号が多いと良くないですか」
永瀬拓矢王座
「そうですね」
豊島将之九段も永瀬拓矢王座もめちゃくちゃ言われてきたけれどいいんです。いいんです。お二人の良いように続けてください。
ここで盤面を変わります。
豊島将之九段
「たくさん研究会で指されているので藤井さんの手はわかりますか?」
永瀬拓矢王座
「読みにない手を指されるといい手なんで……。覚悟する必要がある」
豊島将之九段
「割合はどれくらいですか?」
永瀬拓矢王座
「来ると思ったタイミングはほぼ来ます……藤井さんの手番であれば想像を超えてくる印象です」
豊島将之竜王
「ずっと藤井さんの話をしているのでもう一局を……」
画面が切り替わります。
しばらく話すと、また永瀬拓矢王座が言われました。
永瀬拓矢王座
「では、もうひとつの藤井佐藤戦に……あはははは」
会場笑い。皆さん分かっている。
永瀬拓矢王座は藤井聡太竜王の対局が観たいようです。
お二人の解説は貴重でした!!
最後のは締めは木村一基九段と本田小百合女流三段。
そして両対局者とも決着がつきました。
(お疲れ様でした!!)
●リレー将棋
・序盤
解説:戸辺誠七段、古賀悠聖四段
軽快なトークで、リレー将棋の仕組みなどを教えてくださいました。
乗ってこられたタイミングでの交替です。
・中盤
解説:横山泰明七段、澤田真吾七段
なんと、客席から登壇されていました。どこかに座れていたようです。
横山泰明七段
「形勢はどうですか?」
澤田真吾七段
「我々は中盤担当なので、もう終盤ですというと降りられるんですよね? まぁ、そんなことは言いません」
澤田真吾七段のユーモアトーク炸裂です。
とてもとてもウイットに富んだお話をされるのですね。
澤田真吾七段
「リレー将棋って、対局中に立ったり座ったりとこれはいい運動ですね。私の某兄弟子は散歩していますが」
会場一同、笑い。
糸谷八段のことですね。
ここで豊島将之九段が作戦タイムを使われます。
西軍三人の棋士が壇上に上がって二人を待つという形式でした。
稲葉陽八段
「作戦会議はやくないですか?」
澤田真吾七段
「何か確認なのであれば、お二人で確認して貰ったほうがいいですよね」
待っている間もわたしたちを楽しませてくださいます。
作戦会議中の様子はABEMAで中継されていたので割愛させて頂きます。
解説に戻ると、横山七段に澤田七段が読み筋の話をされます。指してまたすぐに、また東軍も作戦タイムが開始されます。
横山泰明七段
「私、澤田さんから西軍の内容聞いてしまったんです――答えられないです」
正直すぎる。会場大爆笑。
・終盤
解説:佐藤秀司八段、稲葉陽八段
最後は佐藤秀司、稲葉陽八段のお話など。
間もなく、投了となりました。
一日、対局者、解説と聞き手の皆様に楽しませて頂きました。
サンキューホーサントリーオールスター!!
●最後に
コロナ禍の中、前夜祭・解説会を開催して頂きましたこと、関係者の皆様に御礼申し上げます。とても、とても幸せで楽しい時間でした。
前夜祭のレポートもたくさんのご反応とスキをありがとうございました。とても励みになりました。Twitterやnoteのスキで反応を頂けたから今回のレポートを書くことが出来ました。
大感謝です。ありがとうございました。
将棋界大スキ!!
(了)
※誤字脱字など随時直していきます。速さ重視のアップで申し訳ございません。ご参加されていた皆様。会話の順番、記憶違いなどあったら、申し訳ございません! 修正します! ドン!とご指摘くださいませ。