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【MimiTV × Instagram】店頭POSを動かす!美容商材における好感認知を増やすSNSマーケティングとは?
■ note概要
本noteは、2023年3月8日に行われた、「MarkeZine Day 2023 Spring」のMimiTVプランナー登壇ウェビナーの書き起こし記事となります。美容商材のマーケティングに関わるメーカー、広告代理店で働く方が想定読者です。
本記事では、最新の美容マーケティング分析をはじめ、Instagramのユーザーの最新動向や使い分けについてお伝えします。
2023年のプロモーション計画をアップデートできればと思います。
「MarkeZine Day (マーケジンデイ)」とは?
MarkeZineは、2023年3月8日(水)と3月9日(木)の2日間にわたり、「MarkeZine Day 2023 Spring」をオンラインにて開催。50を超える様々なセッションを催しました。
そして、3月8日行われたセッション『【Instagram×MimiTV】店頭POSを動かす!美容商材における好感認知を増やすSNSマーケティングとは?』で、トレンダーズ(MimiTV)の中谷とMetaのSara Okuta氏が登壇。
トレンダーズでMimiTVの事業責任者を務める中谷とMetaのアカウントマネージャーであるOkuta氏が対談し、美容業界のトレンドの移り変わりからこれからの美容マーケティングについて考察をしました。
美容業界のマーケティングでは、SNSでのUGCが強い影響力を持ってきています。しかし生活者が実際に店舗に来店し、購入につなげるためにはどのようなことを行えばいいのだろうか、というところを紐解いていきます。
◼︎ 美容商材に置けるSNSの使い分けと、ターゲット年代別の戦略
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私たちが普段お打ち合わせをするメーカー様代理店様でSNSをしっかり見ている人に出会うことは、実は珍しいです。ユーザーの実態をあまり理解できないとご相談されることが多いです。
直近化粧品は「SNSで店頭売れする世界」が当たり前になってきているので、その視点をお伝えしていきます。
必要な前提知識は4つです。以下画像は、身につけていただきたい4つの視点です。
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① 美容の情報収集メディア
美容情報の収集をしているプラットフォームはどこ?
② 美容オタク・ミーハー・マス層
美容感度別の行動の違いは?
③ 認知メディア&購買参考メディア
認知しているメディアや購買の参考になっているメディアはどこ?
④ バズコスメ×イノベーター理論
バズコスメのイノベーター理論とは?
① 美容の情報収集メディア
女性が美容情報を収集するために、何を見ていると思いますか?
以下画像は年代別にグラフで表したものです。
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Instagram・YouTube・Twitterの3大SNSは、10〜40代に通ずる共通の傾向になっています。
どの年代も1位はInstagramです。
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では、Instagramだけしていればいいのか?というと、それは違います。
ここで大事になってくるのが、② 美容オタク・ミーハー・マス層です。
② 美容オタク・ミーハー・マス層
この3つのターゲット設定になっています。
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以下画像内のパーセンテージを見ると、美容オタク15%、ミーハー34%、マス層51%です。
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美容オタクはとてもレアで、みなさんのまわりではなかなか居ない存在かと思います。
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結論:世代別の違いよりも、美容感度の違いでSNSの使い方が違います。プランニングをする際によく、Z世代だからこのプラットフォームがいい、40代だからここだよね、という話になることが多いのですが、実はZ世代のなかでも美容オタク・ミーハー・マス層に分かれていますし、40代のなかでも分かれています。
そのため、年代で区切るのは少し古めの思考になっています。美容感度の違いでプランを組んでいく必要があります。
以下画像は、美容オタク・ミーハー・マス層に分けて出した細かいデータです。
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横がターゲット毎、縦が年代毎になっています。年代毎と美容オタク・ミーハー・マス層でパーセンテージがかなり違うことが分かる面白いデータだと思います。
美容オタク・ミーハー・マス層それぞれの詳細をお伝えします。
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まず、美容オタクの詳細は、
美容オタクはどこのプラットフォームに一番居るのかというと、Twitterに居ることが多いです。美容オタクはコスメなどのレビューをとても細かくしてくれていたり、とにかく新作の情報が好きだったりもします。
Twitterで情報収集した後にInstagramに行き、その後にYouTubeに行くというような流れで、順番を踏んでいく人も多いです。
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実際にTwitter上の美容コミュニティは美容オタクならではの文化があります。
目元のアップ画像や詳細のスウォッチ(色味を見せていくもの)が当たり前の世界です。こういった画像を投稿することで、私も欲しい!いいと思ってた!など手軽に会話ができるのもTwitterならではの文化だと思います。
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MimiTVの会員は濃度の濃い美容オタクが集まっており、上記の画像のようにTwitterの情報はマストでチェックしている人も多いです。
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次に、ミーハーの詳細です。
ミーハーはトレンドが好きな人です。例えば、服も食事も美容もアイドルも好きなど様々なものと一緒に美容も楽しんでいます。
ミーハーが情報を最初に引っ張ってくるプラットフォームはInstagramで、流行っている投稿からチェックする人が多いです。
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最後に、マス層の詳細です。
だいたい人口の半分くらいがマス層なので、店頭POSを取っていくとなると、この層の攻略はとても重要になってきます。
後ほど紹介するのですが、マス層の商品となると、マス層に向けたプランニングをすればいいとなってしまいがちなのですが、実はそれは違います。
マス層の人たちは、失敗したくない、みんなが使っているものを使いたいと思うので、マスの人たちが参考にするのはミーハーの情報、ミーハーの人たちが参考にするのは美容オタクの情報です。なので、マス層に落としていくためには上から攻略することがとても大切です。
美容の関連行動に関しても、10%以下なので、全てにおいて美容にあまり興味がない人たちと思ってもらえるといいです。
そのため、どの順番で情報を当てていくかが大事な視点になってきます。
③ 認知メディア&購買参考メディア
以下画像は、SNSでバズって売れたと言われている商品を並べています。
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この商品たちの認知の経路はどこか?を表した以下画像ではInstagramが一番多い結果になっており、やはり受け身のプラットフォームであることがわかります。Instagramは勝手に欲しい情報が流れてくるプラットフォームの特性であることも要因です。
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一方で画像内の下段の購買参考メディアとなると、TwitterがInstagramを越しています。買い物の参考にするとなると、濃度の濃い情報を参考にしている人も多いので、流行っている商品というのは、Instagramで知りTwitterで情報を調べていくという流れが一般的です。
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全てのメディアで満遍なく投資をするプランニングもあるかと思いますが、まず初めに重点的に行うべきなのは、Instagram×Twitterの投資です。それは、そもそもそのSNSを使用しているパイが大きいということと、購買転換率が高いということが一番の理由です。
④ バズコスメ×イノベーター理論
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MimiTVでは美容版イノベーター理論を軸にプランニングをしています。
以下画像では、Twitter・Instagram・TikTok・YouTubeとあるのですが、まずはどこから超えていこうかと考えた時に、Twitterの美容オタクの熱量の高い人を攻略していく、この人たちの認知を取っていくことがとても重要です。
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美容オタク・ミーハー・マス層に当てはめると、以下画像のように縦軸になっています。
マス層で火をつけよう、発売の際にマス層の攻略やります、となると、発売時の施策に画像内のグレーの範囲しかしていない、というのがあるあるです。
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まとめ
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・ユーザーは何を見ている?→Instagram・Twitter・YouTubeで情報を収集している
・美容感度別の行動の違いは?→美容オタクは最新情報がとても好きでTwitter重視、ミーハーは人気感が大事でInstagram重視、マス層は受け身ですがInstagramでの情報を活用
認知メディア & 購買参考メディア、バズコスメ×イノベーター理論についてはここから詳しく説明していきます。
◼︎ 店頭POSが動くとき、SNSで起こっていること
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プランニング設計をどう最適化すればいいのか分からない!というご相談をいただくことがすごく多いので、本内容をご覧になり「戦略・方針・KPI・施策」のプロモーションを一貫して設計できるようになることで、SNSで商品が売れていくという未来を目指していければと思っています。
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理想的な店頭POSの動き、バズコスメの共通項、Twitter × インスタグラムの設計事例をお伝えしていきます。
① 理想的な店頭POSの動きを知る
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以下画像中のグラフのなかで店頭販売における理想的なPOSの動きはどれが理想か分かりますでしょうか。
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正解は事象の2です。初速が出て長く売れていくことです。
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このPOSの動きの時、SNSでは何が起きていることが多いのかをご説明します。
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上記画像のような状態のPOSを作っていく時、Twitterの美容オタクが注目した後にInstagramで連鎖が起きていることがとても多く、この掛け算が大事です。流行っている化粧品はInstagramで勝手にバズっていったと言われることが多いのですが、蓋を開けてみるとそのかなり前にTwitterで発話されていることがほとんどです。
TikTok売れにも共通しているのですが、TikTokで流行ったものはInstagramで紹介されていて、Instagramの前にTwitterで紹介されているというように、実は美容に詳しい人からすると、元々もう流行っているよねという感覚で流行っている商品を見ていることもあります。
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逆に、失速POSはどうなっているのかというと、発売前の施策をしていない、発売後の施策もしていない、ここが抜け穴になっていることがとても多いです。
発売のタイミングだけ施策をたくさんしたけれど、なぜか広がらなかった、全施策一斉放出やキャスティングだけ重視していることも多いです。
② バズコスメの共通項
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ここからは、バズコスメの共通項を見ていければと思うのですが、そもそもバズって売れた化粧品から学べることはたくさんあります。
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MimiTVでも200以上化粧品の売っていく流れを研究していて、そこから導かれる共通点を洗い出しました。
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一つ目は、網羅性です。プラットフォームの網羅で、TwitterやInstagramなど、他のSNSに連鎖をしているということ。
二つ目は、継続性です。話題の〇〇として継続的におすすめされて、購入報告が発生している状態。
三つ目は、ヒト軸×モノ軸UGCです。このモノがいい×私のおすすめの両軸の文脈。モノの詳しい発話とインフルエンサーなどによる、私これ好き!という軸ができている状態です。
つまり第三者がおすすめしているという「好感認知」が育っている状態です。
では、好感認知が育つと、なぜ店頭POSが動くのか?
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SNSで複数回の情報接触により”なんかよさそう”という好感認知を得ていることが理想になるのです。ここがただの認知だけだと、自分に合っているかどうかや、この商品がどういいのか分からない状態です。
今までは、商品の認知が広がると売れていましたが、より深い認知を取っていくことが重要なので、買う前に好感認知を刷り込んでおく必要があります。
実際に私たちが見ているデータでいうと、お店に行く前に7割の方が、SNSを見て、これを買おう!と決めているという情報があります。どれだけSNSが重要なのかが数値で出てきています。
どういう発話が理想かというと、UGCの2大文脈です。
一つは、モノ軸のUGC。これは、美容オタクが主に発話をしてくれて、可愛い・注目している・機能性が〜、などです。モノ軸のUGCをフォロー&リツイートのキャンペーンでやっていきたいと言われることが多いのですが、それで出てくる投稿やリツイートは、あまりモノ軸のUGCとは言えないものも多く、ここを得意としているのは美容オタクです。
もう一つは、ヒト軸のUGC。主にインフルエンサーが、私のおすすめとして発話をしています。その人を好きな人たちが興味を持ってくれるような軸です。
③ Twitter × インスタグラムの設計事例
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例えば、9月にシャンプーが発売になるとなった時に、初速が出て長く売れるにはどうプランニングしたらいいと思いますか?
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まずは、大枠を捉えていきたいと思っています。戦略としては、TwitterとInstagramの重点投資です。
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バズって売れたコスメのデータを見る限り、その2つに投資していくのがいいと思います。
目標としては、Twitterの美容オタクが注目した後に、Instagramで話題連鎖していくことです。
以下画像内、実際のプランニングで増えたのは、KPIと施策の欄です。
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MimiTVとしてのKPIは、バズった化粧品をマネするにはどれくらいのリーチが必要か、どれくらいのクチコミが必要かから算出しています。
例えばクチコミだと、InstagramとTwitterで100件ずつ、リーチ数は発売のタイミングで最低ラインでクチコミだけで500~1000万リーチ欲しいです。
発売後は、クチコミだけのリーチで1000~2000万リーチ程度は設計して欲しいです。
これは、インフルエンサーの軸とは別で考えていただきたいです。
施策でいうと、モノ軸とヒト軸を分けていくのですが、まずはギフティングやインフルエンサーのPR投稿というかたちで、発売前の施策をしていきます。その後、UGCの広告の活用もしていきます。
以下画像は、縦軸でご覧ください。
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発売前は、例えばモノ軸だと、理解を深めるイベントを開催したり、美容家や専門家のPRを入れていったりもします。
そして、発売のタイミングはインフルエンサーのPR、YouTubeやTikTok。そこで意識したいのが、作ったUGCを拡散していくことです。今までのプランニングだと口コミやタイアップコンテンツを作ることで終わってしまうことが非常に多いです。そうすると、化粧品や美容に興味がある人には届いていきますが、商品名やブランド名を知らない、そもそも新作をたくさん買う層ではない人には全く届いていません。なので、ここのクチコミを、みんなが見ている面に出していくことが重要です。
そのため、広告配信も担保していって、トータルのクチコミリーチ数を1500万imp以上をAD配信で担保していきたいです。
フェーズで分けると以下画像のようになります。
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Point
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点で考えるのではなく、発売前後がしっかりと線になっているかということもすごく重要です。
モノ軸とヒト軸、どれくらい予算がかかるかというと、おおよそ以下画像に記載されているくらいの額がかかってくると思います。
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まとめ
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私たちが思っているほど、一般の生活者の人は、化粧品を見よう!というマインドでSNSを見ている訳ではありません。なので、多くの人が見ている面に自動的に出していくこともとても大事な視点になってきます。
ぜひこの視点を忘れずプランニングの参考になれば幸いです。
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