投資信託を自分の目でチェック!目論見書を読める人になろう
投資信託の商品パンフレット「目論見書」を読むポイントについて、FP2級資格を持つアラサー女子がざっくりと解説します。
新NISA開始までに知っておきたい目論見書
2024年から新NISAがスタートします。
これまでつみたてNISAをしていた人は、商品の見直しやもう少し踏み込んだ投資を考えているのではないでしょうか。
新NISA開始から投資にチャレンジしようと考えている人は、「とはいえ何を買うべきか…」と悩んでいるかもしれません。
投資やお金関係のYouTubeやWEBサイトでは、非常にわかりやすく銘柄の特徴が紹介されており(私もいつもお世話になっています)、YouTube等を参考に購入商品を絞り込むことはとても効率的かつ合理的です。
しかし、購入の前に一度見てほしいものがあります。
それがこの記事のテーマの「目論見書(もくろみしょ)」です。
私自身、「目論見書ってなんか難しそうだし、まあ読まなくてもいいか」と思っていました。
しかし、読んでみると案外シンプルで、決まった型があるため1度コツがわかってしまうと非常にわかりやすいものでした。
新NISA開始に向けた準備として、初心者の方にも目論見書の読み方をマスターしてもらえるようご説明します。
目論見書とは?家電に例えるなら商品パンフレット
目論見書とは、投資信託等の金融商品に関する公式の説明書で、投資信託を運用する会社が作成しているものです。
家電に例えるならば、メーカーのHPや家電量販店に置いてある商品パンフレットに当たります。
10万程度の家電を購入するときでさえ、メーカーのHPやパンフレットを確認します。
まして、数十万から数百万のお金をかけて購入していく金融商品です。
詳しい人がわかりやすくまとめてくれた情報を入り口にしながらも、購入前には自分自身で商品のスペックを確かめることが大切ではないでしょうか。
目論見書は、「(購入を検討している投資信託の名前) 目論見書」と検索すると、簡単に閲覧することができます。
保有している投資信託や購入予定の投資信託の目論見書を一度検索してみましょう。
確認すべき目論見書の4つのポイント
名前からしていかにも小難しそうな目論見書ですが、確認すべきはこれから説明する4つのポイントのみです。
いったいどんな目論見によって作られた投資信託であるのか(というと大げさですが)、この4点を意識しながら確認していきましょう。
ポイント①ファンドの目的・特色|どこの国の何に投資するのか
まず初めに「ファンドの目的・特色」といった章で確認すべきは下記3点です。
l どこの国に投資するのか
日本、米国、先進国、新興国、全世界など
l 何に投資するのか
株式、債券、不動産、金(ゴールド)など
l 市場に連動するのか
インデックスファンドなのか、アクティブファンドなのか
※インデックスは市場の動きに連動、アクティブは市場平均より良い成績を目指す
(しかし実際のところ、アクティブファンドは手数料が高く、長期的にはインデックスに負けてしまう確率が高いため、初心者はインデックスにすべしと思っています)
自分が今後の成長に期待している国であるか、投資ジャンルであるかを確認しましょう。
ポイント②投資のリスク|商品の価格変動や価値がなくなるリスクを知る
2つ目のポイントは「投資のリスク」に関する項目です。
元本保証ではないことをしっかり知っておいてください、という大切なアナウンスがありますが、リスクについては似たり寄ったりな部分もあり、私はさらっと読み飛ばしています。
l 価格変動リスク
投資信託に含まれる株式の価格が上下する
l 為替変動リスク
円高円安により商品価格が上下する
l 信用リスク
投資信託に含まれる株式の財務悪化により価格の下落や倒産が起きる
l 流動性リスク
投資信託の需給バランスにより取引が難しくなる、不利になる
l カントリーリスク
クーデターや政治体制の変更により上記4つのリスクが大きくなる
株式の投資信託ではどの商品も上記のようなリスクが存在しますが、為替変動リスクを回避できる商品や、新興国の投資がないためカントリーリスクが小さい商品といった違いがあります。
ポイント③運用実績|資産の状態を確認
投資信託の購入・販売価格である「基準価格」と、どれくらい人々から投資されているかを示す「純資産」を確認できます。
長期的に見て基準価格・純資産ともに右肩上がりであるかチェックしましょう。
l 基準価格
純資産÷口数で算出される価格で、購入時よりも上昇すると利益が出る
1口(もしくは1万口)あたりいくらであるか、1日1回算出される
l 純資産
商品の規模を示す
右肩上がりなら人気があり増えている証拠で安心できる
ポイント④手続・手数料等|購入や保有にかかる費用を把握する
最後に、商品決定において非常に大切な情報である費用についてです。
投資信託には主に以下3つの手数料があります。
l 購入時手数料
商品購入時にかかる費用
かからない商品も多い
手数料不要のノーロードと呼ばれる商品がおすすめ
l 信託財産留保額
投資信託解約時に支払う費用
かからない商品も多い
l 運用管理費用(信託報酬)
保有に際して年間でかかる費用
低ければ低いほど良い
低いものでは0.1%を切る商品もあり、
0.1~0.6%程度に抑えたい
1%を超えるものは相当の理由がない限りおすすめしない
投資が当たり前の時代に目論見書を読む力は必須
私がNISAを始めた2年前と比べても、インターネット上において投資に関する情報発信は増え、わかりやすい解説とともに勉強できる環境が整っていていると感じます。
それらをしっかり活用することで得られるものは非常に大きいです。
ただ、それに加え、投資信託の運用会社が提供する一次情報を読む力をつけることで、自分の選んだ商品に納得感を持てるのではないでしょうか。
なんといっても数十~数百万をつぎ込む買い物です。
YouTube等を見て気になった商品があったら、ぜひ「商品名 目論見書」で検索してみてください。
この記事が参考になりましたら「スキ」をいただけると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。