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顎変形症の治療を始めるまで—同じ悩みを抱えるあなたへ

こんにちは、Mimiと申します。

noteを読んでくださりありがとうございます。私は2024年4月に顎変形症の両顎手術を受けた20代女です。X(旧Twitter)に手術のBefore After画像を投稿したところ 10万ものいいねがつき(!)、多くの方から反応やDMを頂戴しました。

この体験を踏まえて、同じ悩みを持つ方の助けに少しでもなればと思い、今回noteを始めてみました。

今回は第一弾ということで(第二弾があるのかはさておき)、「顎変形症について知らない方」や「初診を考えている方」に向けて、知っておくと良いなと思う内容をざっくりまとめました。

私自身に医療知識は全くなく、あくまで「患者・20代女」の体験談です。

ぜひ、最後までお付き合いいただければ嬉しいです。


顎変形症とは?

まず初めに顎変形症とは、上下の顎(あご)の位置や形が正常な範囲から外れ、噛み合わせや顔のバランスに影響を及ぼす症状です。

主に、受け口(下顎前突)、出っ歯(上顎前突)、開咬(前歯が閉じない)などのタイプがあり、見た目だけでなく、発音や食事がしにくいといった機能面の問題も引き起こします。

治療には、矯正治療と外科手術(骨切り手術)を組み合わせる方法が一般的で、保険適用が認められています。


顎変形症となる噛み合わせの例

以下は顎変形症と診断される噛み合わせの例です。どれか一つでも当てはまる方は、顎変形症の可能性があります。

  • 上下の歯を閉じても隙間が空いている「開咬」

    • 顔の見た目に左右差がある「左右非対称」

      • 下顎が前に出ている、または後ろに引っ込んでいる「下顎前突」「下顎後退」

        • 上の歯が大きく前に出ている「上顎前突」

          • 中顔面が陥没している「上顎後退」

            上下の歯が噛み合っていない、ズレているなどで口元に違和感やトラブルがある場合や、「しゃくれ」「ゴボ口」「あごなし」「中顔面陥没」などと表現される顔の特徴を持つ場合も、実は顎変形症に該当するかもしれません。

            これらは単なる個性や遺伝と思われがちですが、実際には治療が可能な場合があります。

            ただし、これらに当てはまったからといって、必ず顎変形症であるという訳ではありません。

            軽度では診断が降りない場合もありますし、そもそも適応ではない場合、通常の歯列矯正で治る場合など様々な可能性があります。

            顎変形症は病院で精密検査を行い、骨格由来、噛み合わせ由来と判断された場合に診断がおりますので、気になる方は一度精密検査を受けてみてください。

            ちなみに私は「下顎前突・上顎後退」と診断されました。


            顎変形症が引き起こす悪影響

            顎変形症は、見た目だけでなく以下のような機能的な問題を引き起こすことがあります。放置していると長期的に健康が悪化する可能性があり、治療が推奨されています。

            • 噛み合わせの不具合

              • 食べ物をしっかり噛めない、飲み込みにくいといった問題が生じることがあります。また、自然に口を閉じたり、鼻呼吸をすることができない場合も同様です。

            • 発音への影響

              • 「さ行」や「た行」の発音がしづらい、話し方が不明瞭になることがあります。

            • 顎関節症のリスク

              • 顎の骨格の不均衡が原因で、顎関節症(顎の痛みや口が開きにくくなる症状)を引き起こすこともあります。

            • 睡眠の質の悪さ

              • 鼻呼吸ができないことによる眠りの浅さ、睡眠時の呼吸減少などは、かみ合わせを直すことで改善する場合があります。

            • 心理的な影響

              • 顎変形症による見た目のコンプレックスから、自信を失ったり、対人関係に消極的になる人も少なくありません。

            私の場合、これらが全て当てはまっていました。
            また、他にも顎変形症由来の悪影響として、ストレートネック、肩や首の凝り、巻き肩、口呼吸による唇の乾燥、原因不明の倦怠感、無気力、消化不良、疲れやすさなどがあり、これらも全部あてはまっていました。(笑)


            顎変形症治療して改善した点

            先ほど述べた悪影響について、術後はなんとほぼすべて改善されました。
            治療前はそれらの症状が顎変形症由来であるとすら気が付いていませんでしたが、手術後に格段に改善され、大変感動しました。体力や睡眠の質も明らかに向上し、全体的なHPが底上げされたような感覚です。体は全て繋がっていると身をもって体感しました。。

            あと、何よりメンタル面。容姿で病むことがなくなり精神衛生が宜しすぎる。

            以下に一つずつ術後の感想を書いてみます。(個人の感想です)

            • 噛み合わせの不具合

              • 明らかに噛みやすくなりました。術前矯正中は奥歯しか噛み合っていなかったので、普通の歯列だとこんなに噛めるのか!と感動しました。

            • 発音への影響

              • 仲のいい友人から、「前の舌っ足らずな感じもかわいかったけど、滑舌良くなったね~!」といわれたので、改善されたのだと思います。サ行もタ行も元から言えたのですが、舌と上顎の距離が適切になり、よりはっきり発音できるようになった気がします。

            • 顎関節症のリスク

              • 術前矯正終盤は、右に顎をずらして「ポキッ」と関節を鳴らさないと顎関節に鈍痛未満の不快感が走り困っていました。しかし、術後はそのような不快感は消え、顎関節を鳴らさなくても良くなりました。顎関節に違和感のない生活、想像以上に素晴らしいです。ただ、術後に顎関節トラブルが発生する例もあるそうなので、個人差はあると思います。(混同されやすいですが、顎変形症と顎関節症は別の病気です)

            • 睡眠の質の悪さ

              • 術前は寝起き直後にどっと疲れ、覚醒しても数十分は起き上がることができませんでした。そんな生活が十数年、、おそらく睡眠時の呼吸が浅く、脳に酸素が回っていなかった、、術後は睡眠の質が向上したと感じます。ただ、寝起きの悪さは生まれつきのようです(笑)

            • 心理的な影響

              • 手術前日まで、自分のことを「世界で一番のブス」だと心の底から思っていました。24h365日顔へのコンプレックスがあり、「醜形恐怖症じゃなくて本当にブスなだけ」が心の中の口癖。ブスだと悩んでいることも知られるのが恥ずかしいと思っていました。が!術後は自分の顔が好きになれたので、そのような胸のつかえが完全に取れました。さらに今、ブスすぎて死にたいと思っていたはずの術前の写真を見ても、「世界一ブスだな」とは思わなくなりました。だから、「醜形恐怖症じゃなくて本当にブスなだけ(定期)」というのは、本当は違ったのかも。ただ一つ言えるのは、コンプレックスが解消されないと、この呪いは解けないということ、呪いが解けた世界はとても素晴らしく楽しいこと。

            私の場合は、心にも体にもいい影響がありました。


            治療に関する費用について

            多くの人が気になるのは費用のことかと思います。

            私も、顎変形症を知る前は、矯正と骨切り手術に合計で数百万円の資金が必要だと思い込んでいました。

            しかし、顎変形症は国が認める保険適用の治療で、多くの方は3割負担で治療が受けられます。

            さらに、高額療養費制度限度額適用認定証(詳しくは別記事で説明予定)を活用することで、負担額を大幅に軽減できます。

            例えば私の場合、手術+12日間の入院で実際に支払った額は7万1000円 でした。

            明細を見ると手術と入院費用の合計は100万円を超えていましたが、

            • 国民健康保険の3割負担で数十万円に、

            • さらに高額療養費制度と限度額適用認定証を利用してこの金額になりました。

            さらに、私の場合は会社の健康組合から保険金が下ったため、最終的な自己負担は最終的に 2万円 となりました。

            想定していた数百万円が、結果的に数万円に抑えられたのです。(1/100の値段。。!)

            実際には月々の調整費用や精密検査代、薬代など都度支払いが発生するため、顎変形症にかかる費用総額は40~60万円程といわれています。

            治療期間が数年単位と長いので、私も総額ではこのくらいになりそうです。

            しかし、数十万円をドカッと支払う機会はなく、都度払いの積み重ねでこの金額になるという認識です。

            また、初診前に任意の医療保険に加入しておくと、入院や手術費用に応じた保険金が受け取れ、結果的に手術をしてもプラスになることがあります。

            私は加入していませんでしたが、まだ初診前の方には、医療保険への加入をおすすめします。(こちらも詳しくは別記事でご紹介します。多分。)

            日本の医療制度の手厚さをこれほど実感したことはありません。税金の負担を感じることもありますが、社会保険料に関しては感謝の気持ちを持って納めようと思える経験でした。


            顎変形症の治療手順

            顎変形症は、医療行為として認められているため、保険適用で治療を行うことができます。その代わり、具体的な治療プロセスが定まっています。
            治療の流れは以下です。

            • 顎変形症の治療手順

              1. 術前矯正(約2年):術前矯正を1~3年行い、歯列を整える。わざと噛み合わせが悪くなるようにするため、容姿や顎機能が悪化する可能性も。

              2. 外科手術(入院約2週間):上下片方、もしくは両方の顎の骨を切り、正しい位置に固定。手術は全身麻酔下で行われ、入院期間は約2週間。

              3. 術後矯正(約1年):ダウンタイム後、術後矯正を半年~2年行う。同時に、術後半年~2年のタイミングで手術時に埋め込んだ顎間プレートの除去手術も行う人が多い。その後はリテーナー生活となる。

            • 美容整形の場合(参考)

              1. 事前準備(数か月):カウンセリングや情報収集を行い病院を選ぶ。手術内容や手術日を決める。

              2. 手術(入院約3日~1週間):手術内容は顎変形症とほぼ同じ。ただし、美容整形の場合の方入院期間が短い場合が多い。

            このように、保険適用の場合は診断後すぐに手術を行うことはできません。

            非常に長い期間治療が必要なので、ある程度気長に治療にあたりましょう。


            「治療は無理」と諦める前に

            私が治療を始めてから情報収集をする中で、同じ悩みを抱えている人がこんなにも沢山いるんだと気づかされました。

            「一生この顔で生きるしかない」「美容整形なんて高くて無理」と諦めてしまう前に、顎変形症の可能性を考えてみてください。

            この記事を通じて、少しでも顎変形症について知ってもらえたら嬉しいです。

            特に術前矯正中は、容姿がさらに悪くなり、メンタル的にも辛い時期があります。

            同じような経験をしている人がいると分かったことで、私自身も勇気づけられました。

            過酷なプロセスが伴うため、この治療は誰にでもお勧めできるものではありませんが、覚悟をもって取り組めば必ず乗り越えられる治療だと思います。

            個人の感想としては、「人生が変わる」どころではないくらい可能性が開けた感覚があります。

            顎変形症は、治療法があるだけでなく、治療を経て生活の質を大きく向上させる可能性がある症状です。適応と思った方はぜひ一歩踏み出してみてください。


            治療を考えている方へ

            私自身が結果に満足しているため、いいところばかり述べてしまいましたが、この治療を検討している方は必ずデメリットについても徹底的に調べてください。

            デメリットについては、調べすぎて損ということは絶対にありません。それでもやりたいと思えたら、ぜひ病院を受診してみてください。

            私はまず近所の歯医者さんに相談しました。そこで紹介状を書いてもらい、都内の病院で治療を始めました。何も分からない場合、まずは近場で相談してみるのも良いと思います。

            ただし、可能であれば病院選びもきちんと検討してほしい。。

            私はたまたま結果に満足していますが、どの先生がやっても同じ結果になる治療ではないなと個人的に思います。

            • 正確な情報は、病院の公式ホームページ

            • 体験談や口コミは、Xやオープンチャット

            で調べるのが個人的にはおすすめです。ただし決断は本当に慎重に!破格で骨を切れるからと言って、適応でない場合に無理やりやるのはお勧めしません!美容整形に興味がある方は、はじめから自費でやった方が絶対に良いです。

            「顎変形症」は不自然な顎の位置をを自然な位置に戻す手術なので、必ずしも容姿が今より良くなるわけではありません。


            最後に

            ここまで読んでくださりありがとうございました。

            この記事を読んで少しでも内容に興味を持った方は、ぜひ「顎変形症」というキーワードで検索してみてください。治療を検討している方はもちろん、顎変形症とは全く無縁の方にも、こんな治療があるんだと知っていただけたら嬉しいです。

            もし知りたいトピックや疑問があれば、ぜひコメントやXのDMなどで教えてください。

            皆さんの声を参考に、より役立つ体験談を発信していきたいと思っています。(第二弾がもしあれば。。)

            この記事が情報を集める第一歩になれば幸いです。最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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            Mimi
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