ささやか物語③サッカーの試合と人生とアラフォー結婚
こんにちわ。ミミです。
こないだミミの家の近所の喫茶店で仕事をしていた時のささやか物語。
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田舎の国道沿いに急にポンっとある、レトロと大盛りが売りの喫茶店。
その雰囲気と立地からか、近所のおじさん、おばさん、主婦。そしてリモートワークのサラリーマンらしき人でいつも賑わっている。
外はバケツをひっくり返した雨が降ったかと思うと、嘘のように晴れたり、また降ったりを繰り返している。
ミミもお昼と軽い仕事と雨宿りがてら入店。アイスコーヒーとランチセットを注文した。食事が届くまでの間、少しメールチェックなどをする
隣にはおじさん3人組グループ。
斜め向かいにはテストでも控えてるのか、黙々と勉強中の大学生。
ふと仲良しおじさん3人組の会話が耳に入ってきた。。
「人生はサッカーの試合みたいなもんでさ、
途中休憩して、あと10分しか無いっなぁってなって、
慌てるんだよなぁ。
残り10分ゴール決められるかみたいな。
俺ら今 残り10分みたいなもんだよなぁ」
と。
ほう。なるほど。
人生とサッカーの試合かぁ。
とちょうど届いたサンドウィッチを食べながら、
<自分はサッカーの試合のどれくらいなんだろ?>
と考える。
結婚する前は、結婚する前が前半戦でトントン拍子に子供でも出来て後半戦に突入!なんて気がしていたが。。
今サンドウィッチを頬張りながら思うのは
前半戦後半、もう体力もしんどくなってきて、ゴールも決めたいが…ディフェンスも気を抜いたらやられそう。
子供できたら前半終了?それとも仕事?子供欲しいけど子供作るのこんな難しいと思わなかったぞ神!
前半戦クライマックス!試合を止めるにもやめられない。終わりが見えない!
後半戦はいったい…いつくるんだろうか。その前に休憩とは‥
そして人生の前半戦に何を残せるんだろうか。
なんて思考をぐるぐるしながら考えていた。
ふと、昔、アパレル販売員をしていた頃の店長を思い出した。
その頃私は20代前半(前半戦の真っ只中)で、店長は確か37歳くらいだったかと思う。なかなか厳しい店長で、モードな佇まいと顧客力とセンスで実に「かっこいい女」だった。
店長をプラダを着た悪魔のメリル・ストリープのような女帝に思っていた。恋愛よりも仕事。ミスは許さない。完璧。隙のない女。
まだまだ若い私はアンハサウェイよろしく 反抗的だったり、泣いたり、悔しんだり…なかなか面倒くさい新人だったと思う。
そんな私は転職して、全く別の職についた。
転職してしばらくした時に
ふいに店長と再会したことがあった。確か5年ぶりくらいに。
久々に会った店長は魔女なのかってくらい見た目変わらず…かっこいいアラフォーになっていた。
そんな魔女が
「私結婚したの」
と言った、あまりの意外さとあっさりさに絶句した私
「何?そのリアクション。私だってこの歳で結婚なんて思わなかったよ。
とゆうか、私が結婚だなんて笑えるでしょ!」
と大口開けて笑った。
こんなにも清々しく自分の結婚を笑う女の人を初めて見た。
店長にとって試合は今どの位なのかは分からないが、きっと予想外の出来事ではあったんだと思う。
思いがけずゴール決めた(決められた?)みたいな。
人生がサッカーの試合だったとしたら…
最後の笛が鳴る時まで、どんな試合展開になるかは誰にも分からないけど。
後半10分で友達3人でコーヒーを飲んで笑う
前半戦ラストあたりのまさかの展開を大口開けて笑う
ような過ごし方をしたいなと思った。
ちょうどコーヒーも飲み終えて。次に向かう。私。
今日も日本の片隅で
それぞれの試合が
ささやかな物語が
繰り広げられているなぁと。
田舎の喫茶店がかっこいいサッカー選手達の集まりに見えた。
そして、3人のおじさん(後半戦選手)への感謝と共に店をでた。
ちょうど晴れ間がさしてきた。