思考と伴走してくれた本
『予測不能の時代』/矢野和男を昨年読んで、振り返ってみると、結果的に1年間ずっと、思考の根幹でいつも伴走してくれて、改めてこれを読んで良かったなと感じた。
データ分析は、過去の出来事の検証でしかなく、未来予測するものではない。
p.176
孤立とは、人との接点がないことではない。人が孤立を最も感じるのはむしろ人と一緒にいるとき。一緒にいるのに、自分に関心を持たれず、応援されず、信頼されず、元気を奪われるよつな反応ばかり受けることによって、我々は孤立を感じる。
孤立した人が多い日には、孤立してない人のパフォーマンスも低下する。
p.264
幸せとは、状態ではなく行為である。
勝海舟や陸奥宗光なども「幸福」を目指して、船の名前や主著の名前に込めていた。(p.267)
読みながら100回以上、頷いてた。
最近読んだ下北沢のまちづくりについてまとめられた良書『コミュニティシップ』の中で掲載されていた矢野和男さんの章を読み、原著にあたりたくて読み始めたら感動しかなかった。
表紙やタイトルを見るとお堅いバリバリデータ分析の本だと思われがちだが、むしろ
①データに頼りすぎてはいけないこと
②データと向き合う姿勢
③評価指標の考え方
が体系的に整理されてた。
今や、まちづくりや社会実験でデータの抽出と分析が求められる。
一方で、なんでまちづくりや社会実験をやり、なんでデータ分析するんだっけというところが抜けてしまう。
本書のゴールは、「そこに住む人の幸福感」
幸福度や幸せと聞くとむず痒く、ひいては宗教学的な雰囲気が出て、抽象化してしまいがちだが、そこをデータと指標で向き合ってるのが面白かった。
まちづくりに関わる方とみんなで読んでおきたい本なので、ぜひ!