僕は昔本屋だったし、図書館だった。
先日、とある方の代読をひき受けた。
誰かのために本を読み、説明するのはなんだか新鮮だった。
振り返るとそれは、息子のために絵本を読むみたいだった。
また、高校の時に同じクラスの本好きな友達と読んだ本を貸し借りして作品について話すのと似ていたし、大学のゼミで輪読するときみたいだった。
そんなことを思い出したのも、『本が語ること、語らせること』/青木海青子を読んだからかもしれない。
本を介して、それを話題にして人と話した過去の記憶を思い出した。
そんなことは最近、めっきり減った。
唯一あるのは、息子に絵本を読んであげて、何回も「もう1回読んで」と言われて、しょうがないなと言いながら嬉しく音読している。
本が好きか、嫌いかは個人の自由だけれど、本が自分を(あなたを)助けてくれたり、慰めてくれることがあることだけは知っていてほしい。
そう思った。
そして、このように見事に嬉しく語らされた。