体に刻み込まれた子育て法【子育てナッジ#5】
図らずも、某呪術アニメのようなタイトルになってしまいました。
体に刻み込まれる子育ての経験値
「また、いつものことをやってしまった…」
子どもに対してイライラしている自分に気づいた瞬間、ふと「あれ、私が子どもの時に親がしていたことと同じだ」と思うこと、ないでしょうか?
親から受けた子育てが、気づかないうちに自分の中に染みついていて、いつの間にかそれを無意識に繰り返してしまう。人はどうしても、自分が経験してきたものを正しいと思いがちな機能をもっています。
これは心理学で「ヒューリスティック」と呼ばれるものです。
簡単に言えば、複雑な判断を簡単にするための”思考のショートカット”。過去の経験や知識に頼って意思決定をしてしまうので、親から受け継いだものを「自然に正しいもの」として採用しやすくなるんですね。
自分を否定することの難しさ
私たちは、自分がこれまで受けてきたことを否定するのが苦手です。
特に、親から教わったことは、「間違っていた」と認めるのがとても難しい。それは、私たちが無意識のうちに親を基準にしているからです。「自分がやっていることは間違っていない」と思いたい、その気持ちは誰しもありますよね。
それが、現状維持バイアス(このままでいたいという認知)を生んでいるのです。
だからこそ、新しい育児法やサポートを求めて情報を取りに行こうとしている方は、現実に困り感がある方が多いです。
不登校や発達障がいの子どもたちと向き合う親御さんたちは、自分の知っている方法に違和感を覚え、新しい選択肢を模索されています。
情報を求め、彷徨う親御さんたちの現実
私がこれまでカウンセリングや支援を通じて出会った親御さんたちの多くは、子育てについて知らないどころか、本当に詳しいものでした。
多くの本を読み、インターネットでも最新の育児法を調べて、できる限りの情報を吸収しようとしています。
しかし、その熱意ゆえに、逆に迷子になってしまうことも多いのです。育児書によっては正反対のことが書かれていたり、どれが正しいのかわからなくなることもあるでしょう。
特に、不登校や発達障がいなど、子育てに特別な課題を抱えている親御さんにとっては、その情報の中で一番「自分の子どもに合うもの」を見つけるのは本当に難しいことです。
親が抱える難しさ
ここで思い出していただきたいのは、私たちプロの支援者やカウンセラーは、さまざまなケースに日々向き合いながら、失敗を繰り返しつつも経験を積んでいます。
だからこそ、少しずつ成長していくことができるんです。しかし、親御さんは、自分の子どもという「たった一つのケース」でそれをやらなければなりません。それは本当に大変なことですよね。経験を積む時間や機会が限られているのだから、迷うのも無理はありません。
多様性が重んじられる時代、子育て法まで多様になったのです。
子育てナッジの柔軟性
私がこの子育てナッジをすすめるのは、ひとえに柔軟性があり、かつ、イメージしやすいからです。
なぜ柔軟で、なぜイメージしやすいのか。
それは社会の中にナッジが溶け込んでいるため、
親御さん自身が納得しやすいからです。
意味のわからないものではないからです。
・入り口で高い商品を陳列することで、出口で買う商品が安く感じられる。
・男性トイレの小便器に🎯のシールが貼ってあると何だか狙って用をたしたくなる。
これがもし子育てで、子供の勇気づけに使えるとしたら、ちょっと面白くありませんか?
もちろん子どもを育てるのに必要なのは「マインドだ!」論は賛成です。そりゃそうです。しかし、気づいたのです。
それらは「後になって気づくこと」「誰もが等しく教授しやすいものではないこと」
まずはやってみて、そのうち分かってくることがある。私は本気で日本の幸福度を子育てから変えていくと、密かに熱い闘志を燃やしております。
いいですか。密かにです。
そんなもんです。柔軟にいきましょう。
今日はここまで。ありがとうございました。
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