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学校ナッジ「廊下を歩く文化」の作り方①【行動経済学×生徒指導】

生徒指導の先生からご相談をいただきました

「自分の学級、学年だけでなく、学校全体で廊下を歩けるようにしたいです。ナッジすることはできないですか?」
このようなご質問を偶然立て続けに受けました。
教室を飛び出した学校ナッジ。
実践は来年度になりますが、私も考えてみました。
書籍化などは予定にないので、
今はここにすべてを残しておきたいと思います。
実践しやすいよう、かなり詳細にまとめようと思いますので、
5部作ほどにわけたいと思います。
ぜひ来年度のご参考になればと思います。

「なぜ大人は走らないのか」から考える

学校の永遠の課題「廊下は歩きましょう」
走るのも青春の一つでしょうと言われればそれまでですが、
ここはひとまず、本課題にきちんと向き合っていきましょう。

さて、大人が走らないのはなぜでしょうか。
大人が自然と歩く背景には、
安全意識や社会的なルールが根ざしています。
建物内で縦横無尽に走りまわることが
他人に迷惑をかけてしまう行為であることを
自覚しているからです。

どんなに見たいドラマがあっても、
どんなにお腹が空いていても、
どんなにタバコが吸いたくても、
走ることはあまりないと思います。

つまりこの「概念」を
子どもが共感できるように提供することが
ナッジへの成功への鍵となります。

「廊下を走る」について考える

子どもは悪気があって走っているわけではありません。
走る目的が必ずあります。
・外に早く遊びにいくため
・早く帰るため
・廊下でおいかけっこのようなものをして遊びたいため
・トイレがもれそうなため
・移動が遅れそうなため 

これらの目的に対して
「止まりなさい」「歩きましょう」は、
当然頭に入ってきません。
彼らには彼らの正義があるからです。
しかし、その正義の是非について、
いちいち指導することも困難です。

大抵の場合、指導をすれば子どもは歩きますが、
それは「自分より強いものの強制」が
働いたに過ぎません。

何度も言いますが、
「青春の1ページやんけ。それでいいやんけ」は
否定しません。いいですよね青春。
ただ、言うことを聞かずに
困っている先生方がいるともお聞きします。

恐怖や圧力ではなく、
自分の意志で歩くことを選択するような
意思決定を促すことに
共感をいただける方への提案になります。

学校ナッジ「廊下を歩く文化」のリアル年間計画

①校長への打診【本記事】
②教師による学校全体へのオリエンテーション
③生活安全委員でナッジ組織を発足
④月末に歩行データをフォームで集計
⑤月ごとの委員会で歩行データを解析し、ナッジの調整を図る

①校長への打診


打診する内容は以下の3点です。
1:今年度「廊下を歩く文化」の生成に力を入れたい
2:生徒指導の月目標の一時撤廃(これはどちらでもよいです)
3:月末のフォームアンケートの許可どり

1:今年度「廊下を歩く文化」の生成に力を入れたい
シンプルに、校長に熱意を伝えましょう。
賛同されにくい場合は、
「生徒指導提要」にある自己決定の機会など
ひっぱってきましょう。
強制ではなく、支援の立場で廊下歩行の文化を
作りたいと提案しましょう。

2:生徒指導の月目標の一時撤廃(これはどちらでもよいです)
文化を作ることは簡単ではありません。
「廊下を歩く文化」に注力するためにも
私は飾りだけになっている形骸化した月目標を
一時撤廃してよいかを校長に許可どりします。
完全に紙面から無くすのではなく、
委員会で月目標を提示し、
「守りましょう」というパフォーマンスをやめます。
大きな損失があった場合は、
来年度復活させることを約束します。
(過去撤廃したことがありますが、大きな変化は見られませんでした)

3:月末のフォームアンケートの許可どり
担任の先生方の負担にならぬよう、
とことん簡単にしますが、
月末にフォームアンケートをしていただくので、
校長にも許可をとっておきましょう。

続きは次回の記事で

ぜひスキ・マガジンなどで保存ください。
コメントでの質問・感想ともお待ちしています。

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