子育て崩壊マニュアル【子育てナッジ♯4】
ある家庭のお話
朝6時、目覚ましが鳴り響く。子どもたちはまだ布団の中。私は思わず声をあげてしまう。
「早く起きなさい!」幼い頃、母は毎朝こうやって私を叱って起こしていた。だから、自然と私も同じ言葉が口から出てしまう。子どもたちは渋々起き出すが、どこか不機嫌そう。ふと、何か違うなと感じる瞬間がある。
朝食の時間。長男はゲーム機を手にしながら席についている。「ゲームばかりしてないで、早く食べなさい」と私は言う。返事はない。ただ黙って画面を見つめる息子。
私が子どもの頃には、こんな「ゲームに夢中になる」状況は考えられなかった。私たちが夢中になったのは外遊びだったし、親に叱られる理由はいつも「外から帰ってこない」ことだった。
でも今は、子どもたちが家の中で画面に向かい続ける。これはただの怠け癖なのか、それとも現代特有の何かが関わっているのか。
苛立ちを感じ、私はゲーム機を取り上げる。「何度言わせるの!」その瞬間、リビングに漂う空気が冷たくなる。子どもたちの表情に、かつて自分が母に対して感じていた反発心が重なる。
学校から帰ってきても、長男はゲームに没頭している。「宿題やったの?」と尋ねても、「あとでやるよ」との一言。
結局夜になっても同じ質問を繰り返す。「宿題、終わったの?」そのたびに、「うるさいよ!」とふてくされる長男。あの頃の私も、母に対してこんな風に反抗していたのだろうか?そういえば、最近うまく子供と話せなくなっていることを感じる。
解説パート
私たちが子どもの頃、クレしん、ドラえもん、ありとあらゆるアニメの親たちは厳しく叱ることを「しつけ」として重要視していました。毎朝大きな声で起こされ、言うことを聞かないと叱られるのが当たり前でした。これが悪いというわけではないのです。なぜなら、その結果、私は自立し、きちんとした大人になったと信じています。
しかし、今の時代は違います。ゲームやネットの登場により、子どもたちの世界は大きく変わりました。私たちが子どもの頃にはなかった新しい「遊び」に夢中になり、親の言うことを聞かなくなっているように見えます。これは、私たち親世代にとって、もどかしく感じられる瞬間でしょう。
さらに、体罰や厳しい叱責が当たり前のようにしつけの一環として行われていた昔とは異なり、今ではそのようなアプローチは非難されがちです。厳しすぎれば社会的に批判され、親としてのプレッシャーも増しています。
何度もいいますが、これらの変化は決して「昔のやり方が悪かった」ということを意味しません。単に時代が変わり、価値観も変化したのです。今は、ゲームやネットという新しい要素を取り入れた子育てが求められている。
多様性が重視され、子どもたちの個性を尊重しながらどう成長をサポートしていくか、私たち親も新しい選択肢を模索する時期に来ています。
「子育てナッジ」はまさにその解となりうる方法の一つだと、私は確信しています。
今日はここまで。
ありがとうございました。
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