きのぴー先生
ナッジ、SFAの考えを取り入れた子育てを発信しています
行動経済学を学んだ私が、生徒指導への転用を提案をするシリーズ。「人間は不合理な生き物であるという認識を出発点とし、一種の恵みへと変換する」視点で理論から実践まで幅広く紹介します。
長髪の個人的な考えです。適当にお読みください。
行動経済学を学んだ私が、授業への転用を提案をするシリーズ。「人間は不合理な生き物であるという認識を出発点とし、一種の恵みへと変換する」視点で理論から実践まで幅広く紹介します。
ある家庭のお話朝6時、目覚ましが鳴り響く。子どもたちはまだ布団の中。私は思わず声をあげてしまう。 「早く起きなさい!」幼い頃、母は毎朝こうやって私を叱って起こし…
ナッジってなに?「ナッジ」という言葉、何だか小難しい印象をもちます。 でも、実はこれ、私たちの日常生活の中で無意識に使っているものなんです。たとえば、スーパーで…
なぜ子育てに悩む家庭が増えているのかどうしてこんなに子育てに悩む家庭が増えているのでしょうか?その理由は、インターネットにあります。いや、正確に言えば、インター…
前書き 子育ての中で、どんなに「ほめ方」や「声かけ」に工夫を凝らしても、思うような成果が続かないと悩んだことはありませんか?私も、子どもたちに良い影響を与えよう…
大声で注意するのはもう終わりお出かけをした時に、 「こら!戻ってきなさい!」「なんでそういうことするのー!?」 と叫ぶ親御さんをよく目にします。 私も何度心の中で…
「叱らない子育て」という流行「叱らない子育て」という言葉が数年前に流行しました。メディアの浅い情報が垂れ流されたことで、迷える親御さんたちは額面通り「叱らない方…
こんにちは。 今回の記事では、普段なかなか詳細にナッジ理論を解説できないので、詳しくご紹介していきたいと思います。 今回は、私がよく使うナッジ【デフォルト】につ…
授業ナッジへの不安 授業ナッジは「1つの観と5つの手立て」で構成されます。 基本的に、勉強を強いることはありません。 ナッジは、個人の行動・選択の自由を阻害せず、…
授業を受けない子、なんとかしたい授業を受けない子には、いろいろなパターンがあると思います。自分の世界に入ってしまう子、学力が低くやりたがらない子、やろうとするけ…
そうじ指導を通して考える教師像そうじを静かに集中してできる学級は良いクラス? 「給食を完食できるクラスは良いクラスである」と同様に「そうじを静かに集中してできる…
新学期に頭を悩ます、そうじ当番の掲示物新学期が始まる直前の4月、我々教師はできるだけ学級運営がスムーズにいくよう、思いを張り巡らせながら準備をしている時期です。…
本記事は、授業ナッジ第6話になります。 前回の記事(第5話)⇩ 授業の「振り返り」が建前になっていない?昨年度「振り返り」に関するアンケートを取りました。 児童自…
本記事は、授業ナッジ第5話になります。 前回の記事(第4話)⇩ 6月の授業の様子6月上旬頃には、板書に示してある3つの力(下記画像)が生徒に浸透した結果、生徒の…
本記事は、授業ナッジ第4話になります。 前回の記事(第3話)⇩ ワークシートの構成 めあて 本時の「めあて」は、単元計画表の「めあて」と同様のものを記載しました…
本記事は、授業ナッジ第3話になります。 前回の記事(第2話)⇩ 授業のオリエンテーション 4月、初めの授業で、何のために自分たちが学習するのか、授業の目的を明確に…
授業ナッジ第2話になります。第1話はこちらになります↓ なぜ学校で勉強をするの?このように生徒から尋ねられた場合、みなさんは何と答えるでしょうか? 「将来やりた…
2024年10月19日 06:09
ある家庭のお話朝6時、目覚ましが鳴り響く。子どもたちはまだ布団の中。私は思わず声をあげてしまう。「早く起きなさい!」幼い頃、母は毎朝こうやって私を叱って起こしていた。だから、自然と私も同じ言葉が口から出てしまう。子どもたちは渋々起き出すが、どこか不機嫌そう。ふと、何か違うなと感じる瞬間がある。朝食の時間。長男はゲーム機を手にしながら席についている。「ゲームばかりしてないで、早く食べなさい」
2024年10月12日 09:46
ナッジってなに?「ナッジ」という言葉、何だか小難しい印象をもちます。でも、実はこれ、私たちの日常生活の中で無意識に使っているものなんです。たとえば、スーパーで見かけるあのレジ前の足跡マーク。あのマーク、誰に「ここに並んでください!」って強制されるわけでもなく、自然と私たちはその足跡に沿って並んじゃいますよね。これこそがナッジなんです。ちょっとした工夫で、強制せずに人を良い方向に導く方法、それがナ
2024年10月5日 22:24
なぜ子育てに悩む家庭が増えているのかどうしてこんなに子育てに悩む家庭が増えているのでしょうか?その理由は、インターネットにあります。いや、正確に言えば、インターネットを使えるデバイスの急速な普及です。スマホ、タブレット、パソコン、こういった機器が子どもの生活に入り込み、親も子どももみんなネットの世界に飛び込んでいるのです。データを見れば一目瞭然です。どんな機器でもインターネットに接続できるよう
2024年9月28日 09:51
前書き子育ての中で、どんなに「ほめ方」や「声かけ」に工夫を凝らしても、思うような成果が続かないと悩んだことはありませんか?私も、子どもたちに良い影響を与えようと、多くのアプローチを試してきました。しかし、ほめても叱っても、その効果が長続きしないというジレンマに、しばしば頭を悩ませてきました。みなさんは、「児童自立支援施設」という施設をご存じでしょうか?これは、犯罪や不良行為の恐れがある児童、
2024年5月12日 09:26
大声で注意するのはもう終わりお出かけをした時に、「こら!戻ってきなさい!」「なんでそういうことするのー!?」と叫ぶ親御さんをよく目にします。私も何度心の中で叫んだことでしょう。これで言う通りに子どもが動いてくれればよいのですが、大抵言うことを聞きません。そして、さらに戦いはヒートアップ。確かに育児は大変です。私も生徒にイライラし、幾度となく声を荒げてきました。優しく言えるなら言いた
2024年5月4日 18:50
「叱らない子育て」という流行「叱らない子育て」という言葉が数年前に流行しました。メディアの浅い情報が垂れ流されたことで、迷える親御さんたちは額面通り「叱らない方が良い」という事象のみを切り取ってしまいました。そしていつしか「叱らない子育て」から「何も伝えられない子育て」へと変わってしまいました。「叱らない子育て」とは?①不適切な行動ではなく、適切な行動に着目する教員であれ親であれ、私たち大
2024年4月27日 09:11
こんにちは。今回の記事では、普段なかなか詳細にナッジ理論を解説できないので、詳しくご紹介していきたいと思います。今回は、私がよく使うナッジ【デフォルト】について解説を行いたいと思います。【デフォルト】の有名な成功例臓器提供の【デフォルト】自分から臓器提供を申し出るタイプのデフォルト臓器を提供したい人は自分から「提供します」と言わなければなりません。日本やドイツではこの方式で
2024年4月20日 17:53
授業ナッジへの不安授業ナッジは「1つの観と5つの手立て」で構成されます。基本的に、勉強を強いることはありません。ナッジは、個人の行動・選択の自由を阻害せず、かつ「より良い結果」に導く考え(リバタリアンパターナリズム)のもとに活用されます。という不安の声が聞こえてくるかと思います。そうじナッジやあいさつナッジとは異なり、「失敗にも価値がある」などと悠長なことは言ってられませんね。自由進度
2024年4月13日 08:19
授業を受けない子、なんとかしたい授業を受けない子には、いろいろなパターンがあると思います。自分の世界に入ってしまう子、学力が低くやりたがらない子、やろうとするけれど分からなくて拗ねてしまう子、いわゆるヤンキーで学習に取り組もうとしない子、さまざまだと思います。上の記事にあるように、授業を受けることが難しい子達が集まった特殊な学校で、私は授業をすることになりました。彼らはそう長く施設にいることは
2024年4月7日 19:21
そうじ指導を通して考える教師像そうじを静かに集中してできる学級は良いクラス?「給食を完食できるクラスは良いクラスである」と同様に「そうじを静かに集中してできるクラスは良いクラス」という教育界の常識を、教師であれば誰もが一度は耳にしたことがあるかと思います。そしてこのような「謎の常識」に囚われ、教師は「子供はこうあるべき」という指導に陥り、教師の言うことを聞く子どもが「良い子ども」として評価
2024年3月31日 18:37
新学期に頭を悩ます、そうじ当番の掲示物新学期が始まる直前の4月、我々教師はできるだけ学級運営がスムーズにいくよう、思いを張り巡らせながら準備をしている時期です。本記事は、そのうちの1つ「そうじ当番の掲示物」に対する考えを明らかにしたいと思います。「1人1役で掲示物をつくるのか」「どれくらいの周期で掃除場所を交代にすべきなのか」など、そうじ指導に悩まれている方にもぜひ読んでいただけたらと思います
2024年3月30日 20:08
本記事は、授業ナッジ第6話になります。前回の記事(第5話)⇩授業の「振り返り」が建前になっていない?昨年度「振り返り」に関するアンケートを取りました。児童自立支援施設に併設された我が校の子どもたちは「先生のために書いている」「すでに理解している内容をなぜ書く必要があるのか」という非常に素直な回答をくれました。学んだことを「振り返る」活動が、子どもたちにとって「有益である」「成
2024年3月29日 19:18
本記事は、授業ナッジ第5話になります。前回の記事(第4話)⇩6月の授業の様子6月上旬頃には、板書に示してある3つの力(下記画像)が生徒に浸透した結果、生徒の授業態度に大きな変容が見られました。課題の内容や評価基準について、教師に尋ねる生徒はほとんどいなくなり、教師に尋ねる生徒がいると「計画表(下記画像)に書いてあるよ」と即座に声をかけたり、丁寧に説明をしたりする仲間が現れました。寮で次回
2024年3月24日 19:54
本記事は、授業ナッジ第4話になります。前回の記事(第3話)⇩ワークシートの構成めあて本時の「めあて」は、単元計画表の「めあて」と同様のものを記載しました。「単元計画」「板書」と併せて本時の「めあて」を3通り示すことで、「今日の授業で何ができることを目指しているのか」を明確にしました。大問1(基本問題)「基本問題」はワークシート1の問題であり、教師が口頭で確認していく基本的な説
2024年3月23日 18:44
本記事は、授業ナッジ第3話になります。前回の記事(第2話)⇩授業のオリエンテーション4月、初めの授業で、何のために自分たちが学習するのか、授業の目的を明確にし、共有化を図る授業のオリエンテーションを行います。学校という枠から離れ、自身が大人になった時の社会を連想しやすいよう、経団連が作成した「20XX in Society5.0〜デジタルで創る、私たちの未来〜」の動画を視聴させます。こ
2024年3月19日 18:15
授業ナッジ第2話になります。第1話はこちらになります↓なぜ学校で勉強をするの?このように生徒から尋ねられた場合、みなさんは何と答えるでしょうか?「将来やりたい仕事に就けるようにするため」「豊かに生きるため」私は今までこのような回答が精一杯でした。そして、多くの生徒の正直な胸の内は「受験のため」ではないでしょうか。将来の夢がある生徒は明確な目的があるかもしれませんが、ほとんどの生徒