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フリーランス兼マネージャーとしてのわたしの働き方

夫はフルタイムで働いているにしてはよく育児をやっている方だと思う。

ありがたいことにホワイト企業で働いているから夕食は毎日家族揃ってとることができる。子どもと遊ぶのが上手だから、子どもたちは夫が大好きだし、夫が仕事から帰ってきたら子どもたちはずっとパパ〜パパ〜と夫に絡んでいる。週末には気が向けば夕飯を作ってくれる。当然のように週末は家族で出かけて、子どもたちを公園などで遊ばせてくれる。

それなのにわたしはちょっとのことで毎日モヤモヤしてしまう。それは些細な理由で、例えば子どもが「お茶がのみたい」「トイレにいきたいからいっしょにきて」とさまざまな要求をしてくる時、だいたい自発的に席を立つのはわたしだからということ。子どもたちのお迎えに行って、子どもたちの日中の寂しさを全部受け止めて甘えさせているのはわたしなのに、夫は子どもがぐずると少々鬱陶しそうにしていること。平日はゴミ捨て以外の家事は一切してくれないこと。もやっとするたびに「でもわたしは1日5時間しか働いてないし」という言葉が心の中でループする。

そこで、わたしがフリーランスの在宅ライターで、1日5時間しか働いていないことの理由を思い出してみた。


子どもたちにできるだけ寂しい思いをさせたくないから。
仕事で疲れている夫に、もっと家事をやってほしいと言ってプレッシャーを与えたくないから。
忙しすぎて余裕がなくなれば子どもにイライラをぶつけてしまいそうだから。
子どもがもし具合が悪くなったらすぐに幼稚園に迎えにいってあげたいから。
夫婦だけで子育てしているので、共倒れしないよう、余力を残しておきたいから。
それでも、家計のため、子どもたちの将来のために、少しでも稼ぎたいから。
万が一、夫になにかあったときのために、別の収入源を作っておきたいから。
わたしが、社会とつながっているという実感がほしいから。

そうだった。この縁もゆかりもない地方都市に、夫の仕事のために移住してからこのかた、育児をしながら働き方を模索して、地域の人と繋がりを持ち、やっと経験を生かせる分野で仕事をもらえるようになり、頑張って頑張って今の働き方に落ち着いたんだった。

時々感じるこのモヤモヤの正体は、家庭内のことを円滑に回すための帳尻を、すべて自分が合わせているように感じることへのモヤモヤなのだった。


そのループに少し変化が訪れたのは、今年の春に放送されていた「コントが始まる」というドラマを見ていた時のことだった。

古川琴音さん演じるつむぎは、誰かの役に立つことで生きがいを感じられる性格なのだが、これといって何の仕事に就きたいのかわからないままスナックでバイトをしていた。有村架純さん演じる姉の里穂子に「野球部のマネージャー時代が一番楽しかった」と話すと「それならマネージャーになればいいんじゃない?」と背中を押され、芸能事務所のマネージャーとしての道に進むことになった、というエピソードがあった。

考えてみればわたしは今まで、仕事というのは自己実現の場のひとつだととらえて疑わなかった。今までの仕事では、自分の得意な分野で経験を生かせて、かつスキルを向上させていけること、などをやりがいの基準にしていた。でも、世の中には人のサポートをするという仕事もたくさんあり、それもみな立派な仕事なのだ。なんでわたしは今までそんな当たり前のことにも気づかなかったのだろう?

だから、今わたしはフリーランスとしての仕事と、家族のマネージャーとしての仕事を、2つしているのだと思うことにした。これなら、どちらも立派な仕事じゃないか。

そして、子どもに手がかかるうちは、またちょっとモヤモヤしたら自分でこの文章を読んで、家庭を円滑に回している自分を自分で褒めることにしよう。

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