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うつに響く曲・私的三選

普段の僕は、スポーツ関係の投稿を書いているのですが、今日は趣向を変えて、好きな音楽のことで1本書いてみます。

昔は、夏フェスにも足を運んだり、ライブハウスにも行ってみたり、スポーツと同じくらい音楽も好きでした。今は軸を絞ってしまったので、それほど追えていません。

さらに、去年の11月から、うつ病の診断を受け、なにかと億劫になってしまいました。

そのような状況でも、今リピートして聞いている3曲を、「私的三選」としてお届けします。ちょっとでも共感できるポイントがあったら嬉しいです。

1. くるり『ばらの花』

たくさんのアーティストにもカバーされているくるりの名曲。その歌詞の冒頭から、うつの世界観を一気に感じさせます。

 雨降りの朝で今日も会えないや
 何となく でも少しほっとして
 飲み干したジンジャーエール 気がぬけて

意思決定自体が苦しく、何かの決定を自己責任にしたくない感覚、とでもいいましょうか。

会いたいのに、会いたくない。こういう正反対の感情が同居して、自分ではどうにもならなくなる。何か他のきっかけで、事が決まってくれたら楽なのに、と。

「雨降りの朝」のお陰で、その葛藤に収まりがつき、得られた「少しほっとして」という落ち着き。それを「気が抜けたジンジャーエール」と比喩する岸田繁さんの言葉のセンス…

 ジンジャーエール買って飲んだ
 こんな味だったっけな

曲の最後には、味覚の記憶も確かでなくなってしまう。とても切ない感じがしますね。

ここで取り上げた部分以外の歌詞も全部絶妙なので、興味ありましたら、動画でご視聴してみてください。僕はこの夏もヘビーローテーションで聴いています。

2. ストレイテナー『DAY TO DAY』

ストレイテナー。こちら曲調は特別メロウでもないのですが、歌詞をよく読むと、うつ病について書いた曲かもしれない、と思う節がたくさんあります。

 四角い空を横切る雲が
 枠に閉じ込めた瞬間を解かす

窓枠から見る空のことを描いていますので、この曲の主人公は、部屋から世界を見ていると分かります。

 嫌いだった自分と向き合うのは
 まだ痛いけど 避けては進めない

自己肯定感を持ちがたい自身を打ち破るには、掘り起こしがたい過去とも、どうしても向き合う必要があると、僕も強く感じました。

 歌われることのない
 想いを音にして鳴らすんだよ
 聴こえるだろう?

noteで日々創作されている方々にも、うつ病の経験をお持ちの方は多い印象を感じます。自分の気持ちを探り当てて言葉を見つけ出し、紡ぎ出す作業は「歌われることのない想いを音にして鳴らす」のと同様に思います。

彼らの代表作『Melodic Storm』を越える名曲誕生!という触れ込みでPRされていますが、歌われている世界観は最高レベルにある曲と言って良いのではないでしょうか。

3. Bank Band with Salyu『 to U 』

ap bank fes.で決まって歌われるこちらの曲は、おそらく世間的にも、精神的に追い込まれた人々に宛てて、作られた曲という共通理解がありそうです。

 光と影と表と裏
 矛盾も無く寄り添ってるよ
 私達がこんな風であれたら…

うつ状態、躁状態でもそうだと思うのですが、心の状態が一方に偏って戻ってこられなくなるんですよね。僕もまだ完治しているとは言い難いので、このバランスが取れない苦しみを日々味わっています。

 悲しい昨日が 涙の向こうで
 いつか微笑みに変わったら
 人を好きに もっと好きになれるから
 頑張らなくていいよ
 沈んだ希望が 崩れた夢が
 いつの日か過去に変わったら
 今を好きに もっと好きになれるから
 あわてなくていいよ

この曲は2006年に出来たようです。「頑張らなくていい」「あわてなくていい」という歌詞で人を励ます歌って今もあまり多くない気がします。

作詞の櫻井和寿さん、Mr.Childrenの曲にもうつ病らしき痕跡を感じる曲は多いけれど、この『to U』が真骨頂と私は思います。

ちなみに「U」は「you」と「Universe」の意味を掛け合わせているようです。僕は「うつ」の「U」も掛けているように勝手に感じています。

以上、私的三選

いかがでしょうか。
以上、3曲、自分がよく聴いているものから紹介いたしました。普段スポーツの話しか書いていないので、うまく伝えられているか不安ですが…

聴いて、少しでも気持ちが和らいだり、明るい気持ちを取り戻すきっかけになったら嬉しいです。

岡田浩志

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