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人生の3分の1を費やす仕事の時間は「楽しい」のが一番

こんにちは!横浜AC(エリアコミュニケーター)の松澤です。
「これからの介護を考える」シリーズの第五弾です。

今回は、株式会社グリーンアーク 鍼灸マッサージ ~憩~ 三ツ沢
代表取締役 田村賢弥(たむらけんや)さん
にお話を伺いました。

私が初めてお会いした際の田村さんの印象は「パワフルな方だな~!」でした。利用者様、スタッフ様とも談笑を交えながら接する一方で、経営に関する事、バックオフィス業務等も日々勉強されています。仕事外ではダンスもやられており、仕事・仲間・プライベートを大切にされ、何事にも本気なパッション溢れる田村さんにお話を伺いました。

■法人情報 
法人名:株式会社グリーンアーク 鍼灸マッサージ ~憩~ 三ツ沢
https://www.h-t-hd.com/ikoimitsusawa
種別:通所介護
住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区岡沢町90-2ワコーレ三ッ沢公園Ⅱ
利用者数:13
■人物情報
役職:代表取締役
お名前:田村賢弥様

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挑戦できる環境があったからできた、経営者の仕事

ーー田村さんが介護業界に入られたきっかけや、今までの経歴を教えてください。

私のひいおばあちゃんが介護が必要になったときに、自分は何もできなかったんです。そこから、将来自分のおばあちゃんが高齢になったときには少しでも力になりたいと思い、介護の仕事がしたいと思いました。

私は高校へ行かずに就職したんですが、当時は、工場でカーボン繊維を扱う仕事をしていました。その時に、当時株式会社SCCという会社のグループホームで働いていた友人から、介護をしたいならうちで働いてみたらどうかと声をかけていただいたんです。これはいい機会だなと思い、入ろうと決意しました。12年ほど前です。

ーー株式会社SCCさんには施設スタッフとしてご入職されたんですか?

そうですね。そこで7年ほど働いて、その後グリーンアークの前任の代表が退職される際に、会社を引き継ぐことになりました。

ーーグリーンアークさんとSCCさんの関係は?

H&Tホールディングスという親会社があり、その5つの子会社のうちの2つがグリーンアークとSCCです。私はグリーンアークの代表を任せていただいています。

H&Tホールディングスの代表からは、「代表経験をして、一人前になったと思ったら一人でやればいい」と、成長する機会を作っていただいています。親会社のサポートやフォローがあるので、失敗を恐れず色々挑戦しながら経営を勉強でき、とても感謝しています。

ーーなぜ会社経営の立場に就こうと思ったのですか?

自分に代表が務まるのか不安はあったのですが、すでにある会社を継いでやっていく状況でしたし、親会社のサポートもあったので、ゼロから1人で立ち上げるのに比べたらなんとかやっていけるだろうと、代表の話を受けさせていただきました。


経営者として大事にしているのは、利用者さんとの距離のバランス

ーー経営者となられて、最初はいかがでしたか?

最初は代表取締役という名前がかっこいいなと思ったりして(笑)、甘く考えてしまった部分がありました。でも裏方の地道な仕事も多く、自分の考えていた輝かしい理想の社長像とはだいぶ異なりましたね。

ーー私も福祉用具専門相談員として現場で働いていたのですが、そこから違う職種に転職して1年目で、業務の違いはもちろん、視点が違うなと戸惑うことがあるんです。経営者になられて変わったことはどんなことですか。

現場のスタッフは利用者さんのケアを第一に考えますよね。もちろん私も利用者の身体機能、ADL、QOLの向上ももちろん大事なんですけど、経営者としては会社全体を見て、物品、会社の経費、スタッフさんのことなど、バランスよくやらなくてはいけない。

経営者としては、利用者さんと接することに100%をかけるのではなく、1歩距離を置いて接する目線も大事だなと思います。介護スタッフという目線だけで入ると、「あの人本当に代表なの?」って思われてしまいますし、でも代表の目線だけで入ると「あの人何もしてくれない」となってしまうので、そのバランスを良く考えるように心掛けています。

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仕事を楽しみ、チームで一丸となってケアをする

ーースタッフさんと仲がいいなと感じたのですが、スタッフさんとの交流やコミュニケーションは普段から密に取られているんですか?

代表になって少し天狗になっていたこともあったのですが、働いてくれる人がいるから自分も仕事ができるのであって、代表が偉いわけでもなんでもないと気づいてからは、コミュニケーションはしっかりとるようにしています。

介護はチームで行うものなので、チームのバランスが悪いと、お客様へのサービスが悪くなってしまうんです。どうすればチーム一丸となったケアで利用者さんに最適なサービスができるか、自分でも考えますし、チームでもよく話をしています。

あとは最近で言うとコロナが落ち着いたらみんなでご飯でも行きましょうと話したりして、楽しみを作るようにしています。楽しみがないと仕事って続かないと思うんですよね。どこかで楽しいことを作るようには心掛けています。

人生は3分の1が仕事で、3分の1が睡眠で、3分の1が遊びだと思うんですよ。仕事がつまらなくて休みの日が充実してても、「もう休みが終わっちゃった」って思うのはすごく嫌だと思うんですよ。仕事が楽しかったら「明日から仕事だ、頑張ろう」ってなるじゃないですか。スタッフのみんながそういう気持ちでいられるように、どの施設も作っていきたいですね。

自分たちが楽しくなかったら利用者さんも楽しくないと思うんです。嫌々介護の仕事をしていたら絶対利用者さんに伝播します。働いている自分たちも楽しく、利用者さんも楽しい、というのが理想です。

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IT、ICTの導入による介護業界の可能性

ーー今後、介護業界で特に政府がITやICTを進めていく流れがあると思うんですけど、テクノロジーに苦手意識や懐疑的な経営者の方もいらっしゃるかなと思います。若手の田村さんだからこそ、うまく現場に取り入れてみようかなと考えられていたりするのでしょうか?

私はIT化はとてもいいことだと思います。ITを入れることによって利用者さんの情報の管理ができますし、ペーパーレス化することによって、施設の紙が少なくなり、経費削減も期待できます。

例えば、スタッフが忙しくても、ITを導入することによって血圧の小さな変化を見落とさず、精緻に管理できるようになるかもしれません。それまで見えなかった情報が見える化され、体調管理ができるようになるなら、私は大いに必要だと思います。


ーー全部IT化するのはもちろん難しい。人ができるところをより深く手厚くやるために、人がやらなくていいことは機械に任せられると、よりスタッフさんの負担の軽減や、ご利用者さんのケアの質を上げたりすることができるのかなと思います。

例えば機械が利用者さんをお風呂に入れられるようになった時に、利用者さんの羞恥心に配慮できる可能性があります。40歳くらいで若くして介護を受けるようになった方は、羞恥心が強くて、そういう方達の入浴では機械は喜ばれるのではないかと思います。でも人の温もりに触れたいという方もいらっしゃるので、全部一律に同じように機械がやればいいのかというと、やはりそうではないと思います。


超高齢社会の問題を、今から直視できる環境を

ーーこの業界は若手の方が経営層に参入しにくい業界だと思うんです。その中で田村さんは27歳の時に代表になられた。介護業界の未来やご自身の展望について、特に若手経営者ならではのお考えがあったら教えていただきたいと思います。

さきほども話しましたが、私は、経験のある方にサポートいただきながら、失敗を恐れずに経営にチャレンジできる環境を与えられて、とても感謝しています。そういった機会を若手が得られるチャンスがもっとあったらいいなと思います。

経営のセミナーで若手は受講費を半額にするとか、そういうところからハードルを下げてもらえるといいですよね。今後高齢化社会がもっと進み、介護職員がもっと重視されると思っています。2025年に第二次介護ブームが来たときに、参入会社がすごく増えると思うんです。私はその時に様々な経験を重ねてきた会社や経営者は強いと思うので、今のうちから超高齢社会の問題に向き合っていきたいですね。


編集後記
労働人口が減り人手不足の深刻化が進むことが予想される中、若手が介護現場を盛り上げ、自ら良くしていこうと言う視座を持つことは、介護業界においては必要な事だと感じます。現場と現場外の違いはあるものの、同世代であり同じ課題感を持つ者として、楽しく働きつつ、今後も垣根を越えた連携が図れればと思います。


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地域ケアプラットフォーム推進本部
関東エリア担当 松澤賢治(まつざわけんじ)
車椅子のシーティングが好きな福祉用具専門相談員。
趣味は登山やキャンプなどのアウトドア。

松澤さん 編集後記写真2


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