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コロナ禍の取り組み紹介 / ミルモネットを活用した情報共有 ~つくばケアマネジャー連絡会の活動~

こんにちは。ウェルモの上堀(かみほり)です。
ついに関東も梅雨入りし、6月上旬の暑い日差しが嘘のような、どんよりした雨が続いています。

さて、今日は、コロナ禍のつくば市の取り組みをご紹介したいと思います。

新型コロナウイルス感染症が全国的に拡大していたころ、つくば市では、事業所の運営や利用者受け入れ状況の見える化と、事業所間の情報共有のために、「ミルモネット」を導入して活用いただきました。

介護事業所の運営に影響が出たり、感染者が出たりする中、各地域のケアマネジャーさんたちは、ご利用者に切れ目なく最適なサービスが提供できるよう調整に尽力されたと思います。つくば市での試みは、感染症拡大や災害など有事の際の地域の連携において、参考になる取り組みではないかと思います。

つくばケアマネジャー連絡会(以下、「ケアマネ連」とします)会長の岩崎さんにお話伺いましたので、ぜひお読みください。

岩崎さん正面写真

岩崎学さん(つくばケアマネジャー連絡会 会長)


- 介護事業所が閉鎖や休止になる中、情報の偏在に問題意識を持った

-- 新型コロナウイルス感染症のつくば市での影響と、ケアマネ連でどのように動かれたのか教えてください。

岩崎さん
3月末につくば市内の病院で感染者が確認され、感染予防対策のため市内の広範囲で、介護事業所が閉鎖や休止をする事態になってしまったんです。

ケアマネ連の仲間と情報交換する中で、ケアマネによって知っている情報に差があることに気づきました。ご利用者の代替え支援(感染症等で平時使っている介護サービスが受けられなくなった時の対応)を計画しなければならない中で、情報の偏在によって選択肢が変わってくるのは困るよね、という話になりました。介護事業所も、このような中でいろんなケアマネから問い合わせがくるのは大変だろうと思いました。

そこで、ケアマネ連の役員数名で事業所の受入れ状況を調べ、市内の全ケアマネに共有していくという小さな取り組みを始めたんです。


-- 具体的にはどうされたんですか?

岩崎さん
役員が各事業所に問い合わせて、日中に調べた情報を夕方に集約して、包括(地域包括支援センター)に送り、包括で最新の厚労省通達などの情報も合わせてきれいにPDFにまとめてもらい、それを翌朝に包括から市内のケアマネにメールで送っていました。4月上旬から毎朝やっていました。

情報収集は、最初は感染者が発生したエリアを中心に少ない事業所数から始まったんですが、パニック状態から、営業を休止、自粛する事業所が加速的に増えていく中、発生エリア内の事業所情報では調整先も見つからなくなりました。

そこで、途中から市内の全通所(介護・リハビリ)、訪問(介護・看護・入浴)、短期入所(生活介護・療養介護)事業所に対象を拡大しました。全事業所に、

①感染予防対策での閉鎖、自粛事業所利用者への代替支援の受入れ可否
②新規の利用者の受入れ可否
③感染者が発生した医療機関受診者、退院者の受入れ可否

を伺う質問状をFAXして回答を集めたところ、情報がどんどん増え、市内全域の事業所状況が見えるようになっていきました。

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(画像はイメージです)


- 緊急事態下で、行政・ケアマネ・事業所がクローズドで情報交換できる場があることの意義

-- そのあと、ミルモネットの導入が始まったと聞きました。

導入の経緯:
もともとつくば市とウェルモは介護分野でなんらかの協業をしていく話が進んでいました。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、コロナ禍の情報の見える化と情報共有に「ミルモネット」が活用できるのではないかとの考えから、4月に導入をしていただきました。

岩崎さん
4月後半くらいにミルモネットを導入し、それ以降の情報共有はミルモネットに一本化しました。導入もスムーズだったと聞いています。行政が市内の事業所に情報の登録をするよう依頼してくれたのも大きかったと思います。

毎朝のPDF資料のメール送付は、情報を集約して加工するのは大変だったし、夕方に確認して翌朝にメールする一昼夜で状況変わっていることもあり、タイムリーな発信には限界がありました。ミルモネットになってからは、各事業所がそれぞれに情報更新し、それを我々はダイレクトかつタイムリーに確認できるようになりました。

コロナ禍で万が一事業所職員や利用者に感染者が生じた際、どう情報開示するかはセンシティブな問題ですよね。事業所名を開示する事で風評被害やいやがらせが生じる懸念がありますが、公表しないとリスクを特定できず、結果、地域一体で事業所を閉鎖せざるを得なくなります。ミルモネットは行政・ケアマネ・事業所のみに公開しているウェブサイトですから、行政・ケアマネ・事業所をクローズドでつなぎ、情報交換できる場があることは、とても意義があると思います。


つくば市画面イメージ

ミルモネットの情報記入イメージ(赤線囲みは筆者強調)

<つくば市 コロナ禍の取り組み>
各介護事業所に、通常、ミルモネットで登録していただいている施設情報だけでなく、

・感染時受入・・・他事業所で感染者発生後の利用者受入可否
・受診者受入・・・感染者発生医療機関受診者の受け入れ可否

を記載いただき、情報共有に活用いただきました。



- 情報が網羅的に見えるようになることで、地域の一体感を感じ勇気づけられた

-- ミルモネットを利用するようになった後、何か変化はありましたか。

岩崎さん
情報が網羅的に見えるようになったので、各事業所ができることを積極的にやってくださるようになったと感じました。

つくばでは、コロナの影響にエリア間で結構差があったんですが、ミルモネットでその全体像が見えたので、事業所の中にはエリアを越えて利用者を受けてくれるところがあったり、渦中にあっても「ここまでならやれるよ」と表明してくれるところもあったり。

地域の一体感といいますか、この業界で働いている役割や存在意義を共有、共感しながら仕事をすることができ、とても勇気づけられました。


-- 私がこんなことを聞くのも変ですが、オンラインの情報共有で、そういった温度感まで感じられるものですか?

岩崎さん
そうですね。もちろんミルモで見た後に電話で話すこともあるんですが。

事業所が発信する情報もどんどん細かくなってきたんですよ。当初は、事業所も不安が大きく「受け入れ拒否」のような事務的な発信が多かったのが、徐々に「これこれこういう状況だから、こういう条件ならOK」といった発信も増え、事業所さんから「自分たちにできることをやる」という想いが伝わってきました。


- 情報につながるだけではなく、それを利用者につなぎ、価値をつむぐことが大切


-- コロナ禍のミルモネット活用を推進してくださった岩崎さんに、最後にこんな質問をしてみました。

「ミルモネット」を使うことで、最終的に“介護サービスの利用者”にどのようなメリットをもたらせると思いますか?

岩崎さん
コロナ禍においては、市内全域の選択肢の中から、タイムリーに必要なサービスを選べるということですかね。速度が圧倒的に早くなりました。生活者の速度に合わせていくことって大事ですから。

ミルモネットは、今回は感染予防の観点で活用しましたが、本来はそれ以外でも使えるものですよね。実はケアマネは、普段関わらない事業所のことをあまり知らなくて、情報の偏在は普段から存在していると思うんです。

ミルモネットが、エンドユーザーである利用者ご本人が使うシステムではないという点からすると、メリットを提供できるかどうかは、ミルモネットに『つながる』ケアマネジャーが、利用者にどう『つなぐ』ことができるか、そこから何を『つむぐ』かにかかっていると思います。

今回、コロナ禍において、地域一丸となって、つながり、つなぎ、つむぐことの重要性を改めて思わされました。保険者(行政)の中心的な関わりと『つながり』促進ツールとなるミルモネットの組み合わせに大きな可能性を感じていますよ。



お忙しい中、貴重なお時間をありがとうございました!

■編集後記
今回伺ったコロナ禍のお話は、ここに載せきれなかったものも含めとてもリアリティがあり、ご利用者の生活を支えるケアマネさんの大変さの一端を伺い知ることができました。その中で、ミルモネットで、ただ「情報を共有した」だけでなく「温度感や地域の一体感を感じてもらえた」ことが嬉しかったです。ツールはツールでしかなく、ツールを利用してくださる人たちがいてこそ価値を発揮する、ということを改めて感じる機会となりました。さらに現場の皆さんに熱量を持って使ってもらえるようなサービスに育てていきたいです。


- 自治体向け ミルモネット導入サポート

地域の介護資源の把握に課題を感じている自治体向けに、資料送付やつくば市の実施内容の紹介やミルモネットの導入支援をオンラインで行っています。

<自治体向け ミルモネット導入相談窓口> 
株式会社ウェルモ (電話受付時間:平日9時~18時 )
URL: https://welmo.co.jp/service/milmo-net/
Tel: 03-6205-7309 
Mail:  milmo_tokyo@welmo.co.jp

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<会社情報・お問い合わせ先>
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ウェルモ広報担当 上堀宇花(かみほりうか)
食べることと、体を動かすことが好き。

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