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松茸

8月31日(土)
朝、目が覚める。ベッドの上でしばらく ごろごろしてから むくりと起き上がる。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。

ウーちゃんとルーちゃんの水槽をのぞく。ルーちゃんが急いでやってきて ぷか〜っと浮いてくる。

手を伸ばしながら つぶらな瞳で「みるみる〜おなかすいた〜。」と言っている。ような気がした。可愛い…。可愛すぎる。「よしよし。」と言いながら、タブレットのエサをあげる。

ウーちゃんもすっかり元気になっている。体もピンク色に戻りエラも真っ赤っかだ。おとぼけ顔でこちらを見ている。可愛い。きゅん。

今日も こもれびの森へ行く。
修一郎の食事をお弁当仕立てにしておく。

母から電話。台風のこととかあれこれ話す。

ネパールのクリシュナさんからメッセージ。絵本の進捗状況などについてやり取りをする。

午後、水筒に氷とお水を入れて ごはんさんと しゅっぱーつ!

緑が美しく輝いていた。本当に豊かな自然にあふれている。川もキラキラ輝いている。山も田んぼも すっきりと美しい。

「雨と風で洗われて緑がきれいだね。」と話しながら車は走る。

遅いお昼ご飯を食べることにする。
人気の うどん屋さん。

私は卵ご飯に塩をかけていただく。ごぼ天も注文する。ごはんさんに半分食べてもらう。衣を半分くらい剥きながら もぐもぐ食べる。

「もう慣れたけど、私、自分がこんなアレルギーになるなんて思ってもみなかった〜。」と、話す。

「そうやろね。」と、ごはんさん。

「ずっと気遣ってくれてありがとう。それと、ごはんさんが なんでもたくさん食べる人でよかった〜。」と、私。

「うん、そうだね。」と ごはんさんが言って、いっしょに笑った。

ごはんさんの食べっぷりは、本当に見ていて きもちがいいのだ。

道中の森が今日も美しかった。まっすぐ伸びる木々、木漏れ日、大きくてつややかなシダ。ここにあの可愛いバンビがいるんだなぁ。キョロキョロする。

「バンビの道だね。」と、私。

「バンビの細道。」と、ごはんさん。

「奥の細道ね。」と、私が言って ふたりで笑う。

こもれびの森に到着。
ごはんさんは外仕事をする。
私は中の仕事をする。

早めに切り上げてお買い物に行く。いつものお店の駐車場から見る空が格別美しかった。ピンク色。淡い薔薇色。ものすごく上品な空模様。

「ねぇ、空すごくきれい。」と、私。

「ほんとだ。ここから見る空いつもきれいだよね。あの雲、カメが首伸ばしてるみたい。」と、ごはんさん。

本当にそう見える。可愛い。
帰り道でもピンク色のグラデーションの空をずっとほめちぎる。

「空全体が淡いピンク色だね。淡いって言葉がぴったりだね。きれいだね。」

こんなにきれいな空を見ることができて幸せだ。

家に帰り着く。
ごはんさんが「昨日買った松茸を食べよう。」と言ってくれた。ごくり。

スライスして、熱したオリーブオイルに並べて蒸し焼きにした。岩塩をゴリゴリ挽いて振りかける。

独特の香りがしてきた。カビっぽい香り。昭和の箪笥の香り。こう書くとどちらもおいしくなさそうだけど、もちろんそんなことはない。個性的ないい香りだ。

白ご飯に乗せて食べようと思っていたけれど、ご飯が出来上がる前に松茸だけペロリと食べてしまった。瑞々しくてとてもおいしかった。

今年 2回も松茸を食べれた。自分で買ってないけど。感謝の気持ちで手を合わせる。

青いオリーブの実の塩漬けも食べた。最高においしい目玉焼きも食べた。大満足。おなかいっぱいだ。

夜、ふと松茸のおいしい食べ方ってどんなのがあるかなと思い調べてみた。

あった。
「縦ふたつに割き、カサの部分に切れ目を入れてオーブントースターで焼くのがいい」と書いてあった。

そうか。そうだ。香りに個性がある松茸だ。香りのマイルドなオリーブオイルを使ったけれど、オイル無しの方がさらに香りがいいにちがいない。

ふむふむ。また食べれる機会が訪れたらそうやって焼いてみよう。と思った。

きのこって形がおもしろくて おいしくて栄養があって、すごいなぁとしみじみ思う。「世界の美しいきのこ」という本をパラパラめくる。

夜、庭に出る。
北斗七星が ぴかぴか輝いていた。きれい。秋の虫が大合唱をしている。うっとりと耳を傾ける。夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。

今日もいい一日だった。

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