四葉のクローバー ぷかり
4月27日(土)
朝、アラームが鳴った。
カカオが私の足にもたれて手足を投げ出して眠っている。可愛い。なでなでする。ゴロゴロ喉を鳴らしている。
昨晩遅かったので、眠い。さらに明け方の物音で何度か目が覚めた。もう一度お布団にくるまって ぐずぐずする。しばらく ぐずぐずしてから むくりと起きあがる。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
一面のクローバーの中に白い花が咲きはじめた。ウキウキする。
カカオにご飯をあげる。
ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげる。ウーちゃんが昨日より元気になっている気がする。よかった。
今日は こもれびの森に行く日。
あんこのスコーンを焼く。
さつまいもをオーブンに入れて焼き芋にする。
修一郎の食事を用意しておく。
ごはんさんのお家に ご友人の Nさんが来ていた。少しお話をする。クローバー畑のクローバーが大きくてびっくりしていた。
Nさんが帰ったあと、ごはんさんがメダカの水を換えている。大きく美しく成長したメダカたち。そのなめらかな動きにみとれる。
そのメダカの桶の中に、大きなまるい四葉のクローバーが ぷかりと浮かんでいた。
この季節になったんだなぁ。と思った。
バナナさんが、わが家のクローバー畑で四つ葉のクローバーを見つけると、ごはんさんのメダカの桶に浮かべる。春から秋にかけてそれは続く。いつの間にか浮かべている。四つ葉や五つ葉のクローバーが何個も浮かんでいる日もある。
バナナさんてロマンティックだなぁと思う。その素敵な贈り物に ごはんさんはとても感動していた。そんなある日、ごはんさんが少し心配そうに
「みるさんとこのクローバー畑、四つ葉がなくなってしまわないかな。」と言った。
なくならないだろう。と思う。そんなに楽しんでいるのなら、なくなってもいい。
メダカのお水もきれいになって、こもれびの森へ しゅっぱーつ!
途中でいつものように ゆで卵とスイートポテトを買ってもらって もぐもぐ食べる。お水を ごくごく飲む。
こもれびの森に到着。ミケちゃんたちが出迎えてくれた。ミケちゃんが元気そうにしていて本当にうれしい。猫たちにチュールをあげて首の上にノミ取りスポットをつける。
白いオオデマリが満開だ。緑が いきいきとして元気いっぱい。澄んだ風が吹いてくる。きもちがいい。
用事をする。
夕方、帰路に着く。川沿いを走る。ごはんさんが運転しながら言った。
「みるさん、川になんか猛禽類みたいなのがいる。」
川を見る。そのキラキラ輝く川の真ん中に鵜が大きく羽を広げて立っていた。びっくりした。すごく迫力がある。初めて見た。感動した。車を止めてくれたので写真を撮った。
鵜を見たあと、いつものバナナスムージーを買ってもらう。とてもおいしかった。
今日は帰りに「米麺を食べてみよう。」ということになる。私たちの家の近くに「こめのはな」という米麺の専門店がある。ごはんさんは何度か訪れたことがあるそうだ。私は初めて。ドキドキ。
アレルギーになった頃はまったく外食をしなかった。ごはんさんと こもれびの森に通うようになってから少しずつ外食に挑戦するようになった。どこのお店も白ご飯と卵と塩はある。
私は食べれるものも食べる量も少ないので、なんでもたくさん食べる ごはんさんに手伝ってもらえるので心強い。
野菜がたくさん入ったトマト味のスープに米麺が浸かっているお料理を注文する。それと、卵かけご飯。醤油が食べれないので塩をお願いする。
卵かけご飯を食べる。とてもおいしい。卵が新鮮で味が濃い。卵かけご飯で もうおなかがいっぱいになった。
トマト米麺が運ばれてきた。ざっと見る。スナップエンドウが入っているので、ごはんさんの器に移動。3分の1は食べれた。おいしかった。途中でちょっと胸がドキドキしたが大丈夫だった。ごはんさんが何度も
「無理せんでくださいよ。」と言ってくれた。
食べ終わり、ホノルルマラソンを完走したようなきもちになった。ホノルルマラソンに出場したことないけど。ひとりで完食してないけど。ともかく食べれた。
帰りに寄ったいつものお店でお買い物をしながら、ごはんさんがおもしろいことばかり言うのでおなかを抱えて笑った。涙が出るほど笑った。
とうもろこしが売っていた。ひとつずつカゴに入れる。
家に帰りつく。
修一郎が起きていた。「米麺に挑戦したよ。」と話す。「よかったね。」と言ってくれた。
注文分の絵本を梱包する。
書類を整えてゆく。
夜、庭に出る。
肌寒い。墨色の空をじっとみつめる。ずーっとみつめていると、ひとつ、またひとつ星が見えてきた。いつも本当に不思議だ。夜空をみつめていると、どんどん星が増えてくるように感じる。眠っていた星たちが目を覚まして輝きだしたように見える。本当はびっくりするほど昔の光が届いているなんて。宇宙は不思議に満ちている。
夜のぜんぶに「おやすみ。」を言う。
カカオは夜の色に溶けこんでいった。
今日もいい一日だった。