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楽しい栗拾い
9月29日(日)
朝、アラーム 1回目で目が覚める。むくりと起き上がる。
玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
ウーちゃんとルーちゃんにエサをあげる。水槽のお引越しをしたばかりだからか、あまり食べないので そっとしておくことにする。
今日は こもれびの森に行く。
修一郎の食事をお弁当仕立てにして ふたつ用意しておく。
水筒にカランコロンと氷を入れてお水を注ぎ、赤い保冷バッグにコーヒーを入れて、ごはんさんと しゅっぱーつ!
緑がきれい。山が、田んぼが、木々が、川が、空がきれいで うっとりする。
こもれびの森に到着。
DさんとOさんが来ていた。ごはんさんが少し用事をしてから、車で30分くらいの場所にある人気の天ぷら屋さんに連れて行ってくれた。
すごく活気のあるお店だった。開店と同時に満席。びっくり。待つことにする。
店員さんたちの動きがキビキビしていて無駄がない。真剣な表情。よく通る声。そしてこの活気。きもちがいい。
野菜天ぷら定食があった。
一つずつ天ぷらが運ばれてくる。サクサク。すごくおいしい。白舞茸とかオクラとか珍しい天ぷらもあった。
食べれないものは ごはんさんに食べてもらう。衣の多いところは剥がして もぐもぐ。おなかも心も満たされた。
「おいしいね。」
「うん、おいしいね。」と、何度も言いながら食べる。
「ずっと連れてきたかったから、今日ここに来れてうれしい。」と、ごはんさんが言ってくれた。
私も今日ここに連れてきてもらって、とてもうれしかった。
こもれびの森に戻る。
「みるさん、栗拾えるよ。」と、ごはんさん。
初めての栗拾い。ものすごくときめく。落ちている栗のイガイガの中から栗を取り出す方法を教えてくれた。
長靴をはいた足で、イガイガを押さえて むきっと剥く。軍手をはめた手で中から栗を取り出す。大きくて まるくて つやつやの栗が出てきた。感動。おもしろい。
ごはんさんが見つけてくれたイガイガの中から夢中で取り出す。袋を持っていなかったので、長いティアードワンピースの裾を持ち上げてその中に入れてゆく。
栗を拾っているとYさんがみえた。手作りの栗ご飯を持ってきてくれた。昨日、こもれびの森で拾った栗もたっぷり入っているということ。
冷たいコーヒーをカップに入れてお盆に乗せ、みんなに渡してゆく。
こもれびの森は広い。Oさんが見当たらない。歩き回るうちにカップが揺れてビシャビシャとお盆にこぼれた。暑さでちょっとぬるくなってきたような気がする。なんとか見つけて3分の2になった冷たくないコーヒーを渡す。おいしくなさそうだ。Oさんが
「おいしい〜、生き返る〜。」と、言ってくれた。
DさんとOさんにYさんからの栗ご飯を振る舞う。食事のあと、みんなで少しお話をして それぞれの仕事に戻る。
ごはんさんが、お隣YAさんのお庭の木を切ってあげている。背が高く幹周りも太い。梯子をかけてチェーンソーやノコギリを使って切っている。すごいなぁ。
9月の終わりだけれど まだまだ暑い。冷たい飲み物を買いに行こうとして、片足を穴ぼこに突っ込んで ドサッ と転んだ。
「大丈夫!?」と、ごはんさんがびっくりしている。
草が覆っている地面だったので今回はケガをしなかった。草たちありがとう。
てくてく歩いてジュースやお水を買いに行く。
小さな川沿いを歩く。すごく透明な水。水面がキラキラ輝いている。小さな魚たちが元気にビュンビュン泳いでいる。楽しい。
いろいろ買う。袋に入れて てくてく歩いて戻る。
飲み物を配ってDさんとOさんの仕事を見る。すごくおもしろかった。初めて見るものばかり。そこに ごはんさんとYさんもやってきて、みんなでお話をする。
ときどき、ひときわ大きく鳥の声が聞こえてくる。その度みんな なんとなく空や森を眺める。
「そうだ、みるさん、この奥に小川があるんだよ。」と、ごはんさんが言った。
「えっ、小川!見たい!」と、私。
草をかき分けながら進む。木々に隠れるように小川があった。
「今は水が少ないけど、雨が降ったら水がいっぱいになって下に流れていくよ。」と、ごはんさん。そして、
「ゲンゴロウとか蛍もいると思う。」と言った。ときめく。ものすごくときめく。
5月の終わりに ごはんさんが蛍を見に連れて行ってくれたことを思い出す。宇宙のように美しかった。
そしてまた それぞれ仕事に戻る。
夕方になり、Yさん、Dさんが帰っていった。
ごはんさんとOさんとまた栗を拾う。大きな栗の木には大きな栗の実がまだたくさんついている。
ごはんさんが脚立に乗って高枝切り鋏で葉っぱと栗の実が付いた枝を切ってくれた。
「ディスプレイ用。」ごはんさんが言った。
毎年、ごはんさんがディスプレイ用に栗の枝を切ってくれる。私はそれを玄関に飾っている。
片付けをして今日の仕事の成果を見てまわる。素晴らしい。
ごはんさんとOさんと3人で食事をする。熱々のポテトフライがおいしいお店。
「おつかれさま。」と言って、それぞれ帰路に着く。
ごはんさんといつものお店でお買い物をする。今日もオレンジ色に輝く夕焼けが見事だった。
家に帰り着く。
切ってもらった栗の枝を玄関に飾る。
去年の栗と葉っぱもまだ置いておくことにする。枯れていても味がある。
ウーちゃんとルーちゃんを見つめながら、りんごをサクサク食べる。はぁ、可愛い。はぁ、おいしい。ウーパールーパーと りんご、好きなものばっかり。
夜、庭に出る。
ぽつりぽつりと星が煌めいている。星の煌めきを見ていると大きな歓びに満たされる。星たちに手を振る。
夜のぜんぶに「おやすみ」を言う。
今日もいい一日だった。