SHINee WORLDというAtlantis
本日、日本のアルバム発売が発表されました!SHINeeを知ってはや2ヶ月、ありがたいことに、昔から好きになった途端、そのアーティストが怒涛の活動ラッシュですぐに現場等が決まることが多く、お導きだなぁ、と思う限り…
特に今回、ちょうどミノくんを拝見した日がDon't Call Meの配信日だった奇跡を皮切りに、ビヨンドライブ、Mステ出演、Atlantis、日本のアルバムと、過去を追いかけながら現在もたくさん新しい動きがあって、本当に本当に本当に幸せです!!!
まだ全部の曲は聴けてないのですが、曲の良さとメンバーの歌唱力と感情表現が相まって、もう日々言葉が気持ちに追いつかない形容し難いレベルの感動とemotionalな状態になることばかりで。
まだ思うところは全然表現し尽くせていないですが、ぽつぽつ書きためていたことをしたためます(以下、敬体ポイさせてください)。
********************************************************************
大学時代、かなり離れたキャンパスに通わなければならない時期があって、電車とバスを乗り継いで片道2時間かけて通学していた。
もとのキャンパスは、実家から40分ちょっとで通えていたので、特に一人暮らしなども考えず、ずっと通うつもりだったのに。合格の書類にこのことが書いてあったのを見つけたときは、チンッチャ!?!?!?!?だった。
入試のときにちゃんと調べていなかったわたしが悪い… でも一時期だけだし、そのために一人暮らしっていうのもね。
と思っているうちに、刻一刻と新キャンパス初登校の日が近づいた。
ほんとに県内???っていう僻地。みんな異国って呼んでたし、実際行くまで、「実は存在しないんじゃない?嘘でした〜とかワンチャンある??」とか言ってた(ひどい)。
ちなみにその新キャンパスで受けなければならない授業数自体は少なく、時間割は結構スカスカ。
なのに、コンスタントに毎日授業入ってる。
しかも金曜がパソコンでずっと演習するだけの授業のみで、もう家でいいじゃん状態。しかもその授業がよりによって1限。
マジでチンッチャ。あ、それじゃマジでマジになるのか。でもほんとにそれ。頭痛が痛いレベル。
わたし往復4時間よ???
それに対して授業時間1時間半よ???
なぜパソコンで演習するだけの授業受けに、5時起き???何の無駄だよ…
という不満を抱えながら(だから入試のときに調べなかったあんたが悪い)、通い始めた。そんなしょうもない理由で単位落とすわけにはね…
ところが。
海沿いの道を走るバスでの40分が心地良くて、わたしはあっという間に通学が大好きになってしまった。
毎日、大好きな音楽を聴きながら過ごすバスでの時間は、次第にわたしにとってなくてはならないものになった。
イヤホンから流れる音楽とともに、過ぎ去っていく風景。
一日が始まる鼓動を感じながら窓の外を眺めた朝。
まったりと時が流れる昼下がり。
通り雨の気配を感じた夕方。
たくさんの時間が、さまざまな海の表情とあの頃の音楽とともに流れていった。
あれから10年ちょっと。
卒業してからというもの、もうあの道を通ることもなくなってしまったから、思い出の上書きはされていない。
だからあの道はあの頃の音楽がそのまま流れている場所、みたいに思う。
あの頃の音楽は、わたしにとってあの海沿いの道とともにあって、今でもその頃の曲を聴くと、気づけばお気に入りのイヤホンをつけてバスの後部座席にいる。
もうほとんど会わなくなってしまった、毎日一緒に部活動に励んでいた仲間の笑い声までよみがえってくる。
嫌なことがあった日も、夕日を見つめながら大好きな音楽に励まされた。
音楽は、それを聴く人一人ひとりの歴史、一人ひとりの景色とともにある。
同じ時代に、たくさんの音楽が並行して流れている。でも、全部を真剣に追いかけるなんてことはできなくて、そのとき本当に出会えるものは限られていて。
心ゆくまでDon't Call Meのアルバムを聴いたあと、わたしは彼らのデビュー当時の音楽へとどんどん遡っていった。
あぁ、今聴いてこんなに好きな音楽さえも、わたしは知らないで生きてきた。
たくさんの音楽にとってのあの頃が、たしかに、わたしを通り過ぎていってたんだと思った。
こんなにも素敵な人たちに、わたしは気づくことができなかった。
彼らのあの頃も、わたしのあの頃と交わることなく、わたしを通り過ぎていったんだと。
日々たくさんの人とすれ違っていくように。
もしかしたらその中には、自分にとってすごく大切な人がいるかもしれない。
でも、ちゃんと視線を向けて、その人のことを認識しないと、その人の存在を知ることはできないんだ。
自分の「好き」の軸は、これまでそんなに変わっていない。だからきっときっかけさえあれば、もっと早くSHINeeを知ることもできたのに。
音楽は思い出の栞だ。
ずっと応援してきたファンの皆さんが生きてきた日々には、ずっと彼らの音楽があって、彼らの姿があって。
わたしが初めて聴いた曲にも、その曲を聴くだけで、つらくても支えられた日、コンサートで心震えた日、きっとそういうたくさんの瞬間が詰まっている。
人生のページには、いつも彼らの音楽という栞が挟まっている。
わたしの中にも、そういう音楽はたくさんある。
でも、どこを探しても、その中に5人の姿はない。
どうしてなんだろう。
SHINeeの曲は美しい宝箱。
彼らと一緒に思い出を紡いできたたくさんの方々は、その綺麗な宝箱に、それぞれがSHINeeの5人との思い出という宝石を大切にしまっている。
SHINee World、こんなに優しい世界はわたしはこれまでに見たことがない。
でも、初めて手に取って、そのキラキラした箱を感動しながら眺めていることしかできないのがわたしだ。
中には何も入っていないから。
わたしという本のどこを探しても、どのページにも彼らの曲の栞は挟まっていない。
わたしとともに流れた風景の中の、どこにも彼らはいない。
きっと、このぽっかりは埋まることはない。
過ぎた時間自体を埋めることはできない。
ものすごく切ない。
こんなにも素敵な人たちだから。
たくさんの涙を流すことがあったと思う。
それでもやっぱりこの10年ちょっとを、一緒に過ごしたかったと思う。
こんなにも素敵な人たちだから。
でも。それ以上に、こんなにも遅くなってしまったけれど、なぜかこの世界に出会えたことの喜びがそれを包んでくれる。
空っぽの宝箱を見つめる寂しさを、これからの宝箱には、ちゃんと宝石を入れられるワクワクが癒してくれる。
そして、ずっと曲を遡って、「Replay」までたどり着いたときには、なぜかわたしにはあの海沿いの道が見えていた。
あぁ、たしかにあの頃を一緒に生きていたんだ、と思った。
初めて触れる曲なのに、なぜか懐かしかった。
なぜかずっと5人と一緒にいたような気がした。
初めて会ったと思っていた人と、実は数年前に別の場所で同じ時間を過ごしていたかのような。
ずっと、5人がどこかで見守ってくれていたような気がした。
SHINeeの音楽はきっと、誰の思い出にもそっと寄り添ってくれるんだと思った。
過ぎた時間を取り戻すことができないわたしが、独りよがりにそう思いたい、のかもしれない。
でも、10年ちょっと経って、初めて彼らのことを知って好きになった人がいたら、10年以上前の音楽としてDon't Call MeやAtlantisを聴いている人がいたら、わたしと同じような気持ちの人がいたら、わたしはこの言葉を言いたいなと思う。
わたしにとって、SHINeeこそがAtlantisだった。
見慣れた、いつものリビングのテレビから繋がっていた、見たこともないくらい美しい世界。
まだ航海は始まったばかり。
10年後、20年後… 抱えきれないほどの思い出の宝石でわたしの宝石箱がキラキラと輝く日が、とても楽しみだ。