2024年10月クール、ドラマが前代未聞の豊作だった

きょうは表題そのまんま!

今期は稀に見る豊作だったなー!ということで良かった作品への愛を叫ぶだけの記事。


嘘解きレトリック

昔原作を読んでたのですが、途中で離れてしまって実写化はまさに寝耳に水。
正直最近の月9恋愛ものは…て印象だったし、キャスト発表後も半笑いで見守ってたら、まさかの大当たりだった。

キャスト発表後の友人(原作勢)とのやりとり ※再現

今見ると辛辣すぎる


ごめんなさい、我々の審美眼はゴミクズでした。

鈴鹿くんも松本穂香ちゃんもめちゃくちゃハマり役でした。今後二人の代表作になりそう。

特に鈴鹿くんは、一話から最終話にかけての伸びが半端なかった。特撮だとキャストの成長が顕著だと思うんですが、今回はそれに近い体験をさせてもらった。若手といえどそこそこキャリアのある俳優さん捕まえて何言ってんだって話だけど…回を追うごとに、どんどん仕草や、目線やちょっとした身のこなしが祝先生になっていくからすごかった。

あとはとにかく丁寧に作られたドラマだった。
原作は決して超有名作品ではなくて、にもかかわらず原作が好きな人が心血注いで作ってくれたんだな、っていうのがキャスティング、構成、演出すべてから伝わってきた。

まずNHKでもないのに連ドラで時代劇やってくれるってのが贅沢すぎるよね…私は原作ファンと名乗れるほど原作は読み込んでないけれど、ファンはめちゃくちゃ嬉しいだろうな。本当に幸せな作品だなあと思う。

ちょっと脱線するけど、今年もう一つ似たような体験をした作品がありまして…アニメ小市民シリーズって言うんですけど。

決して大衆受けしない作品だというのがファンも(多分制作側も)分かってるのに、ものすごく予算かけて丁寧に作ってくれてて、番宣もイベントもいっぱいやってくれて、こっちが心配になるぐらいだった(あまりに都合が良すぎるため、テレ朝の偉い人がファンなのか?と勝手に邪推してる)

全領域異常解決室



TBS植田Pが実質引退状態、日テレ土曜ドラマはオカルト成分が薄れてきており、かつ配信ドラマが隆盛の今、もう地上波ではSci-Fiドラマは拝めないのか…と思ってた中に現れたダークホース。
やっぱり黒岩脚本にハズレはない…!と噛み締めた3ヶ月間だった。

Xでも言及されてたけど、基本この手のSFドラマって日テレとTBSの独壇場だと思ってたから、まさかのフジテレビでびっくり。
確かに、世にも奇妙な物語とか、ほん怖とか、オカルト番組のノウハウ自体は豊富なんだよな…。
あと色んな常人離れした役をやらされてるイメージの藤原竜也が、まだ神様の役はやってない!て気づいたスタッフはえらい。

ちょっと全決に関しては好みドンピシャすぎて、あんまり個々の要素を褒める言葉が出てこない。とりあえず京都編待ってますね。

あと奇跡の祠ネタ被りはマジでスタッフ持ってたよな…



ライオンの隠れ家



柳楽優弥、マジで好きだわ…

というのはさておき。

徳尾浩司の脚本って奇抜な設定に寄りすぎて、上手く風呂敷が畳めないイメージが強かったので(某人魚ドラマとか吸血鬼ドラマとか…)半信半疑で見始めた。

正直序盤の4話ぐらいまでは話はなかなか動かないし向井理は一向に出てこないし、齋藤飛鳥みたいな可愛い子がこんなに親切なわけねーだろ!絶対裏がある!!と思ってたけど見事に裏切られた。知らない間にみっくんとライオンにめちゃめちゃ愛着が湧いてて、3人で寝てるところとかもう自分も寅じいの顔になってた。

しかも、哀れなDVサイコパス向井理からライオンを守ってめでたし!とか、家族の問題の裏に隠された社会の巨悪を暴く!とかではなく、小森家というひとつのプライドの話に終始してたのが本当に良かった。
みっくんの自閉スペクトラム症設定も、シナリオの謎解きには一切寄与せず、まっすぐに真摯に障碍者とその家族の物語を描いていて、今やっとこういうドラマが作れるようになったんだなあと思うと熱い。

それにしても坂東雄太の演技、もの凄かったですね…。私自身は当事者と深く関わったことはないけど、「本物」感が半端なかった。かなり取材と勉強されたんだろうなぁ。

もちろん佐藤大空くん演じるライオンも。夏クールのエマちゃんに続いて、子役も天才すぎる…!
向井理とお兄ちゃんでライオンの腕を引っ張りあってるシーン、怖がりながらも洸人を案じてる表情が上手すぎてマジでハラハラした。

あと演出というか、映像がことごとくエモくてオシャレでしたね〜
各話の最後、スタッフロールが画面一杯に表示されてウミネコの鳴き声がするところが実にかっこいい。タイトルバックも大好き。


海に眠るダイヤモンド



正直10月クールが始まる前は、この作品の独壇場だろうなぁと思ってたら、思いの外他に良作が多くて驚いた。
けどやっぱり、圧倒的に王者の風格がありましたね。

一話の開始一秒から制作側の気合がビンビン伝わってきて、キャストもセットもCGも何もかも贅沢だった。予算多いとこんなに楽しいんだなあ。誇張抜きに大河ドラマに匹敵する大作だったと思う。だから一年とは言わずとも、せめて2クール見たかったよ〜!!

地味に野木脚本の恋愛描写がかなり久し振りだったので、恋愛ドラマとしても毎週ほーんとに楽しかった!トリプルヒロインがそれぞれ全くタイプが違って全員可愛くて愛おしい。男性陣も親世代も町の人たちも、登場人物同士の色んな愛が本当にせつなくて、あったかかった。

あと主題歌も良すぎ。もうKing Gnuなんだから良いのは当たり前、ぐらいの段階に入ってるのに毎話流れる度に泣けるの、曲もだけど演出の巧さが光るなぁ。

最後に本物の軍艦島ロケ(しかも観光客立ち入り禁止区域内)があったのもありがたかった。いつか行ってみたいと思ってたんだけど、これでまた混むかな…

まさかの放送直後に配信でDC版配信してくれてるから、年末にゆっくりじっくり見る!



来期は秘密がめちゃくちゃ気になってます。生田斗真の映画版やってた頃に、原作さらっと読んだら面白くてびっくりした思い出(なお映画は見てない)。しかも脚本はあの佐藤嗣麻子女史。楽しみだ〜


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