写本
パピルスはもろく、100年程度で朽ちてしまうため、書き写し作業は中世を通して行われました。紀元後には羊皮紙という、より丈夫な紙ができたため、相当長持ちしたそうですが、それでも書き写しは継続されました。前半の1000年はパピルス、後半の1000年は羊皮紙で書写され続けたそうです。
印刷技術以前の時代はどれだけ写本してくれる人がいるかが後世に残るためのカギでした。名作ほど残る可能性が高かったのです。文章のお手本として書き写したくなるような作品ほど、写本がたくさんできたわけですから、後世に残ったというわけです。
https://core.ac.uk/download/pdf/233179473.pdf
文字で記録されたギリシア神話で最も古いものは
紀元前9世紀頃のホメーロスの、『イーリアス』『オデュッセイア』 紀元前8世紀、ヘーシオドスの『テオゴニア(神統記)』『仕事と日々』 ですが、これらは、後にローマの詩人・文学者がラテン語によって記述したとされていますが、当時の原本は残っていません。 写本としてうけつがれ、印刷技術が確立した後には、印刷物として伝えられています。
日本の場合にも、古事記、日本書紀、源氏物語、枕草子、いずれも原本はなく、写本として伝えられている。原本が残っている最も古い作品てなんなんでしょうね。日記では「明月記」で、これは、1200年前後の記録。
記録や経典では、正倉院文書は奈良時代のものだからもう一段階ふるくなりそうですね。